建築中のお風呂小屋の報告をします!
今回お風呂小屋を建ててくれたのは、伝統工法の大工さんの伊吹君。
あれ、いぶき?そうです、わたくしと同じ名前です。
(私はひらがなですが)
伊吹君は同い年にして、一人親方として大工さんをしています。
2年程前に出会って、いつか伊吹君に家をお願いしたいなと思っていたので、今回外にお風呂小屋を建てよう!と決めた時に真っ先にお願いしました。
ちょっと前までは屋号を持っていた伊吹君ですが、今は「肩書きを持たない」ようにしているらしい。それについて私もとっても同意することがあるのでまた今度書きます。
さてさて、9月のある日に土台工事を行いました。
<土台工事>
伝統工法では、「石場建て(いしばだて)」という基礎工事を行います。
土を掘って焼杭やぐり石をつめて、その上に大きな礎石を据え、その上に建物が乗ります。つまり建物と土台がくっついていないのです。
(一般的な工法だと、枠を作ってコンクリートを流し込み、土台と上の建物は金物で固定されます。)
実際に礎石を据える場所を掘ってみると、水が沸いてきました。
元々、水はけが悪いなとは思っていたのですが、こんなに水が湧いてくるとは…今後「大地の再生」で水はけ改善も行っていく予定です。
家の土台(根太)に使われていた松を焼いて、焼杭をつくり、ハンマーで叩き入れました。
松は常に水に濡れている状態(=酸素がない状態)だと腐らないらしいです。木もそれぞれ特徴があって、適した場所で使い分けられます。「木」だけしか知らなかった時より、解像度が上がるのが面白い。田舎暮らしをして広がった世界のひとつです。
次に、母屋の土台を直した時に床下からゴロゴロ出てきた石を「ぐり石」として、詰めていきます。しっかり固定するように金づちでたたきながら。途中藁や燻炭なども。
てっきり隙間なくびっちり土が詰まっている方がいいのかと思っていましたが、空気が通り有機物が生きる環境の方が安定するとのこと。
この作業は石ころ遊びしているみたいで面白い。
最後に礎石を据えます。
この石も床下や敷地にあったものたち。
このあと多少表面をグラインダーで削りますが、できるだけ水平になるように礎石を据えて、周りの土を戻します。
買ってきたものじゃなくてその場にあるものでできていくのがとっても面白いし、気持ちいい。
2軒下の家のおじさんは、今の家は自分の山にあるヒノキを切って建てた、と言っていました。
かつては子孫のために木を植えて、その木やその土地にあるもので家ができて、それがその土地の風景になっていった。
でも今は安い外国産材があるから、先祖が木を植えた山は放置されてうっそうとしてしまっていたり。
木が育つために約60年。
60年後のことなんて誰にも分からないから、難しい問題ですね。
世界の変化に追いつくことも大事だけれど、変わらず残していくものも大事だなぁと思うこの頃。
さてさて、基礎工事が完了!
浴槽の高さはこれくらいに!いい眺めや~
伊吹君、こうちゃん、ありがとう!
次回は建前です!