本書では1泊、もしくは1日のリトリートだけでなく、ふとした日常でも自然とつながり、ご自身をリフレッシュする事ができるプチ・リトリートの方法を書いております。私はプロジェクトページの通り、普段は亀山温泉に在勤してリトリートを開催いているのですが、毎週1日だけ千葉県の観光系専門学校の教員をしています。観光科アウトドアコースの担任講師のため、週1回のアウトドア実習を担当しています。専門学校なので、教室も旅行会社のカウンターのようになっていたり、キャビンアテンダントコースなどは室内に飛行機内が再現されています。リトリートではよく自然とつながるとか、自然と一体化するといった表現が出てきますが、難しく考える必要はありません。自然とつながるとは「気づく」ということ、詳しくは本書で書いていますが、例えば街に住んでいても明るい星は出ています、見上げないから気づかないだけで。気づく事で、それらは意識化され、自分からあえて自然とつながろうと意識しなくても、ふとオフィスを出た瞬間、夜に自宅から外出した瞬間などに「ああ、今日はオリオン座が綺麗だな」などと思うようになります。存在に気づくことで何をしてくれと言わなくても、向こうのほうから自動的に、こちらを癒したり励ましたり、慰めたりしてくれます。自然と一体化するとは、自然に触れたり感じたり、活用したりすることで自然の循環と一体になることです、瞑想やマインドフルネスのように自然の中に溶け込んでしまう方法もあります。さて、昨日にアウトドアコースの実習で行ったミニプログラムの実習をもとに、その視点を少し見て見ましょう。先ずは専門学校を出発します、生徒の皆には「ここを専門学校だと思わず、ホテルだとイメージしてみよう、そしてお客様にどんな身近なアウトドアが提供できる考えてごらん」と。先生と、どっちがたくさんプログラム作れるか競争だぞ、と皆でワクワクしながら学校を出発します!!専門学校は「国際ホテル・トラベル・ブライダル専門学校」他にも動物専門学校など、複数の同じ系列の専門学校が集中しています。まずいきなり見えてきたのが「青空!!」空は都会でも感じる事ができる自然です。今日(12月10日)も晴れて関東は20日連続の晴天、これは20年振りのことだそうです、空気が乾燥してきた理由も分かりますね。飛行機が飛んでいます!!千葉県では上空を通る飛行機の航路を見て、その日の上空の風向きを確認するという技があります(マニアな話になるので、ここは端折ります)学生達とディスカッションしながら、様々な屋外でのミニプログラムが生まれました。影の形を見て楽しむワークや、どんぐり工作、折れた枝を使ったミニクラフト、植栽観察ワーク、道端のツツジ植栽を覗き込んだらなんとネムノキや枇杷の木がありました!きっと鳥たちが実を食べて、ここで糞をして自然発芽したのでしょう。「鳥たちってスゲー!!」後ろから生徒たちの声が聴こえて来ます、鳥は地球の種蒔き屋さん、あらゆる木の実を食べてはあちこちに運んでくれます。もともと自然の事やアウトドアの事に興味がある生徒なので(アウトドアのプロを養成するコースですから)反応もとても良いです、このように鳥の痕跡を見つける「鳥を見ないバードウォッチング」プログラムも出来ました。ん??これは何でしょう?道端の排水溝に必ずあるもの「グレーチング」です。よく見ると、グレーチングの端に土が詰まっていて、そこにコケが生えています。これも身近な自然ですね、水がよく流れるように土とコケを取ってあげましょう。よく見ると、日陰部分にはコケが大量に付いています。「先生!コケなんて取って何をやっているの??」と不思議がる生徒たち。「へへっ♪これも大事な自然遊びだよ」と私。その間も、ビルで日当たりが悪い場所の植物の生育と、日当たりの良い場所の生育の違いなど、ちょっとした都会に残る自然散策を楽しみます。完全に日陰部分はこんな感じでコケだらけです。晴天の中、生徒からも「気持ちいい~~、毎日こんな授業だったらいいなぁ」という声が聞こえてきています。私がいない曜日は総合講座として観光実務や英語の授業など様々な観光関連の授業を受けている彼らにとって、良いプチ・リトリートになっているようです。彼らの見ていないところで、公園の水道で水を手にすくいコケと一緒に採取した土と混ぜて、実習の終了間近に、じゃーん!!こけ玉が完成しました!!「ハイ!私がこの時間で考えた、都会でも出来るミニプログラム」それは、こけ玉づくりです!!」さすがに、生徒の皆さん、おおお~~!!と言っていました。手を洗って教室に戻る最中、女子生徒が後ろで「やっぱ先生すげえわ、視点が違う、見てるところが違うもん」と言っているのが聞こえました、ヤッタネ!!※画像はイメージです、私が作ったこけ玉は即興ですからもっとボコボコ(笑)野鳥と並んで、二度目の「すげー」を聞くことができました(笑)私はカタカナの「ヒト」ですから、鳥と並べて頂いて光栄です。来年のBBQ実習や、火起こし実習など次の実習の話も盛り上がり、自然とつながるプチ・リトリートを体験してもらうことで、生徒の皆もリフレッシュ出来たように感じます。本書では、さすがに、こけ玉づくりの方法は書いていませんが(笑)前半は1泊や1日の本格的なリトリートについて、後半はこのように街に住んでいても、身近な自然とつながる方法やプチ・リトリートの方法を書いてあります。読んでいただくと、きっと高級路線で手の届かない世界と感じていたリトリートもぐっと身近になり、このようにビルだらけの千葉中央駅のど真ん前でも、ちょっとした自然を見つけて楽しむコツのように、きっと皆様も人生の視点が変わると思います!!そして、皆様自身が、本書を通してリトリートを気軽に実践できるようになれば良いなと思っております、きっとそうなると思います、豊富な実践例が書いてあります。プロジェクト終了まで後3日、今日は少し肩の力を抜いて、私の普段の仕事の様子をお伝えしました、本書ではリトリートのコツを皆様にお教えいたします。