2018/05/28 17:23

ご報告がなかなか出来ずに申し訳ありません。

現在ベルギーでの公演を無事に終え、ドイツに到着、今夕はボン大学での公演です。

さて本日ご報告を致します5月25日は今ツアーのハイライトともいえる一日でした。

まず日中にルーヴェン大学で行われたシンポジウム「現代史の日」にゲスト出演。国立映画アーカイブ所蔵の『摂政宮殿下活動写真展覧会御台覧実況』『楠公 桜井の訣別』を上映しました。ヨーロッパ各国から集まった近現代史のエキスパートが二本の記録映画を興味深く、かつ愉快そうにに見る光景は我々としても心躍る時間でした。別のシンポジウムでもこういった企画をやって欲しいと要望も出ております。

また上記二本の説明台本(弁士の語りの台本)を英訳してくれたのはルーヴェン大学の学生さんでした。太平記や多くの戦前資料からの引用をしている本作の翻訳はとても大変でしたでしょうに見事に訳してくれていて、ルーヴェン大学の日本語教育のレベルの高さを感じるとともに、そういう形の文化交流にも無声映画は寄与できるのだと改めて気付いた次第です。

つづいて夜はブリュッセルのシネマパレス公演。演目は『雄呂血』。

上映前に主演の阪東妻三郎は何度か自身の映画の海外上映を望んでいたものの無声映画時代には果たせなかった事をお伝えし、だからこそ今日、ブリュッセルで『雄呂血』が上映されるのは特別なイベントなのだと申し上げました。

そんな上映会場のシネマパレスは無声映画時代にPathé Palaceとしてオープン、1973年まで運営されていたものの惜しまれつつ閉館、2018年2月末にリニューアルオープンした古くて新しい映画館で、我々の公演会場としては最高の場でした。

こちらは満員御礼!という訳にはいかなかったのですが、地元の熱心な映画ファンに加えルーヴェン大学副学長様、欧州連合日本政府代表部大使様、在ベルギー日本国大使様、在ベルギーアメリカ国大使代行様といった方々にもご覧いただき、高い評価を頂いたのみならず打ち上げにもご参加頂く光栄に浴しました。

要人に褒められたのを喜ぶのも俗っぽいですが『グレイテストショーマン』でも英国女王に謁見して一座の格をあげようとする描写も御座いましたし、やはり褒められるのは嬉しい物です。

シネマパレスの支配人からも「また是非来てくれ」との言葉を頂き、ますます欧州での無声映画&楽団&弁士の上映と言えば映楽四重奏に決まってきた感が御座います。

残りあと2公演、より以上の成果を目指して頑張ります。