過剰在庫が社会課題の脱脂粉乳から「服」をつくる
本プロジェクトでは過剰在庫が社会課題となっている脱脂粉乳の消費促進や新たな価値創出を目的に、従来の食用とは全く異なる「服にする」というアプローチを社会に提唱します。国産脱脂粉乳を繊維に練り込み、綿と混ぜて糸を紡ぎ、そして生地に編み立てる。
1970〜2000年代にここ日本でもシルクの代用として流通していた牛乳繊維の考え方を脱脂粉乳で実現させた取り組みです。国内の倉庫に積み上がっている脱脂粉乳の消費促進やアップサイクルを実現することで、消費活動によってソーシャルグッドを体現できるプロダクトを目指しています。
皆さんのご支援で、高い製造原価の削減を目指したい
一般的に流通している綿や化学繊維と異なり、脱脂粉乳を繊維に練りこんで製造する当方の生地は原価の高さが課題です。今後の正式販売に向けて消費者の皆さんがお求めやすい価格を設定したく、製造原価に充当するご支援を募るものとなります。
プロジェクトオーナーの紹介
株式会社Blueprint one
代表取締役 鈴木大樹(スズキ ダイキ)
1980年生まれ。東京都板橋区出身。数社のマーケティング会社を経て2017年に株式会社ファームノートホールディングスに入社。グループ全体の広報ブランディング、酪農・畜産生産者向けサービスのマーケティング組織立ち上げを歴任。2022年4月に株式会社Blueprint oneを創業。持続可能な一次産業への貢献を目的とした農産物の販路拡大とアップサイクル、農村地域の地域振興を事業テーマに、衣食住に関わるプロダクトを通じて一次産業への興味喚起を目指しています。
脱脂粉乳ってなに?
乳牛から搾ったミルク(生乳)のうち、クリーム・バターなどの脂肪分や水分を除き、粉末状にした乳製品です。スキムミルクといえばイメージしやすいかもしれません。タンパク質などの栄養素に加え、ミルクの豊かな風味を備えているため、ヨーグルトを中心に加工食品の原料として重宝されています。
この脱脂粉乳は、乳製品の需要と供給の調整弁の役割も果たしています。生乳はそのままでは腐敗しやすいため、コロナ禍の大量生乳廃棄危機など、需給緩和の際には保存の利く脱脂粉乳に加工することで、廃棄される生乳の発生を防いでいます。
どういう課題を解決できるのか?
脱脂粉乳はここ数年、過剰在庫が問題となっています。2020年に始まった新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、需給バランスが大きく崩れたことが要因です。具体的には、コロナ禍で学校給食牛乳の供給停止やインバウンド需要の喪失などが重なり、行き場を失った生乳が脱脂粉乳に形を変え、乳業メーカーや流通事業者の倉庫に積み上がりました。脱脂粉乳の主要仕向け先であるヨーグルト需要の足踏みも在庫の増加に拍車をかけました。
農水省の統計によると、国内の脱脂粉乳の在庫量は、コロナ以前の2019年末に6万9300㌧だったのが、2022年5月末には過去最高水準の10万4200㌧に達しました。直近の在庫量は4万9000㌧前後(2024年9月末時点)と適正水準まで減っていますが、これは酪農家が生乳生産を抑制したり、生産者団体や乳業メーカーが資金を出し合って、特別対策を講じ続けているからです。特別対策をストップすれば在庫は再び増加に転じてしまうでしょう。
脱脂粉乳の在庫が増えるとなぜ困る?
脱脂粉乳の過剰在庫は、様々な弊害を引き起こします。最も大きいのは、酪農生産基盤の弱体化につながることです。今回の過剰在庫を巡っては、北海道を中心に全国の酪農家が乳牛頭数を減らすなど、生乳生産の抑制を強いられました。
酪農家にとって、生乳は最大の収入源です。円安などの影響で、酪農経営に必要なあらゆるコストが高騰している現在の情勢下、思うように生乳が生産できない状況が続いたことで、廃業の加速につながってしまいました。北海道をはじめとした酪農専業地帯で酪農家の戸数減少が続くと、地域経済やコミュニティの維持にも支障をきたしかねません。酪農の衰退は、暮らしに直結した問題といえます。
脱脂粉乳を繊維に活用するプロダクト
目指したのは「肌触りのいい、着やすさ」
デザイン性も重要ですが、それ以上に農作業現場でも重宝される「機能性」を重視した生地を開発しています。発信するプロダクトは一次産業・酪農業界の現状を伝える媒体。プロダクトを通じて一次産業のネガティヴな側面だけではなく、ポジティブな面も紹介することで次世代を担う方々に一次産業の姿を届けたいと考えています。
※当商品は牛乳タンパク質(カゼイン)を含有しています。牛乳アレルギーをお持ちの方は着用をお控えください。
本プロジェクトの準備状況
リターンご納品に向けて準備を進めています。ご購入いただいた商品とサイズを取りまとめ、必要なものを必要な分だけ受注生産で製造することで、無駄な廃棄物を生成しないよう心がけています。
現役酪農家からの応援コメント
私たち酪農家にとって、脱脂粉乳の余剰は生乳の価格安定においても長年の悩みの種でした。しかし、この新しいアパレル製品の開発は、まさに希望の光です!
我々の努力が無駄にならず、新たな形で価値を生み出せることに、胸が熱くなります。このような革新的なアイデアが、酪農業の持続可能性を高め、私たちの生活を支えてくれると信じています。酪農家として、この取り組みを全力で応援します。これからも、どんどん新しい可能性に挑戦してほしいと思います!
2024年 農林水産祭 畜産部門 内閣総理大臣賞 受賞
群馬県 / 須藤牧場 須藤晃代表
プロジェクトに対するコミットメントと今後の展望
プロダクトを通じて一次産業や農産物の魅力を発信することで関心と共感の輪を広げ、持続可能な社会の実現に貢献したいと考えています。まずは弊社が持続可能な事業を営めるよう、社運をかけたプロジェクトです。地域で産出される脱脂粉乳を原料に「地産地消や地域振興、世界への輸出」など広がりを生むような取り組みに昇華させたいと考えています。
スケジュール
2024年11月:募集開始
2024年11月末:募集終了
2024年12月〜:順次リターンのお届け
構想3年、事業にかける想い
事業構想からこのフェーズに辿り着くまでに、約3年間の時間を費やしました。今回のプロダクトで特に苦労をしたのは脱脂粉乳を繊維化する工程。国内外200件以上の繊維会社に問い合わせをするも中々見つからず。ようやく見つけた中国の繊維工場との開発を進めようとした矢先に日本産乳製品の輸出禁止。
国家間の規制に翻弄されたり、新素材ゆえの開発苦労など思い通りにならないことが本当にたくさんありましたが、何度もアプローチを重ねた甲斐もあり、日本国内で脱脂粉乳の繊維化が叶うことになりました。
リリースができる喜びと達成感、消費停滞に悩む脱脂粉乳に新たな価値を創出できる期待、皆さんに受け入れてもらえるのかという不安が入り混じった感情が本音です。
この国の一次産業が輝く、新たな瞬間をつくりたい。
この国の一次産業には、課題が山積みです。
けれど、視点を変えればそれは、チャンスの山でもあります。
過剰在庫が社会課題となっている農産物や、製造過程で生まれるロス品など。
それらを利活用し、プロダクトとして新たな価値を創出することが私たちのプロジェクト。
ビジョンに共鳴してくださる方々や企業と連携し、クリエイティビティとテクノロジーの力で、循環型経済の「次のかたち」を模索していく。その先に、一次産業の魅力を伝え、担い手が増えるきっかけをつくる。
一次産業が変われば、地域が、世界が、未来が変わる。そう信じて。
私たちがつくりたいもの、それは、未来につながる可能性の瞬間(=moment)です。
ブランドサイト:https://moment-of.com/
【 注意事項 】
・反社会勢力、宗教団体、政治結社、マルチ商法、ネットワークビジネス等に関与されている場合は、当プロジェクトへの参加をお断りいたします。
・運営からのメールが迷惑フォルダやプロモーションフォルダに入ってしまうことがありますので、合わせてご確認ください。
最新の活動報告
もっと見るご支援に対するお礼
2024/11/05 13:57ご支援をいただいた方々ページをご覧になってくださった方々この度は当方プロジェクトへのご支援、興味を持っていただきまして誠にありがとうございます!おかげさまで募集開始1時間弱ですが、多くのご支援をいただいております。本当にありがとうございます!一次産業の課題に一石を投じる取り組みとなりますが、弊社単体の取り組みではその波紋は小さいものかもしれません。皆さまのお力添えも賜り、少しでもインパクトのある取り組みにできることを願いばかりです。クラファンの募集は今月末までですが、事業としては挑戦が始まったばかりです。引き続きよろしくお願いいたします! もっと見る
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