はじめまして。私たちは2024年2月にPassages Through Genocideというガザの作家の日記やエッセーを掲載するウェブサイトの日本版プロジェクト『Gaza Passages(ガザ・パッセージ)』を立ち上げました。
この『Gaza Passages』という名前の由来は「Passages Through Genocide」というサイトから採りました。「Passages Through Genocide」というウェブサイトはオンライン上の集団で、主にガザや世界各国に住むパレスチナ人によって、ガザで何が起きているのかを世界に知らせようと立ち上げられたものです。
「この活動を行う翻訳家や校正者、編集者などは全員が匿名で活動すること」というのが本部からの活動の条件です。
『Passage(パッセージ)』とは、虐殺への歴史的過程・2023年10月前後の過程を示す悲劇的な言葉として受け止めることもできますが、日本に居ながらガザの今を知るための道筋=連絡通路でもあり、それは逆に希望の通路でもある、と意味づけられると考えています。
お伝えできる限りでは、プロジェクトのメンバーは現役翻訳家、勉強中の翻訳家の卵、主婦、ライター、シリア人アラビア語講師、日本人アラビア語講師、アラビア語学習者、作家、イラストレーターなどのメンバーで構成されています。
既に公開された日本語訳はこちらのリンクからご覧いただけます。トップページをスクロールしていただくと「日本語」の選択肢のある作家が何人かいます。そちらが私どもが翻訳した文章です。新しく翻訳がUPされる際にはX(旧Twitter)、Instagramとnoteで告知しています。
このプロジェクトで実現したいこと
このプロジェクトの目的は、
Passages Through Genocideというサイト上にあるガザの作家や詩人の日記を日本語に訳して、
「ガザ・パッセージ2」という本するため、出版資金を集めるためのものです。(本とハガキの印刷代・スマートレター代などです。詳しくは下記の「資金の使い道」をご覧ください。)
2024年12月1日(日)に東京ビッグサイトで開催される、文学フリマ東京39に出展してガザ・パッセージ②と絵ハガキを販売いたします。経費を引いた本の売上は作家本人へ送金、およびGoFundMeを通じて寄付します。絵ハガキの売上はUntoldPalestineの写真家へ寄付いたします。また1万円以下の売上については円安のため送金手数料を考慮し、日本国際ボランティアセンター(JVC)に寄付します。
文学フリマ東京39当日は、本に加えてガザの写真家が撮影したガザの日常を映した美しい絵葉書セットと、Gaza Passagesオリジナルのステッカーも販売します。
そのために皆様に印刷代などの初期費用をご支援いただきたく、CAMPFIREを立ち上げました。
以下、「Passages Through Genocide」に掲載されている日記の一部を紹介いたします。
ーーガザ出身の作家アフメド・モルタジャさんの日記からの抜粋ーー
10月17日午後11時15分
"......僕らは毎朝起きるたびに互いの数を数え、友達の中で生き延びた者の数を数える。それぞれに肩をたたき合い、気持ちを奮い立たせる。そして生き残るため、戦いの後に残ったものを何とか手に入れようとする。
僕はもう1つの問いを自分にぶつける。ガザに安全な場所なんてあるのだろうか。友人たちはガザの中でも外でも命を失っている。できるなら教えてほしい。どこに行けばいいのか!
以前、誰かが僕らのことをスーパーヒーローと呼んだらしいね? そんなこと誰が言ったんだ? 僕らは今も昔も、この暮らしを耐えられるものにしようと試みているだけだ。僕らは世界に無理難題を押し付けているわけじゃないだろう? 多くを求め過ぎているわけでもないだろう?"
ーー作家・政治研究家アルメクダード=ジャミール・メクダードさんの日記ーー
(1)2023年10月20日に出版された”Diaries of Gaza:Poem in the Anthem of Deaths”より抜粋
”......ジレンマを抱えている。妻と娘と共に去るか、私だけここに残るか。残念なことに、この選択肢のうちで一番ひどいものを選んだ。妻と娘は南へ、私は両親と兄弟とガザに残った。60代の私の父親は、彼の父親が75年前に故郷を捨てた悲劇を繰り返すことを拒絶した。「運命はここで私を待っていて、私はここで死ぬんだ」と父は言った。
父は私に逃げる自由を与えたが、この世の誰が、父親が死ぬためだけにここに残るのを放っておけるのか?「お父さんがここを去るまで私もここに留まる」と明言した。ガザの方言でいうなら「私の足はあなたの足の上に、私がここを去る時は皆がここを去る時だけだ。」”
プロジェクト立ち上げの背景
プロジェクトの主催者は去年、このPassages Through Genocideというウェブサイトを読んで日本語版が無いことが気になっていました。このウェブサイトには現地で命の危機に晒され続けている人の日記やエッセーが掲載されています。ガザのために何かできることはないかと考え、このウェブサイト上のコンテンツを本にして販売し、売上を寄付することならできるのではないかと思いつきました。
運の良いことに志を同じくする仲間が見つかり、
2024年2月にこの日記の日本語版をウェブ掲載&書籍化するプロジェクトが始動しました。
今年5月頃に第1回目のCAMPFIREを立ち上げ、たくさんの方からご支援をいただいて目標額を達成し、
文学フリマ東京38でガザ・パッセージ①を販売することができました。
前回の文学フリマ東京38の売上から印刷費を引いた600ユーロ(104,160円)をガザ支援NPOである
UntoldPalestine運営元のドイツのNPOに寄付することができました。また4,000円をJVCに寄付いたしました。
またガザ・パッセージに掲載されていて、現在ガザで避難生活をされている作家さんへ継続的にeSIMを送っております。(NOMAD、SIMLYのeSIMです。)
現在の準備状況
現在は翻訳や校正を協力して進めており、基本的には英語とドイツ語からの重訳になりますが、アラビア語ネイティブの先生と日本人の先生、数名のアラビア語学習者が英語訳とアラビア語原文の間に間違えが無いか、また地名や人名をチェックしております。
アラビア語の原文は2023年10月7日~2024年2月中に書かれたものです。
またサイトの運営元の協力を得て、UntoldPalestineというドイツのプロジェクトからステキな写真の使用許可を取ってもらいました。文学フリマ東京39の当日に、本と絵葉書セット2種類(1セット5枚)とステッカーを販売します。
本の内容
ガザの作家4人の日記、作家 森大那さんの特別寄稿とボランティアメンバーの感想文です。
作家の方々の写真です↓
リターンについて
以下のリターンをご用意しています。
・ガザ・パッセージ② 一冊+御礼状
・ガザ・パッセージ② 一冊+絵ハガキAセット
・ガザ・パッセージ② 一冊+絵ハガキBセット
・ガザ・パッセージ② 一冊+絵ハガキCセット【CAMPFIRE限定】
・ガザ・パッセージ② 三冊+御礼状
・ガザ・パッセージ② 一冊+森大那さん司会の読書会セット
(2025年2月11日(火・祝) 14:00~15:30 於 東京駒込 百塔珈琲)
・ガザ・パッセージ①と② 一冊ずつ(計2冊)
・ガザ・パッセージ応援セット ガザ・パッセージ② 二冊+御礼状
詳細は「リターン一覧」をご覧ください。
※本と絵葉書はスマートレターで発送いたします。
スケジュール
2024年
10月末 絵ハガキの試し刷り・4作品の翻訳、校正
11月初旬 翻訳・校正最終〆切、本の試し刷り
11月中旬 本の発注・絵葉書の包装
12月1日(日) 文学フリマ東京39の当日 本・絵葉書・ステッカーの販売
12月15日以降 リターンの発送開始
資金の使い道
ご支援金の使用用途と内訳
・印刷費
①本:A5 150部 横書きでおよそ120~140ページほど 約5万
②絵葉書300枚:1セット5枚×50を1種類 約3万8千円
・文学フリマ東京39出店費(1ブース、椅子2つ):7,300円
・人件費 2万円(文学フリマ・イベントのアルバイト)
・郵送費 スマートレター(210円)×ご支援件数予想分 約2万1千円
・広告費 約4万円
・海外送金手数料 約1万円(10件ほど送金予定)
・予備費 約5万円(予備費を設けたのは、前回は経費の計算を安く見積もり過ぎたことと増刷により、
読書会イベントで回収するまでは主催者の持ち出しになってしまったためです)
・その他 (CAMPFIRE手数料17%+税) 63,800円
合計300,000円
ご支援いただいた資金を元に、本・絵葉書・シールを印刷して、文学フリマ39に出展いたします。
資金が余った際には今後の活動費に充てさせていただきます。
具体的な今後の活動は、読書会・講演会などのイベントに加えて、
ガザ・パッセージ①に日記を寄稿されていた詩人のヘンドゥ・ジュダさんの詩集の出版を予定しております。
こちらは現在、アラビア語から日本語への翻訳&校正作業中です。
ご支援者の皆さまには寄付の詳細などプロジェクトの進捗状況をお知らせいたします。
作家への寄付は、CAMPFIREからの入金を確認してからになりますので、2025年2月を予定しております。
最後に
皆様のおかげで前回の文学フリマ東京でガザ・パッセージは成功を収めることができました。
たくさんの方に本や絵ハガキをお手に取っていただく機会に恵まれました。
あれから半年以上経ちましたが、ガザの状況はより悲惨なものになり、
周辺国にも拡大しています。
ガザの状況を伝えるテレビニュースやネット報道は依然として偏ったものばかりであることに怒りを禁じえません。
この本を通じてガザで起こった・起こっていることを知っていただき
それがより広範囲な支援に繋がることを願っています。
ご協力いただけますようお願い申し上げます。
ガザ・パッセージ プロジェクト一同
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