目次
1. 監督自己紹介
2. 『嘘の逃げ道』 この企画について
・あらすじ
・出演者/登場人物/出演者コメント
3. リターンについて
4. スケジュールについて
5. 過去の監督作
6. 最後に
監督自己紹介
はじめまして。映画『嘘の逃げ道』の監督を務める寺岡慎一郎と申します。
私は現在、立教大学大学院映像身体学専攻に在籍しており、映画監督・篠崎誠教授の師事の下、修了制作として撮るべく本企画の準備を進めています。
これまでは株式会社コーエーテクモゲームスでゲームプランナーとして働きながら自主映画の制作を行っていました。30代になったタイミングで一度映画制作に集中したく2023年度から立教大学大学院に入学し、映画制作を行っています。
このプロジェクトで実現したいこと
本プロジェクトの目標は、面白い映画を完成させて上映まで持っていくことです。
大学院の修了制作ではありますが、一般のお客様に観て、楽しんでいただくことをゴールと考えています。
学生映画・自主映画という枠組みであり、一般の劇場公開までの道のりは困難であると理解しています。しかし、2017年にヒットした『カメラを止めるな!』のようにインディーズ映画でも確かな面白さが実現できれば多くのお客様に楽しんで観ていただくことも可能であると考えています。
まずは面白い作品を完成させ、その後も映画祭出品、劇場への持ち込み営業、配信等で一般のお客様へ届ける方法を模索し続けます。
『噓の逃げ道』この企画について
【テーマ】
コンゲーム × 現代犯罪 = 未体験のクライムサスペンス!
【企画意図】
コンゲームと呼ばれる詐欺や騙し合いを主題にした犯罪サスペンス映画は名作揃いです。(『スティング』、『オーシャンズ11』、『コンフィデンスマンJP』etc…)騙しのテクニックや二転三転するストーリーにハラハラドキドキするそのジャンルは、今も昔も多くの人が魅了されています。
一方で、現代の日本では複雑な詐欺が現実に行われています。スマートフォンやSNSの発展と共に、オレオレ詐欺、キャッシュカード詐欺、振り込め詐欺、投資詐欺等、現代の詐欺犯罪は日々特殊な形態に変化し続けています。
本企画は、その両者を組み合わせます。
伝統的な映画の方法によって娯楽としての確かな魅力を実現しながら、現代の犯罪を浮かび上がらせること。それによって、新しくて面白い犯罪活劇を作り出します。
【企画内容】
嘘つきは富の始まり、世界の終わり
・あらすじ
清水真(26)は特殊詐欺グループで狭間圭二(36)の指示の下、「飛び(※)」を行っている。それがグループのリーダーである有田恭平(39)にバレ、圭二は監禁され、真は圭二の妻である狭間優香(31)からお金を騙し取ることを指示される。
真は弁護士になりすまして優香と接触し、「逮捕された狭間圭二の弁済金のため」と優香に嘘をついて金を騙し取ろうとするのだが…
詐欺師同士の騙し合いに、詐欺師を追う警官や暴走する私人逮捕集団が絡み、事態は二転三転していく。
※「飛び」…詐欺グループ内で金を騙し取ったり持ち逃げしたりする詐欺行為
・出演者/登場人物/出演者コメント

仲野修太朗/清水真 役…若き詐欺師たちのまとめ役
特殊詐欺グループの一員にして今作の主人公。詐欺チームの現場まとめ役。組織内の抗争に巻き込まれ、自分の師である狭間圭二の妻から金を騙し取るという任務を与えられるのだが…
「オーディションの際に寺岡監督はじめスタッフの方々とお会いし、作品への気持ちが一層強くなり、ご一緒できる知らせを受け嬉しさと共に素晴らしい脚本を演じる責任感を感じております。応援してくださる皆様のおかげで作品に参加できている感謝を胸に最後まで丁寧にやり遂げます。」仲野修太朗
田野真悠/狭間優香 役…美容師として平和に暮らす詐欺師の妻
ヘアサロンCielの店長であり、狭間圭二の妻。夫の圭二が詐欺師であることには気づかず平穏に暮らしていたのだが、圭二を中心とする特殊詐欺グループの抗争に巻き込まれていく。
「狭間優香役を務めます、田野真悠と申します。今まで信じていたものが虚像だったと気づいた時、知らずに生きていた方が幸せだったと思うこともあるかもしれません。何が真実で何が正義なのか、自分で考え見極めなければいけない時代に生まれるこの作品が、現代社会の危うさやに触れつつ、どのような渦を巻いていくのか今からとても楽しみです。」田野真悠
古川慶太/狭間圭二 役…清水真の師であり、狭間優香の夫
特殊詐欺グループに所属しながら、その組織からもも金を騙し取っているやり手の詐欺師。
「みなさん初めまして。狭間圭二役の古川慶太です。オーディションの際に脚本を読んでみて、役柄としてもとても面白いと感じていたので、今回狭間圭二役として寺岡組の一員になれたこと、嬉しく思います。改めまして、詐欺師だけどケイジです。僕はこれから寺岡組の活動に参加していくわけですが、作品を多くの方々に届けられるよう、また皆さんの熱意に負けないよう全力を尽くす所存です。今後もSNSで諸々投稿されていくと思いますので、皆さん温かい応援宜しくお願いします!」古川慶太
大友久志/有田恭平 役…特殊詐欺グループの影のリーダー
一見無害なサラリーマン風を装っているが詐欺組織の全てを把握し、裏でグループを牛耳っている
「信じるという言葉の力強さと恐ろしさと光り輝く感じとあやふやさを考えたりします。そして作品に関わるどきどきとわくわくを皆様と共有したいという思いも抱えながら」大友久志
在原貴生/イッカク役…犯罪者の撲滅を志すカリスマ
投資詐欺にはまった身内の不幸から詐欺を深く憎み、その憎悪と正義感から私刑団体を立ち上げるのだが…
「これまでご支援してくださった皆様、ありがとうございます。監督の寺岡さんとは、まだ多くの言葉を交わしていないけど、相手を尊重し意見を汲み取り、真摯に向き合ってくださる方だなと。ただ、作品に対してもそうですが、他者をわかったつもりにならない。可視化されていないものに対しても、目を向けられるように歩んでいきたいと思っています。長く愛される作品を残せるように頑張ります。」在原貴生
近森和奏/あかり役…若き演技派詐欺師
演技を得意とし、ターゲットと直接対面して詐欺にかける
「寺岡監督はじめ、スタッフの方々、役者の先輩たちが作ってくださる温かい現場が大好きで、のびのびと稽古させて頂いています。今回、チームの最年少ということで、心強い先輩方にお世話になりつつ、貪欲に食らいついていきたいと思います。様々な立場で、複雑に思いが渦巻いていくこの素晴らしい脚本を「あかり」として駆け抜けていけるのがとても楽しみです。」近森和奏
古市郁哉/タム役…心優しきルーキー詐欺師
詐欺をはじめて日は浅いが、人懐っこい性格から先輩詐欺師達から可愛がられている
「今回寺岡さんの作品を俳優という形で関わることができ大変光栄です。学部生ということで中々気が引けるところもありますが、自分の全身全霊を持って作品をより良いものにできるよう頑張ります。」古市郁哉
菊池涼太/景雄役…詐欺グループの後方支援担当
清水真の同僚であり、タムやあかりのお兄さん的存在の中堅詐欺師
「スタッフキャスト皆で作っていく雰囲気がある寺岡組。緊張と緩和が共存する脚本、そこから映画になった際には、観た人の心に少しだけ触れるような何かが、さらに生まれるのではないかと思います。撮影もしっかりとメリハリをつけて、色んな物を巻き込んで頑張ります。」菊池涼太
吉倉丈宜/中澤役…天然の壮年犯罪者
清水真のチームに新たに参加してきた壮年の詐欺師。
「こんな凄腕集団の中に自分が入っていって良いのか?などとは一切考えない、自分を過信し、その天然を武器に、自分は切り札であるのだと思い込む。果たしてこの集団の力になるのか邪魔になるのか?全力で騙します。」吉倉丈宜
矢島理佐/富岡役
特殊詐欺グループを追う中堅の女性刑事
「ハラハラドキドキしながら脚本を読みました。そんな中でも胸がキューっとなったり、クスッとするところもあったり。これがどのような映画になるのか今からとてもワクワクしています。監督がおっしゃる面白い映画というものを皆さんと共に形にしていきたいです。」矢島理佐
若林廉也/大村役
特殊詐欺グループを追う若手の男性刑事
「寺岡監督と初めてお会いして、穏やかな目の奥に燃え上がるような情熱が潜んでいるのを感じました。「スティング」を観て俳優になろうと思ったので、この企画にゾクゾクしました。参加できることが本当に嬉しいです。1人でも多くの方に作品の魅力を伝えられるようにやれる事は全て準備して撮影に望みたいと思います。」若林廉也
池松亜美/藤原恵役
頼れる優香の同僚。ヘアサロンCielの美容師
「本読みが始まりましたが、監督やキャストの皆さんと丁寧に向かい合う有意義な時間を過ごしています。この映画に携わることができて嬉しいです。私が演じる藤原恵は美容師で、複雑な物語の中でどう絡んでいくのか、楽しんでいただけると思います。」池松亜美
田村無多/ハセガワ役
有田の右腕として活動する詐欺師
「今作品への出演は、オーディションで何役も応募した末に決まりました。そこまで食らいついた甲斐があると思わせられる熱量が台本からも伝わってきます。そのポテンシャルを皆さんにも感じて貰える様取り組んでいきます。」田村無多
秋沢隼市/ジュン役
詐欺グループのメンバーで投資詐欺なども得意とする
「ジュン役の秋沢隼市です。脚本をいただいて、いま僕が挑戦したいジャンルだったということもあり、全力でオーディションに臨ませてもらいました。皆様のご支援もあり、この作品に参加できていることを忘れず1シーンずつ丁寧に演じていきます!」秋沢隼市
野上桜禅/いっぺい役
真と同じ詐欺グループのメンバー
「『脱走』引き続き、寺岡監督の作品に関わらせていただける機会を頂きました。この素敵な脚本に、関わらせていただく事によって、少しでも色や深みを添えることができたらと思っております。たくさんの方にご覧いただけることを願っております!」野上桜禅
佐野眞一/正治役
特殊詐欺で妻を亡くし、復讐に燃える老人
「何事も一期一会の想いで良い作品にする為に」佐野眞一
荒井ぶん/勝代役
真ら特殊詐欺グループの被害者
「若い力って、素晴らしい。エネルギッシュで、純粋で、まっすぐで。そんな若い力の結集を応援したくて、思わず参加。第2の『カメラを止めるな』を目指して、がんばってほしい。いや、がんばろう!」荒井ぶん
【リターンについて】

【スケジュール】
2024年
3月 企画立案 済
6月 脚本初稿 済
7月〜8月 脚本改稿 制作計画作成
8月〜9月 プリプロ
10月 クランクイン
11月 クランクアップ
12月 編集
2025年
1月〜2月 編集 仕上げ
3月 完パケ 試写会
以降、2025年度は映画祭出品、劇場に持ち込み営業を行う。
その結果も踏まえて2026年以降、上映や配信を検討して進める。
【過去の監督作】
・『脱走』2023年・55分
ひきこもりが主人公の脱獄映画。「引き出し屋」と呼ばれる実在の業者を題材にしている。PFF2024一次選考通過。2024年現在、映画祭出品中のため未公開。
・『食卓』2024年・5分
寺岡慎一郎がライフワークとしている短編ホラーの最新作。脚本はN/Aが担当し、寺岡は自由に演出して制作した。
・『盗みとゆすり』2024年・2分
寺岡慎一郎が実習課題として制作した作品で、指導教官の篠崎誠からはじめて手放しで褒められて嬉しかった作品。
※その他短編多数Youtubeチャンネルにて公開中
最後に
私は今年で32歳です。7年間やっていた仕事を辞め、現在は貯金を切り崩しながら大学院で映画制作を行っています。私がこの年齢でその決断をしたのは、自分が純粋に面白いと思うものを作りたかったからです。
面白いとは、人を楽しませ、人生を豊かにしてくれるものだと私は思います。
面白いとは、人の知的好奇心を満たし、世界に対する新たな気づきを与えてくれるものだと私は思います。
面白いとは、人が直面する現実の苦しみからの逃げ道を提供し、同時に現実に打ち勝つ知恵と勇気を与えてくれるものだと私は思います。
私が信じる面白さとは、私が実現したい面白さとは、そういうものです。
一口乗っていただけませんか?
どうかご支援、よろしくお願いいたします。
【Instagram】@uso_no_nigemichi
【X】@uso_nigemichi
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映画祭選考と上映のお知らせ
2025/11/30 18:35お久しぶりです!『嘘の逃げ道』スタッフです☺︎この度、『嘘の逃げ道』が日本映像グランプリ2025の一次選考を通過し、一般審査会に進むことになりました!一般審査会では、観客の皆様も投票して審査にご参加いただけます!東京と神戸で上映がありますので、お近くの方はぜひ観ていただき、本作を応援していただけますと嬉しいです。上映会詳細▽◯東京会場日時:2025年12月7日(日) 10:00開演(9:40開場)場所:東京芸術センター シネマブルースタジオチケット:1コマ500円(当日会場にて開場時刻より販売開始)注意事項:開演10分後以降は入場できません。別のエントリー作品1本と合わせての上映となりますが、2作目(『嘘の逃げ道』)のみを観たい方も開演時刻から入場する必要があります。合わせて約140分の予定です。詳細はこちら◯神戸会場日時:2025年12月7日(日) 19:00開演(18:50開場)場所:日本芸術会館 プレゼンテーションルームチケット:1コマ500円(当日会場にて開場時刻より販売開始)注意事項:開演10分後以降は入場できません。別のエントリー作品1本と合わせての上映となりますが、2作目(『嘘の逃げ道』)のみを観たい方も開演時刻から入場する必要があります。合わせて約140分の予定です。詳細はこちら今後もSNSなどでも情報発信していきますので、よろしくお願いいたします! もっと見る
関係者向け上映会を行いました!
2025/06/18 12:45先日、都内にて関係者向けに上映会を行いました!キャスト、スタッフ、そしてクラウドファンディングでご支援いただいた皆様に参加していただきました!スクリーンと良い音響環境で大勢の方に観ていただくことができました!普段PCの小さな画面で仕上がりをチェックしていた監督やスタッフたちも本格的な環境で観ることができて感動していたようです。観た後、直接感想もいただけてとても素敵な上映会となりました!上映後のトークイベントや交流会も行い、そちらも盛り上がりました˚. ✦.˳·˖✶ ⋆.上映会を終えて、寺岡監督からお礼のメッセージがありますので、ぜひお読みください▼ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー『嘘の逃げ道』に関わってくださった皆様へお世話になっております。寺岡です。6月15日の上映会で完成した作品を一緒に見ていただきまして、ありがとうございます。今回予定が合わなかった皆様にも別の方法で観ていただけるよう手配いたしますので今しばらくお待ちください。このメッセージは、この作品に関わった全ての人に向けて書く、つまり、スタッフや俳優やクラウドファンディングで支援してくれた方々、上映会に来てくれた方々、そういった全員に向けて書くということで、どちらを向いて何を書けば良いのかと、迷っております。そこで、もういっそ私個人の話を書いてしまおうと決めました。少し内省的になってしまうかもしれませんが、お時間ある方は読んでいただけますとありがたいです。無事上映会まで終えられてひと安心しております。この上映会を経験し、もしかしたらこれは続いていくのかもしれないな、と思いました。正直に告白しますと、上映の直前までは「もう最後かもしれないぞ」とも思っておりました。というのも、撮影が終わった段階で私の経済状況は破綻してしまい、両親やごく親しい友人数名に助けられながらなんとか生活を立て直している最中であったため、映画制作はもう無理であろうと感じ始めていたのです。それが上映会で皆様にお会いし、皆様と一緒に完成した映画を観たことで「あ、これは何かしらで続いていくのだろうな」と、考えが一変してしまいました。上映会が終わったからといって、私の生活における経済状況は何も変わらないどころか関連する諸々の支払いに追われる日々が始まるわけですから、今私が抱いている感慨は全くの幻想かもしれません。しかし、こういった何か、上映会で私が見た何かは続いていく、なぜかそう強く信じられるようになったのです。私が感じているその何かというのは、文化という言葉が一番近いような気がいたします。私の大学時代の恩師、昨年度まで通っていた大学院ではなく、10年前に通っていた京都大学で美学を教えていた吉岡洋先生が文化について次のように述べていました。「文化は一人の天才が作り上げるのではない。才能があるのかどうかよく分からない変な人、その変な人に共鳴して力を尽くす何人かの人、その何人かをすごい人達だなあと眺めながらその集団でなんとなく一緒に過ごすたくさんの人、その全員によって文化が作られている」私の解釈も入っていますが、ざっくりとそのような趣旨を先生は述べていました。私が上映会で見たのはこの光景でした。私がこの作品の制作を通して経験したのは、文化だったのだと思います。吉岡先生のこの言葉を聞いた21歳当時の私は、自らの才能の有無ばかりを気にして傲慢と不安の間で日々引き裂かれる平凡な若者でした。その数年後に自分に才能など無いのだと気づき、最近はそもそも個人の才能などどうでもよいのだと思うに至りました。重要なのは映画作家や野球選手のような個人の才能ではなく、映画や野球といった文化の方であり、この私が生きることやこの宇宙があることと関係が深いのは文化なのだと考えるようになっていきました。『嘘の逃げ道』を作ろうとした私に、才能は間違いなくありませんでした。私は、私の力では面白い映画、すごい映画などきっとできないであろうことは分かっていました。それでも、私はそのことを十分に承知の上で、30歳で唐突に会社を辞めて立教の大学院に行き、篠崎誠という映画監督に教えてもらいながら映画を撮ろうと決意し、そこで出会った若者達とクラウドファンディングでお金を集めて面白い映画、すごい映画を作ろうとしました。この数年間の私は間違いなく変な人であったと、胸を張って堂々と宣言できます。そんな私の変さに共鳴してくれた何人かは大変優秀な人ばかりでした。企画段階からスケジュールを立てて怠惰な私を管理し、チーム全員のことを考えながら撮影を進行し、さらには上映会の実現まで導いた院生の藤浪さん、全く立教と関係ないのにフルコミットで新座キャンパスに入り浸って学生スタッフをリードし、新しい現場で忙しい中上映会に駆けつけて一人残って最後の上映を見つめるカメラマンの山岸さん、ロケハンに自分から参加したり他の俳優陣に働きかけたりして俳優スタッフの垣根を越えて組をまとめ、現場が混乱する中では身体一つのパフォーマンスで作品に芯を通した主演の仲野さん、そういった挙げればキリがないほど優秀な方々によって、映画が具体化していきました。そして、そういう優秀で魅力的な彼ら彼女らを慕って気づけばたくさんの人が集まっていました。私は撮影現場で「よーいスタート」と「OK」を繰り返しながら、この巨大な謎の集団は一体何なのだろう?とずっと不思議に思っていました。俳優陣から「監督!」と呼ばれておいて何一つ管理監督できていなかった私は(山岸さんはそのことを分かっていたので私を「そこの監督みたいな人」と呼んでいましたが笑)、いつの間にか巨大化していた謎の集団が、個々に蠢きながら全体として得体の知れない運動を始めていくのをただ見つめていることしかできませんでした。動き出した謎の組織を私にはもはやどうすることもできなかったわけですが、どうもこれは自分が社会の一般的なシステムからほんの少し逸脱した、おかしな動きをしてしまったことがきっかけらしいということだけは分かっていましたので、逃げ出してしまうこともできず、最後までただじっと見守り続けていました。そうこうしているうちに撮影が終わり、組織は解散し、私は無くなってしまったお金を返すためまた仕事を始めました。「ああこれで私はまた元の人生に戻っていくのか」、一時はそう感じていました。それは寂しさというより安堵に近かったかもしれません。しかし、世の中そんなに甘いものではありません。蠢く謎の巨大集団は消えてなどいなかったのです。6月15日、暗躍する藤浪さんを中心にあのような盛大な上映会が開かれて一時は解散したかに思われた巨大集団が再び結集し、さらにはそこにクラウドファンディングで支援してくれた私の友人や家族や先輩や同僚に加えて私がよく知らない人々もどんどん集まっていき、その得体の知れない集団の記録映像をみんなで眺めるという事態にまで達してしまいました。前日まで「もう2度とできないかも」と思っていた私はなんと愚かだったのでしょう。もはや私の意思や欲望や生活なんて何の関係もない事態にまで発展しているのです。私個人ができたりできなかったりする、そういう問題ではないのです。とっくの昔に私は何も監督などできていなかったのですから。もうこの得体の知れない何かは止められません。これからももっともっと巨大化し、無限に拡散していくことでしょう。私にはもうどうすることもできません。吉岡先生が文化と呼んでいたこの得体の知れない何かは、今私にとって恐怖であり、同時に希望でもあります。希望とは、この蠢きを見守り続けることです。そのことだけは私にもできるような気がしています。自分にどうすることもできない蠢きをただじっと見つめ続けることは、私にとって映画を観ることとよく似ているからです。私は、今後も仲野さんや山岸さんや藤浪さんや、彼女ら彼らを慕って集まってくる人々の生み出す蠢きを見つめ続けるのだと思います。それが私の人生なのだと、大袈裟ですがそのことを、この映画を制作することを通して知りました。最後に、この私が見守ろうとしている蠢きの外側には、また別のたくさんの文化があり、それらの集合として社会があるのだという気づきも付け加えさせてください。この映画制作は、そのような社会に生きる方々の支援によって実現しました。世界で何十万本何百万本売れるゲームの開発を導きながら、会社を辞めた人間の制作に快く手を差し伸べてくれる先輩や同僚がいます。普段はそれぞれの仕事をしながら親として自分の娘や息子やが参加している映画制作に協力して活躍を見守ってくれる方々がいます。かつては一緒に作品作りをしていたけれど今はそれぞれに結婚したりこどもができたりして一緒に活動するのは難しくなった中、こういう時はいつも応援してくれる大学時代の仲間がいます。何も連絡してないのにどこからか見つけ出して仲間内で情報を広めて支援してくれる中学や高校の旧友がいます。誰も見てないんじゃないかと思いながら地道に短編を上げていたYoutubeチャンネルから情報を知って支援してくれた方もいます。俳優のファンの方や、スタッフの友人や家族の方もいるでしょう。今回私がそういった皆様から集めたお金で制作して完成した映画は完璧なものではなかったかもしれません。良いところもあれば改善できるところもある、冷静に見ればそういう映画だと思います(それはもちろん私の監督としての力不足によるものです)。映画には好みもありますから、私自身の好みに照らし合わせればこの映画もなかなか悪くはないですが、この映画一本で誰か個人の人生が決定的に変わる程甘いものでもない、それが私の現状認識です。ただ、この映画を制作する過程で生まれた、この謎の蠢く巨大な集団は紛れもない傑作です。禍々しさと純粋さを併せ持つ強烈なエネルギーを秘めた予測不可能な謎の運動体です。この集団やそこから派生して生まれる新たな集団が次に何をしでかすのか、どんなものを作り出してしまうのか、全く予測できません。この傑作を観たことは、私の人生を決定的に変えてしまいました。私は、今後もこの蠢きから目を離すことはできないでしょう。もし私が我こそは映画監督であると胸を張って言える日が来るとすれば、私が今回皆様に見せていただいたこの蠢きを、この映画的感動を、恐怖を、希望を、私だけのものとして終わらせず、映画という形式に落とし込んで皆様にお返しできるその時だと思います。今回手を貸して下さった皆様が仕事や子育てや友情や家族愛やその他様々なことに人生をかけて取り組み、日々世界に様々な文化を立ち上げていらっしゃるように、私もまた、映画作りに取り組んでいこうと思うことができました。いつもいただいてばかりで大変恐縮ですが、そのことに気づかせていただき本当にありがとうございます。これからも、時に共に作り、時に共に過ごし、時に遠くから見守り合う、そんな風に関わっていければと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。寺岡慎一郎ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこれからももっと多くの方に見ていただけるよう、頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いいたします!『嘘の逃げ道』スタッフ もっと見る上映会まで一週間!
2025/06/07 20:50こちらの活動報告は支援者限定の公開です。







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