
世界が青く染まる頃。
僕はこの時間が好きだ。

昼でもなく、
夜でもない。
夜から覚める頃、
そして夜へと向かってゆく頃。

曖昧、中庸、どちらでもなく、どちらでもある。
世界の心音が少しだけ小さくなる時間。

初めて海辺でクリームソーダ会をした時、喫茶時間とはどこの場所にも存在するんだと確信をした。クリームソーダを囲みながら、会話が生まれ、心が和やかになり。そして余韻を楽しむ。それは所謂、場所としての喫茶店にとどまらなくてもいい。
そしてクリームソーダ会を繰り返すうちに、旅する喫茶の輪郭が生まれてきた。

ある時はひとりで旅をした。
クリームソーダを作り続けた。
誰もいない海辺でクリームソーダを飲みながら思ったことはこれもまた、喫茶時間だということ。健やかな寂しさを覚えた。

零れ落ちた空の青がソーダを染めてやがて世界に夜が訪れる。

ひとりでずっと旅をした。
もう一度、誰かとこの時間を共有したいとそう思った時、旅する喫茶が生まれました。

場所としての喫茶店はなく、概念としての喫茶店は間違いなく旅する喫茶が歩んできた旅路。
時間という曖昧で、不確かな存在の中にある忘れられない思い出。
空の色彩と、海と色彩が不確かに溶け合う景色。
空想か、現実か。
ぼうっと遠くの景色を眺めていると世界と自分が曖昧になって不思議な心地よさを覚えた。
海の中を漂うような、半透明で、微睡む余韻。不確かな存在の中にある忘れられない思い出。
そういうものが長く心の中に救いとなって残っていたりもする。
空想世界への第1歩、深海喫茶店とは貴方にとってのそういう場所になってほしい。
tsunekawa




