自己紹介
・わたしたち、一般社団法人メノキは、全盲の彫刻家である三輪途道(みわ・みちよ)代表を中心に、視覚障害者と晴眼者(視覚障害を持たない人)が文化芸術活動を通じて出会い、交流する環境を作ることを目的に活動しています。地元企業や大学、点字図書館や美術館などと協力しながら、展覧会や演奏会、ワークショップ、書籍・冊子の出版などを行ってきました。
今回のプロジェクトの、『共生上毛かるたを教育の場に広げて群馬県を「共生社会」の先進地域に!』は、わたしたちのプロジェクトの中で生まれた「みんなとつながる上毛かるた」を、群馬県の教育の場に広げていこうというプロジェクトです。
解決したい社会課題
・群馬県では「年齢や性別、国籍、障害の有無等にかかわらず、誰一人取り残されることのない社会」を目標として掲げますが、美術館や博物館に、障害のある人が気軽に訪れることができるようにはなっていません。現在、わたしたちは「インクルーシブアート研究会」を立ち上げ、日本で先進的な活動をされている方々を群馬にお招きして、県内の関心のある方たちに呼びかけほぼ月一回のペースで県内の美術館の協力のもと、研究会を開催し、美術館でのアテンドや鑑賞サポーターの育成事業を自力で運営しています。しかし東京や他の大都市のように、人材も資金も十分でなく、非常に苦労しています。
地域を共生社会へと変えていくためには、教育が何よりも重要です。わたしたちの事業の中から生まれた、「みんなとつながる上毛かるた」は、群馬県の誰もが口ずさめる文化資産である上毛かるたを立体版にして、見えない人も見えにくい人も見える人も一緒に遊べるようにしたもので、これを県内の教育の場に取り入れてもらうことで、子どもの頃から共生社会の豊かさや楽しさ、五感を使ってさまざまな世界を感じることを学べるような環境を地域社会に生み出すことを目指します。
・「みんなとつながる上毛かるた」は、群馬県立点字図書館から触って遊べるような上毛かるたは作れないだろうかという依頼を受けて、さまざまな人たちと協力しながらアイディアを出し合い作ってきました。昨年夏に初版が完成し、多くのフィードバックをいただいて、さらに改良版ができたばかりです。改良版の制作のために、このキャンプファイヤーで「「みんなとつながる上毛かるた」改良版の制作と普及活動の支援プロジェクト!」で一度ご支援いただきましたが、これをさらに広く教育の現場に広めるためのプロジェクトが今回のクラウドファンディングになります。
このプロジェクトで実現したいこと
・県内の小学校・中学校で授業に取り入れられるように複製版をたくさん作ります。現在は手作業ですが、3Dプリンターや、立体印刷などでの可能性も視野に入れつつ、その研究にも取り組みます。
・また、わたしたちがこの「みんなとつながる上毛かるた」を携え、県内の教育機関を回って、先生方や、生徒のみなさんと実際に体験してもらう場を作っていきます。すでに、群馬県立点字図書館・群馬県立盲学校・大泉町立東小学校・群馬県立女子大・共愛学園前橋国際大学短期大学部などで体験の場を作っていただいています。さらに多くの教育現場でそのような体験の場を作っていきます。
スケジュール
8月 「みんなとつながる上毛かるた展」富岡市立美術博物館
9月 「みんなとつながる上毛かるた展」群馬県社会福祉総合センター
11月4日 クラウドファンディング終了
12月 複製版制作
2025年4月各教育委員会と連携しながら県内の教育機関で体験の場を増やしていく
資金の使い道
複製版制作費(全て手作業による): 約50万円
研究費(3Dプリンターや立体印刷の可能性を探る): 約30万円
広報費(チラシ制作など): 約10万円
交通費など(普及活動のため群馬県内の学校などを回ります):約10万円
リターンについて
三輪途道代表は、長年彫刻家として、現代日本の具象彫刻の最前線で活躍してきました。網膜色素変性症によって視力を失ってなお、触覚のみによる造形という前人未到の分野を切り開きつつあります。
今回リターンとして、彫刻家として新たな境地を開きつつある三輪途道の、「みんなとつながる上毛かるた」に題材をとった作品を多数出品します。また、まだ視力が少しあった頃の大作、蚕神猫の像も出品いたします。この大作のバリエーションで群馬の特産であるだるま工芸と合体させた、蚕神猫だるまは、一度販売してとても人気がありましたが、今回のクラファンのために再度復刻することにいたしました。これを機会にぜひお求めください。
また、別プロジェクトとして、「勧進88」という地域密着型ご支援プログラムもメノキHPにて行っております。camp-fireにないリターンも用意してございますので、ご興味のある方はぜひこちらもご覧ください。
最後に
・われわれの活動は、視覚障害者の方たちが直面する、特に芸術文化活動に関わることの困難さの解決を目指した活動でした。しかし視覚障害の方たちを一方的にサポートするだけでなく、触覚を通じてお互いの感じ方を共有することで、見えているはずの晴眼者にも「見えていない」世界があることを気付かされました。そのような視点の変化が、芸術文化の創造や鑑賞にもより深い豊かさを与えてくれることにつながるように思います。また、社会を少しでもより良い方向に変えていく力を与えてくれるように思います。
・そして、その共生社会の豊かさを社会で広く共有するには、何より、教育の現場が大事だということに気付かされました。ぜひ、群馬県のみなさま、また県外でも地域社会での共生の取り組みに関心や興味のある方、わたしたちの活動にご支援いただき、ともに、地域での共生社会の実現に向かって歩んでいっていただけないでしょうか。どうぞよろしくお願い申し上げます。
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見る三輪代表からのメッセージ「みえない木彫教室」
2024/10/07 19:34「みえない木彫教室」木彫教室の話を書きます。私は教育関係には無縁に生きてきましたが、見えていた頃からやっていた、木彫教室の運営だけは、続けています。見えなくなってからは、新人を入会させることはしませんが、ベテランだけは今でも面倒を見ています。刃物の研ぎ方などの道具の使い方は教えられなくなりましたが、ある程度彫れる人の指導であれば依然と変わらず教えることが出来ます。触ることさえできれば作品の出来の良し悪しだけでなくその作品を彫っている人の人格もほぼわかります。考えたら不思議ですね。見えていたころ、木彫教室に入会希望で見学に来た人と話をすればその人が木彫を始めたらどんな作品を彫るか、どこで躓くか大体見当がつきます。そしてほぼあたります。かといってクリアにわかるのは彫刻の事だけです。まあ彫刻バカなんですね。霊能力とは違うと思うのですが、仏像を、時間をかけてみていると、仏像を作った時代背景や、実際に彫っている様子がたまに映像のように見えることがあります。文章も字面だけで伝わることよりも文字の行間からにじみ出る感情が伝わることが多々あります。今は音だけを聞いて読んでいるので、文字の行間からにじみでる著者の感情は伝わりづらくなりました。残念です。彫刻であれば触ることさえできれば、作家の想いはおよそ伝わります。自分に負荷をかけない程度に木彫教室は続けようと思います。 もっと見る
メノキの交流録「KING OF JMKのみなさまとの座談会」
2024/09/03 22:56「KING OF JMK ~おとな達の上毛かるた日本一決定戦~」のみなさんと座談会を開催させていただきました。渡邉俊代表と三輪代表とが語り合い、またJINS の地域共生事業部のみなさんとKING OF JMKのみなさんとで上毛かるたのオフィシャルルールでの対戦や、「みんなとつながる上毛かるた(通称ミルミルかるた)」での対戦を楽しみ、最後は車座になってみんなで上毛かるたの持つ意味や奥深さについて語り合いました。本当に有意義で深い座談会となりました。みなさま、本当にありがとうございました。渡邉代表の読み札を読み上げるのが、とても美しくて、今も耳に余韻が残っています。上毛かるた、競技として実はオフィシャルのルールがいろいろあって、とても興味深いんです。渡邉代表がnoteに書いていらっしゃいます。https://note.com/lactivator/n/n8b858bbd9653ぜひいつか、「みんなとつながる上毛かるた」でも、オフィシャルのルールで対戦してみたいものです。とても時間がかかるとは思いますが・・・一般社団法人メノキ副代表 福西敏宏 もっと見る
三輪代表からのメッセージ「蚕神猫だるま」
2024/09/02 19:57今回のクラウドファンディングの返礼品の中に蚕神猫だるまというものがあります。「みんなとつながる上毛かるた点」の会場が富岡製糸場の近くにある、富岡市立美術博物館なのですが、ちょうど今年世界遺産指定の10周年にあたることもあり、3年前に作った蚕神猫だるまを復活させました。蚕神猫だるまについて少し説明をしたいと思います。養蚕信仰では、蚕を食べるねずみを食べる猫を神様として崇めています。私自身木彫作家だった頃に猫はたくさん彫ってきました。それもあって頭にまゆだまをのせた蚕神猫と勝手に命名し、だるまを作ったのです。私としては本当は富岡市にこの猫だるまを富岡製糸場付近のお店で売って頂き、富岡市のオリジナル商品として活用していただきたいという思いがありました。富岡製糸場を見学に来たお客様は、何かここでしか買えないお土産を買って帰りたいという方が多いと思ったからです。このだるまの売り上げを富岡製糸場の保存修理の予算に活用してほしいのです。現在、小さい猫だるまも制作中です。大きい猫だるまはちょっと大きすぎる方もいらっしゃるようでしたので、小さい猫だるまを新規作り足しました。ぜひ、返礼品としてご検討ください。もう少し説明を加えます。私は3年前「祈りのかたち」という群馬県の文化財を紹介する本を出版しました。文化財の研究家とは違い、彫刻家の目線で自分の好きな群馬の仏像を中心とした文化財を紹介したものです。この本を作った時は、まだ全盲ではなくLow Vision (ロービジョン)で少しは目が見えました。祈りのかたちを出版するにあたって、目がほとんど見えない人でも、本を楽しんでいただくためにロービジョンブックというものも合本して作りました。この本を作った仲間で一般社団法人メノキを立ち上げたのです。そのためか本づくりには強いメンバーが揃っています。この本は在庫がなくなり、みなさんに売ることはできないのですが、いずれ再販出来ることを願っています。最後になりますが「蚕神猫様」という猫だるまではない彫刻の作品も今回出品しています。よろしくね。一般社団法人メノキ代表 三輪途道 もっと見る
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