「みえない木彫教室」木彫教室の話を書きます。私は教育関係には無縁に生きてきましたが、見えていた頃からやっていた、木彫教室の運営だけは、続けています。見えなくなってからは、新人を入会させることはしませんが、ベテランだけは今でも面倒を見ています。刃物の研ぎ方などの道具の使い方は教えられなくなりましたが、ある程度彫れる人の指導であれば依然と変わらず教えることが出来ます。触ることさえできれば作品の出来の良し悪しだけでなくその作品を彫っている人の人格もほぼわかります。考えたら不思議ですね。見えていたころ、木彫教室に入会希望で見学に来た人と話をすればその人が木彫を始めたらどんな作品を彫るか、どこで躓くか大体見当がつきます。そしてほぼあたります。かといってクリアにわかるのは彫刻の事だけです。まあ彫刻バカなんですね。霊能力とは違うと思うのですが、仏像を、時間をかけてみていると、仏像を作った時代背景や、実際に彫っている様子がたまに映像のように見えることがあります。文章も字面だけで伝わることよりも文字の行間からにじみ出る感情が伝わることが多々あります。今は音だけを聞いて読んでいるので、文字の行間からにじみでる著者の感情は伝わりづらくなりました。残念です。彫刻であれば触ることさえできれば、作家の想いはおよそ伝わります。自分に負荷をかけない程度に木彫教室は続けようと思います。