この度、さどの島銀河芸術祭2024において、世界農業遺産の岩首昇竜棚田に「会遇」という令和の地蔵を設置するプロジェクトを行いました。多くの方々からのご賛同と応援をいただき、心より感謝申し上げます。目標金額には達成できませんでしたが、皆様のおかげで無事にプロジェクトを進めることができ、素晴らしい作品が完成しました。
プロジェクトの初日、私たちは埼玉県川越市にある涼仙の森から「会遇」をクレーン車やダンプに積み込み、佐渡島へ向かいました。参加者は埼玉だけでなく、千葉や香川など様々な場所から、20〜50代までの熱い思いを持った仲間たちが集結しました。
岩首昇竜棚田に到着後、地元の方々や大石さんと挨拶を交わし、設置に向けた最終打ち合わせを行いました。前回の視察をもとに、日月や方角、周辺の状況を考慮しながら、位置や角度、高さを慎重に決定しました。その後、宿泊場所をお借りして、岩首昇竜棚田米を使ったご飯を作り、皆で食事の時間を過ごしました。
作業が始まると、5トンを超える石を据えるために地盤を整えました。私たちが亡くなった後も残るものとして、入念に形成していきました。最初に会遇の頭となる一番重い石を据え始め、この一石で位置や角度、高さが決まるため、何度も確認しながら慎重に作業を進めました。クレーン車を棚田に入れると田んぼに負荷がかかるため、チェーンブロックなどを使い微調整を繰り返しながら積み上げていきました。
田んぼの中での作業やクレーン車が使えない状況、大雨の予報など、さまざまな困難がありましたが、私たちは試行錯誤しながら自分たちを信じて作業を進め、無事に会遇を設置させることができました。
会遇の周りには、田んぼをひろげて出た土を使って築山を作り、周辺の環境を整えました。田んぼと海の間には桜やハンノキがありましたが、混み合っていたり、ツルが絡まっている様子が気になったため、少し手を加えてあげました。予報通りの大雨も降りましたが、それまでになんとか終わらせることができ、完成したばかりの会遇や棚田をゆっくりと見ることができました。
ある場所からは、ひっそりと寄り添うように、また別の場所からは堂々とした姿で根を張っているような会遇が見られました。完成した姿や棚田との一体感は素晴らしく、また、皆が一石ずつ積み上げていく姿も感動的で美しいものでした。
最終日には、大石さんが完成した会遇を早朝に見て興奮し、宿泊所に来てくださいました。とても喜んでくださり、朝食を共にしながら棚田についてゆっくりお話しすることができました。移りゆく棚田の四季と会遇の姿を楽しみにしているとおっしゃっていました。また、さどの島銀河芸術祭実行委員長の吉田さんも訪れ、実際に棚田と完成した会遇を見て感動していました。
このプロジェクトは、完成して終わりではなく、岩首昇竜棚田や佐渡の島銀河芸術祭、私たちの大きな一歩です。これからも皆様のご意見を大切にしながら成長していきたいと思います。今後とも応援よろしくお願いいたします。改めて、心からの感謝を申し上げます