自己紹介
横手城下語り部の光岡康寛と申します。私自身は岡山県真庭市の山間の集落で生まれ育ちました。今は縁あって秋田県横手市に暮らしております。地方の、とりわけ取り残された限界集落のような地域は、残された人間が肚(はら)をくくり、本気で取り組まないと次のステージへ進むことは例外なくできないと、中山間地域で生まれ育った一人として、十数年を振り返り感じています。
ここ秋田県横手市においても、そういった地域の負の影響が加速度的に波及し、市街地まで及ぶ日も遠くないかもしれません。民間や自営業の知人をみると、今までと同じかそれ以上に勤勉に働いているにも関わらず「苦しそうな人たちが多いな」と感じるのは、忙しいがために、なぜそうなっているのか考えを巡らすことができていないからではないでしょうか。だからこそ、この問題は私たちがこれまで通り平穏に生活するのではなく、肚(はら)をくくり取り組む問題であると考えます。
「ただ消費をするのではなく、最終的に誰に還元されるか?」「個人、家族、コミュニティ、地域にとって何が幸せか?」「現役世代の価値観で判断したことは、将来世代の幸福につながるのか」
これは山﨑樹一郎監督の映画『やまぶき』を観て感じたことの延長にある思考です。山﨑監督は「限界集落」といえるような中山間地域に18年前移住し、映画製作の拠点として全世界に向けて作品を問うている人物です。唯一の正解というものがない、これらのことを想像し、徹底的に考え、行動に移すことが必要ではないでしょうか。
横手城下語り部とは、まちあるきや地域の探訪、まちの記録やアーカイブ、学習会や企画事業を通じてまちづくりに取り組んでいる住民サークルです。
山﨑樹一郎 さんからのメッセージ
微かな縁を頼りに初めての土地、秋田の横手に入ります。岡山の真庭から離れて制作することはあまり無いので、どこまで横手の深淵を見つめられるかとても楽しみです。
このプロジェクトで実現したいこと
映画監督 山﨑樹一郎が秋田県横手市山内三又地区に滞在するアーティスト・イン・レジデンス。
それらにかかる経費の調達と、クラウドファンディングを通じた思いを同じくする賛同者や仲間を増やしていくことを目指して、このプロジェクトに挑戦しています。
※アーティストインレジデンス(略称 AIR)とは、アーティストが一定期間地域に滞在し、交流を通して創作活動や将来の創作活動に有益となるプログラムを提供することです。先進地では継続的な外部人材の招聘により、移住者獲得や企業誘致、斬新な地域づくりにつなげています。
※また、アーティストの滞在を通じて、地域の文化芸術の創造・発信のモチベーション向上や文化芸術を基幹とした地域活性化への機運醸成を図るものです。
具体的には、以下1〜3の実現を目指します!
1.滞在&取材、創作活動(2月1〜10日:10日間)
滞在場所:横手市山内三又地区(2/1〜2/7)、横手湯沢(2/8〜2/10)
農家民宿三又長右ェ門、三又地区のみなさんのお宅、十文字映画祭関係者宅
2.交流プログラム
絵画作家 永沢碧衣さんとの公開対談(2月7日:仮:横手市生涯学習館Ao-na)
第32回 あきた十文字映画祭への参加(2月8日、9日:横手市三重地区交流センター)
三又共助組合の活動取材、山内地区交流センターでの対話イベントなども予定
滞在中の成果映像は、今年2025年3月に日本国際観光映像祭(JWTFF2025)開催で注目される岡山県真庭市で上映予定!
プロジェクト立ち上げの背景
これまで、横手城下語り部や賛同する仲間と手弁当で取り組んできました。
【2024年2月 横手津山まちをあむ】
関係団体:横手城下語り部、NPO法人Yokotter、あきた十文字映画祭、津山街デザイン創造研究所
【2024年5月 横手津山真庭まちをあむ上映会】
関係団体:あきた十文字映画祭、津山街デザイン創造研究所、津山国際環境映画祭
そして、今回の アーティスト・イン・レジデンスよこて に取り組みます。
肚(はら)をくくり、より腰を据えて取り組んでいくためには、賛同者を増やしていく必要があると考えクラウドファンディングを組み込むことにしました。あきた十文字映画祭、三又共助組合、山内地区交流センター・・・と賛同の輪は少しづつですがつながってきています。どこまで輪が広がっていくか!?ご支援を通じてこの企画に参画してみませんか!
リターンについて
【3,000円】
感謝の気持ちを込めて、お礼のメッセージメールをお送りします。
滞在中の記録写真も添付予定 ※2025年3月送付
【5,000円】限定30
映画『やまぶき』限定鑑賞券&いぶりがっこハーフサイズ1パック(食品)
・2025年2月8日(土)15:30〜 あきた十文字映画祭での上映&山﨑監督トークアウトへの入場
※鑑賞券は、あきた十文字映画祭での当該上映にのみご使用いただけます。
・今回AIRにて山﨑監督が滞在する農家民宿三又長右ェ門さん特製いぶりがっこ
※第1回いぶりんピック金賞受賞!高橋篤子さん謹製!
まんがで読む『横手のいぶりがっこ』 ※2025年1月末発送(2月初旬に到着予定)
【10,000円】
山﨑樹一郎監督が製作する成果映像に、支援者様のお名前(ニックネーム)を掲載します。
・掲載方法:文字のみ、ロゴ/バナーの掲載は不可
・支援時、必ず備考欄に希望されるお名前をご記入ください。
&感謝の気持ちを込めて、お礼のメッセージメールをお送りします。
滞在中の記録写真も添付予定(3月送付)
【10,000円】限定20
いぶりがっこハーフサイズ3パック(食品)
・今回AIRにて山﨑監督が滞在する農家民宿三又長右ェ門さん特製いぶりがっこ
※第1回いぶりんピック金賞受賞!高橋篤子さん謹製!
まんがで読む『横手のいぶりがっこ』 ※2025年3月発送予定
&感謝の気持ちを込めて、お礼のメッセージメールをお送りします。
滞在中の記録写真も添付予定(3月送付)
スケジュール
12月 AIR受入の調整、交流プログラムの交渉
12月 横手市地域づくり活動補助金の申請、プレゼン審査(→不採択)
12月末 クラウドファンディング開始
2025年1月中旬 ロケーションハンティング
2025年2月9日 クラウドファンディング終了
2025年2月 AIR実行(滞在、交流プログラム実行、十文字映画祭での交流)
2025年1月末〜3月 リターン順次発送
2025年3月 成果映像の公開(予定)
最後に
日本や世界各地にある「まち」は、その大小を問わず、人々がその土地・風土に「寄り添い」営みが行われた結果、形成されるものと考えています。横手も、一集落である三又も。
写真は、山﨑監督が耕す畑の下流にある真庭市勝山のまちなみです。
私自身、真庭に生活していたころは当たり前の風景で何とも思わなかったのですが、離れてみると、かけがえのないものであったと気づかされます。
いま世界では、公用語、公衆衛生などをはじめ、すべてを均一化しようという動きがありますが、後先考えず何でも均一化してしまうと二度と元に戻らないものがあります。
その固有の、独自の尊さに、この取組がきっかけで気づくー
異なった視点・視野が介入することで三又の風土・文化が強化・保存されるだけでなく、支援の「想い」によって様々な「まち」の営みに波及していくー
AIRに携わった多くの方々と、そんな体験が共有できればこれ以上嬉しいことはないと考えています。
ぜひ、今回のCFに参加し、一緒にそんな世界を見てみましょう!
協力:あきた十文字映画祭実行委員会、農家民宿三又長右ェ門、三又共助組合、山内地区交流センター、永沢碧衣さん、山﨑樹一郎さん
写真提供:秋田県あきた未来創造部地域づくり推進課、津山市立図書館デジタルライブラリー、NPO法人Yokotter、津山街デザイン創造研究所
最新の活動報告
もっと見る市報よこて2025年1月号_新春対談 命を描く
2025/01/01 19:47市報よこて 2025年1月号を見ていると、タイムリーな記事が載っていました。新春対談【命を描く】絵画作家永沢碧衣さんと横手市長の対談、見開きカラーページ。今回のAIRとも関連する問題意識が永沢さんの言葉で語られておりましたので一部ご紹介します。本プロジェクトの中で、2月7日(金)に映画監督 山﨑樹一郎と絵画作家 永沢碧衣による公開対談を予定しています。当初、横手駅前Ao-naでの開催を考えておりましたが、もっと相応しい横手城下某所に会場変更となる予定ですのでお楽しみに!(マタギ文化との出会い)【永沢】熊が生きてきた背景に想いを馳せながら、彼らが生きていた証しを後世まで残すような気持ちで、最初の一枚を描きました。(個展で得られたこと)【市長】五城目町で個展を開催したと伺いました。【永沢】はい。町の方にも協力いただき、11カ所を会場に作品を展示しました。県外や海外から来た方もいて、町に宿泊し、ゆっくりと会場を巡り、作品や秋田を堪能していただいたと聞きました。【市長】当市でも開催したいと思っているんですよ。【永沢】普段は観光資源に乏しい地域でも、空き家や古民家を、その空間ごと作品にしているところがあります。アーティストが滞在し、公開制作をするなどパフォーマンスの場が充実するといいですね。【市長】横手にも空き家が千件以上あります。【永沢】空き家などで、芸術祭のような期間を設けて作品を展示する場があることで、年間を通して人が行き来します。また、空き家を地域で管理することで、地域の人たちの間に交流が生まれ、集いの場になったらいいなと。【市長】秘められた空間の中がギャラリーになるというのはいいですね(後略)(今後の展望)【永沢】自然や生命の根源、感動の正体に少しでも近づきたくて活動を続けています。いつでも戻ってこられる『心のふるさと』を軸に、幅を広げた活動を地域の方たちと一緒に表現できたら楽しくなるだろうなと思います。【市長】当市も皆さんの『心のふるさと』になるような田園都市を目指します。 もっと見る
閑話休題
2024/12/29 20:40前回の続きで、横手城下語り部が今回のアーティストインレジデンスに取り組む理由を記そうと思いましたが、年越し準備のため力尽きました。秋田県南で最大の年越し準備といえば、言わずと知れた雪下ろし。山内三又ほどではありませんが車庫&主屋の下屋を下ろしてました。下ろすだけならまだしも、排雪が厄介。今回のAIRでは、山﨑監督に三又共助組合の活動に同行願う予定。共助組合とは高齢化が進む集落で、住民が互助により家々の雪下ろしや排雪を助け合う組織です。三又地区は共助組織の先進地区かつ雪の量たるや写真の比ではありません。山﨑監督の雪下ろしデビューが見られるかも! もっと見る
山﨑樹一郎監督と横手(十文字)、津山、真庭の関係
2024/12/27 22:22横手城下語り部の簗瀬と申します。本CFの中の人です(笑)横手城下語り部がなぜ?山﨑樹一郎監督のアーティスト・イン・レジデンスに取り組むのか、そこらへんの話題から入りたいと思います。【あきた十文字映画祭】というローカルな地方映画祭をご存知な方は少なくないと思います。1992年から30年以上にわたって秋田県南の十文字町(現横手市十文字町)で続く映画上映運動体です。今年2024年5月に、岡山県津山市の城東重要伝統的建造物群保存地区の伝統的建造物のミニシアター城東津山シネマにて、あきた十文字映画祭がプロデュースした出前上映会が催されました。そこで上映された作品のひとつが山﨑樹一郎監督作品『新しき民』(2014年)。津山藩で起きた山中一揆をモチーフに、農民治兵衛の姿を通じて「弱さを引き受けること」「逃げることによって開ける未来」を描いた時代劇でした。山﨑監督最新作『やまぶき』を外し、あえて『新しき民』をチョイス、しかも主人公治兵衛が憎むべき武士のまち・津山藩お膝元の津山城下の核心部(重伝建エリア)でやることの意味。映画『新しき民』は津山のお隣・真庭の山中(さんちゅう)と呼ばれる地の民の視点を通して、社会を描いた作品でした。山﨑樹一郎さんが暮らす真庭の山間(やまま)にかつて生きた名もなき人々を描きつつ、今の社会を描いていたのです。第4回大島渚賞(山﨑樹一郎監督が受賞)で黒沢清監督が語った審査総評「社会というものは、人間ほど簡単には描くことができない」という言葉。土着の人間を描きながら社会やその社会に張り付いているものを描くのが山﨑監督の真骨頂です。「津山城下」という都市のモチーフ?から炙り出される土着の生が映画『新しき民』だとすれば、本当に描かれるべきは津山藩を構成していた土着の民の生であり、城下町という偶像を構成する民ひとりひとりにスポットを当てることで、現代にまで通じる「土着の生」を描いたのが他ならぬ『新しき民』でした。当団体が「横手城下語り部」と名乗っているのは、実はそうゆう城下町の偶像を構成する市井の存在にスポットを当てたいからに他なりません。今回のアーティスト・イン・レジデンスでは、山﨑監督があきた十文字映画祭に登壇し、最新作『やまぶき』を上映する!ということも含まれています。『やまぶき』は『新しき民』の後日譚なのではないかと個人的には思っています。真相は本プロジェクトの中で監督に直接ぶつけてみたいと思います。(つづく) もっと見る
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