勢司恵美さんとの出会い
私がまだギャラリーを始める以前、2012年の6月だったと思うのですが、福島県三島町の工人祭りでお会いしたのが最初だったと記憶しています。工人祭りは地元福島の籠編み(主に山葡萄、ヒロロ)の方がほとんどで、他所の竹細工はかぞえるほどでしたし、若い女性の出店者であったことも目を引きました。
その後、いろいろなところでお名前を聞くようになり、活躍の幅を広げていらっしゃることは存じあげておりました。昨年、お客様からのご依頼の籠を作ってくださる方を探していた時に、草編みの作家、山本あまよかしむさんから「恵美ちゃんなら、やってくれるかもかもしれないから。」との助言をいただき、恵美さんの個展の会場に足を運びました。その折に、恵美さんがこの記録集を売っていらっしゃったのです。これは2012年滋賀県近江八幡ボーダレスミュウージアムNOMAで開催された廣島一夫さんの作品展の記録集です。
籠好き高じて、籠のギャラリーを始めたとはいえ、まだまだ知らないことばかりで、特に九州方面を丹念に観て歩く機会がありませんでした。それだけにこの記録集との出会いは衝撃でした。丑どんの籠、廣島一夫さんの籠、それは点と点であったもの、一度は観たいと思っていたものが、これによって結びつきました。とにかく日之影町に行かなくては、この目で確かめなくては。と、なったわけです。
だから、恵美さんに会いに行かなかったら、この企画は始まらなかったというわけです。
そして恵美さんが、NOMAで尽力された西嶋美那子さんに引き合わせてくださったことで大きく企画が前進しました。しかも、クラウドファンデイング、リターンのための籠作り、さらに籠編みの講習会も快く引き受けてくださって。本当に感謝、感謝です。
ご縁というのは不思議ですね。だから、ワクワクするのですが。