2月5日(水)、いぶりがっこの聖地、横手市山内で、山﨑樹一郎監督初長編作品『ひかりのおと』上映&監督と語る山内のイマ・コレカラ、というイベントが開催されました。上映には雪中荒天にも関わらず49名もの参加者が鑑賞。山内地区は人口2,000人ちょっとの中山間地域ですから、地域での関心の高さがうかがえました。『ひかりのおと』は中山間地で酪農を営む青年のしがらみ、葛藤、絶望、矛盾、怒り、後悔、虚無、ニヒリズム、無力感、そして希望、納得を描いています。まさに、横手市山内に暮らす「誰か」とも重なる題材が描かれていました。山﨑監督の長編2作目『新しき民』は、監督が暮らす岡山県真庭市の山中(さんちゅう)と呼ばれる地域で起こった江戸時代の百姓一揆をモチーフにした時代劇。中山間地で生きることに並々ならぬこだわりを感じさせられるのは私だけでしょうか。上映のあと、山﨑監督と車座で「この地で暮らす」ことについて語り合いました。さて、山﨑監督の長編最新作『やまぶき』は、岡山県真庭市で暮らす女子高校生と外国人労働者の青年を軸に、彼女・彼を取り巻く人々が「社会」にはじかれ、ぶつかり、矛盾や葛藤にもみくちゃにされながらも、希望を見出していく決して派手では無い作品です。この映画を初めて観た時、空気感が秋田県南そのものだ!とびっくりした記憶がよみがえります。どうしようもない暗闇を描きつつも「ひかりのおと」が聞こえてくるのが、山崎作品の特徴です。2月8日(土)、あきた十文字映画祭で映画『やまぶき』が上映されます。先の見えない猛吹雪が続いても、必ず日差しのぞく春は訪れるもの。そんな希望の芽を見つけることができるかもしれません。ぜひ映画『やまぶき』をご鑑賞ください。




