
こんにちは、小倉翔太です。私は長野駅前の「ODDOcoffee」で、4年間にわたりスペシャルティーコーヒーを提供してきました。お店に立ち続けるなかで感じたのは、「本当の価値とは何か?」という問いです。美味しいコーヒーを届けるだけで、本当に人の心を満たせるのか、そもそも美味しいコーヒーってなんだろう? そんな問いを自分なりに突き詰めた結果「重なり合う『いま』を呼吸する」というコンセプトで新しく「珈琲アウラ」というお店を始めることを決意しました。

計画を進めていく中で、自分達の思い描く理想の場を知っていただくとともに、皆様にとっても安らぎや癒しになるような空間を、お力をお借りしながら一緒に作っていきたいと思いクラウドファンディングを実施することにしました。

長野県立大学在学中に立ち上げたODDOcoffeeでは、浅煎りのコーヒーを中心に、自らが美味しいと信じる味を追求してきました。 しかし、ある日、地元に帰省した際、焙煎した浅煎りのコーヒーを祖父母に淹れてみると、あまり良い反応は得られませんでした。 深煎りのコーヒーや地元の名産である深蒸し茶に慣れ親しんだ祖父母にとって、酸味が強くフルーティな浅煎りのコーヒーは馴染みがなく口に合わなかったのです。
そのとき、浅煎りのコーヒーが必ずしも身近な人にとって「美味しい」と感じるものではないことに気づきました。 「どうすれば、身近な人に美味しいと感じてもらえるのか?」

この問いを深く考えるうちに、味覚の好みはその人の育った環境や文化的背景に大きく影響されることを改めて認識しました。 つまり、「美味しさ」とは絶対的なものではなく、一杯の珈琲をどんな人がどんな空間で、どんな器で、どんな気持ちで味わうかによっても変わるということです。そこでより多くの人が美味しいと感じるコーヒーとは何かを考えたとき、日本人にとって親しみのある味や文化、風土にそのヒントがあるのではないかと思い、茶道をはじめ、民藝を知るきっかけになりました。
その中で気づいたのは、私たちは、さまざまな「流れ」の中に存在している ということでした。

珈琲や茶道、民藝を通じて気づいたのは、世界にはさまざまな流れがあり、それぞれが互いに響き合いながら、まるで周囲の空気を吸い込むようにして今ここに存在しているということです。
たとえば、珈琲を淹れる所作の流れ、行き交う人々の流れ、川底を伝う水の流れ、そして移ろう季節の流れ。どれもが単独で存在するのではなく、互いに影響を及ぼし合いながら変化しています。私たち自身もまた、その流れの一部です。環境に影響を受けながら変わり、同時に私たちの営みが環境を形作る。たとえば、水が岩を削り、岩が水の流れを生み出すように、私たちの文化や価値観もまた、社会の流れの中で育まれ、変化していきます。

長い時間の中で環境や文化と調和しながら形作られてきたからこそ、その土地の風景や暮らしを映し込むものは、時代を超えて人を惹きつけるのではないかと思うのです。それらは、どこか懐かしく、心地よく感じられるのではないでしょうか。
では、コーヒーはどうでしょう。
改めて考えると、祖父母が浅煎りのコーヒーを美味しいと感じなかったのは、単に味の問題ではなく、彼らが長年親しんできた文化や風土と調和していなかったからかもしれません。環境や暮らしの中で育まれた味覚に、唐突に異なる流れを持ち込んでも、すぐには馴染まないのかもしれません。
そう気づいたとき、もっと「文化や風土、暮らしと調和したお店をやってみたい」。そんな思いが自然と生まれました。

そこで、ODDOcoffeeはこれまで長野駅前で営業してきましたが、より皆様の暮らしに根ざした場所で、長年この地に息づいてきた風合いを大切にしたい。そう思い、長野市東鶴賀の住宅街にある築70年以上の町屋を、大家さんの「この家を残し、町に活かしたい」という思いのもとご協力いただき、リノベーションし、新たに「珈琲アウラ」という名前でお店を始めることにいたしました。

木の質感や古い建具の表情を活かし、過去の温もりと今の暮らしが響き合う空間を目指し、現在開店に向けリノベーションを進めています。
この地に根を下ろし、変わり続ける「いま」を共に楽しみたい。珈琲を淹れるひととき、人と語らう時間、静かに本をめくる午後。そんな何気ない瞬間に宿るかけがえのない価値。そのひとつひとつを大切にしながら、皆様と共に過ごしていきたいと考えています。

アウラで提供するコーヒーは、ハンドグラインダーで手挽きし一杯ずつ丁寧に淹れます。それは、味や珈琲そのものを楽しんでいただくだけではなく、提供されるまでのひとときも味わい深い時間にしたいという想いが込められています。
エチオピアとインドネシアの珈琲豆を使用した定番ブレンド〈アウラ〉や、季節の雰囲気を味わいに落とし込んだ季節のブレンドを中心に、心が落ち着くどっしりとした中深・深煎りのブレンドから、心軽やかな気分にしてくれるような浅・中煎りのシングルオリジン数種類をご用意して皆様をお待ちしております。ぜひコーヒーの香りと共に季節の風を感じにいらしてください。

珈琲アウラでスイーツとランチを担当する宮岡です。
私は2年前から「Living」という名前でODDOcoffeeでの委託販売やイベント出店を通して焼き菓子の販売を行ってきました。
よりおいしいものをお届けしたいという想いのもと、畑で食材に触れたり、味噌や醤油、麹など調味料を自分の手でつくる体験をしてきました。その体験を通して、食材に触れる中で気づく自然の恵みや、時間の流れとともにより深みのある味わいへと育まれる過程を楽しむことがより豊かな食体験につながることに気づかされました。
珈琲アウラではその気づきを活かし、自分自身が一つ一つの食材と向き合い、自然の恵みや季節の移ろいをお料理を通じて表現することで、お客様と豊かな食体験を共に楽しみたいと思っております。

喫茶メニューでは、アウラの珈琲の味わいをより深くお楽しみいただけるよう季節性を取り入れた「焼き菓子」や「スイーツ」をご提供いたします。ランチでは、信州産のそば粉を使用した「ガレット」に季節の味わいを楽しむ副菜を合わせたランチプレートをご提供予定です。「食卓を囲む」ような珈琲アウラのあたたかなランチタイムをお楽しみください。

夜の営業を担当する青木です。
珈琲アウラがあるのは東鶴賀町の静かな住宅街の中。夜になると人通りは少なくなり、月明かりが差し込む落ち着いた雰囲気が楽しめます。
静かに流れる時間の中で珈琲やお酒とともにゆっくりとお過ごしください。友人とゆったりと過ごしたり、ひとりで静かにグラスを傾けたり。何かのきっかけで初めて会った隣のお客様と意気投合したりすることもあるでしょう。
変化が多く忙しい日々ですが、時に、立ち止まって自分自身や景色に心を傾ける。夜の大切な時間をゆっくりと過ごしていただける「大人のための落ち着いた夜喫茶」として皆様をお待ちできたらと思っております。

夜喫茶では、限定のブレンドやカフェインレスコーヒーに加えて日本酒やクラフトジン、コーヒーカクテルなどのアルコールメニューもご用意する予定です。
特に日本酒は、発酵のプロセスからくる香りや味わいの複雑さや産地による個性を感じられるものであり、その楽しみ方はスペシャルティコーヒーにも通じるもののように思えるのです。作り手のこだわりやストーリー性が感じられるお酒をセレクトしてご用意し、お客様にもお伝えできたらと思っております。一杯、ひとくちから広がる風土や文化に思いを巡らす贅沢な時間です。
ゆっくりと溶けていく時間と優しい音楽に包まれて、一日の締めくくりを心ゆくまでお楽しみください。

はじめまして。今回のクラウドファンディングやインスタグラムなど、アウラの広報面を担当しています、内田です.長野の地で暮らしを持つ皆さんとともに、「いま」この瞬間、この地の空気を吸い込むように、この土地の記憶を紡いでいきたい。その思いのもとアウラでは、通常営業のほかに、定期的に座談会や読書会、ZINE*¹をつくるワークショップ などのイベントを開催したいと考えています。ゆるやかに集い、語らい、何かをつくり出す。そんなひと時をともに楽しみましょう。
*¹ 好きなものを自由な手法でひとつの冊子にまとめるという、表現方法
ご支援いただいた皆さまに、「アウラ」の魅力を感じていただけるリターンをご用意しています。オープン後にご利用いただけるドリンクチケットやコーヒー豆の詰め合わせなどアウラのこだわりをたっぷり詰め込んだ品々です。
また、特別プランとしてオープニングイベントにご招待するリターンもご用意しています。心を込めて淹れるコーヒーと共に、ここでしか味わえない「ひととき」をご体験ください。
また、本クラウドファンディングはAll-in方式(実行確約型)で実施します。目標金額である150万円に達しない場合にも、店舗の開設とご支援いただいた方へのリターン品の提供を行います。本クラウドファンディングで集まった資金は下記の開店費用に使わせていただきます。
・店舗内装施工費
・店内什器(器・家具)
・各種デザイン費
・リターン品 提供経費(送料含む)
・クラウドファンディング実施手数料
・その他初期費用
プロジェクト実施スケジュール
3月20日 クラウドファンディング開始
4月30日 クラウドファンディング終了
5月1日 珈琲アウラ開店
6月1日 返礼品配送開始
6月28~29日 オープン記念イベント

ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。私たちは、まだ青く、至らないところもあるかもしれません。それでも、焼き締めの徳利が使い込まれるほどに酒を吸い、つやを増し、手になじんでいくように、アウラも時を重ねるほどに美しさと調和を深めていきたいと願っています。どうか、その歩みを温かく見守っていただければ幸いです。
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