
クラウドファンディングのリターンも、すべて無事にお届けが完了しました。
改めて、ライブペイントフェスタというイベントを開催できたことへの想いを綴りたいと思います。
総括のような内容にしようと思ったら、気づけばこのイベントにたどり着いた経緯や、
僕自身の原点のような話が中心になってしまいましたが……。
でもそういう根っこの部分こそ、次回へ向けた原動力にもなる気がするので、
良かったら読んでいただけたら嬉しいです。
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「大きな壁に絵を描きたい」
そんな思いは、ずっと心の奥にありました。
小さな頃から絵を描くのが好きでしたが、使うのは主に鉛筆とペン。
使う紙は大きくてもB4サイズの漫画原稿用紙と、
当然のように机の上に収まるサイズでした。
しかし学生時代のある日、学園祭で初めてサブロク(約91cm×182cm)サイズの
一枚のベニヤ板に、ペンキで看板を描いたときは、
思いっきり体を使って色や形を表現できる感覚に、心が踊ったことを記憶しています。
その後、社会に出て絵を描く時間は減ってしまいましたが、
「大きな絵を描きたい」という衝動はずっと消えずに心の中に残っていました。
でも一方で、それはちょっと変な、特別な衝動だと思っていました。
そんなことを考える人は少ないんじゃないか、
ずいぶんとニッチな欲求なんじゃないかと思っていたのです。
そんな思い込みを覆してくれたのはデザインフェスタでした。
巨大な壁に、たくさんの人が自由に思い思いの絵を描く場所。
自分が感じていた衝動は自分一人の感覚ではないと、
そう思えた瞬間でした。
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時は流れて、スプレーを使って表現をするようになってからは、
本場のストリートアートを間近で見たいという気持ちから、
オーストラリア・メルボルンを訪れました。
メルボルンの中心街にも素晴らしい壁画は沢山あったけど、
特に衝撃を受けたのは、メルボルン中心から北東の郊外「フィッツロイ」でした。
東京でいうと下北沢みたいな街と言われている、
学生や若いビジネスマンに人気のあるエリアです。
フィッツロイでは路地裏のような通路だけではなく、
割と開けた大きな道路や広場の建物も含めて、
堂々と巨大な壁画が街のあちこちに描かれていたのです。
建物と人々の暮らしと、アートが見事に溶け合っていました。
「こんな風に絵が街の中にあってもいいんだ」
そう思ったときの景色は今でも目に焼きついています。
同時に、自分にも、壁に絵を描きたいという欲求が
学生の頃からあることを思い出しました。

壁画の写真を撮っていたら「観光客? ジョージ.Stにたくさんでかい絵があるわよ!」って教えてくれた親切なマダムありがとう。(なんか思い出した)


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机の上におけるような紙だけでなく、
もっと大きな場所に自己を表現するということが、
もっと当たり前になったなら……。
そんな思いや過去の経験が蓄積して、少しずつ形になって生まれたのが
今回のライブペイントフェスタでした。
実際に実現へ向けての行動を通して改めて確信したのは、
「大きな絵を描きたい」という、自分だけのニッチな衝動かなと思っていたものは、
実はもっと本能的なもので、思っていたよりも多くの人の中に眠っているということです。
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今回、ライブペイントフェスタという、
昨年までは影も形もなかったものを実現することが出来て、
描き手の皆さんだけではなく、
観ていてくれる人、支えてくれる人、場をつくってくれる人……、
多くの方から「こんな場所を待っていた」と言っていただけたことが、
何より励みになりました。
“表現してみたい”という気持ちは、きっと誰の中にもあります。
それが出来る一つの場所をつくれたということは、主催した者としてとても幸せに感じています。
会場に足を運んでくださった皆さま、
参加してくださったアーティストの皆さま、
支えてくださったスタッフ・関係者の皆さま、
本当にありがとうございました。
これからも、「描きたい」という本能のような衝動に
応えることができる場所をつくっていけたらと思っています。
また大きな木製パネルの前でお会いしましょう。
あき




