
本日は木彫り熊三体のうち一作品の「芽吹き」をご紹介させてください!
「芽吹き」
漆芸の伝統技法を駆使し、生命の芽吹きを表現した一体。

下地から丁寧に施し、螺鈿(らでん)の技法を用いて貝をふんだんにあしらいました。キラキラと光る貝の輝きの中でも特にピンク色の部分を選び青色に変化していく様、背中の中央から徐々に青から黒へとぼかしていくグラデーションを施しています。これは「ぼかし塗り」と呼ばれる技法を用いたものです。

また、黒蝋色(ろいろ)の漆と金属粉(すず粉)を蒔き、緑色の乾漆粉を用いることにらより苔のような質感を演出。さらに、金粉を指で練り込むことで、苔の黄色い部分を表現しました。表面は滑らかな部分とざらついた部分が共存し、奥行きのある仕上がりとなっています。
蝶々は軽やかさを重視し、金属ではなく麻布を使った乾漆技法で仕上げ銅線を用いて差し込み、足や触角はステンレスの釘を0.2ミリの細さまで削り漆を焼き付けて漆を定着させています。羽は青と金のコントラストが鮮やかに映え、装飾の華やかさを際立たせ繊細に仕上げています。
羽の黒い斑点は螺鈿ではなく漆で描かれたものであり、熊の背中の波模様は能登の荒波をイメージしました。






