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私たち「一般社団法人子どもと先生を元氣にする会」(以下、元氣にする会)は、2021年11月、「未来を創造する子どもたちのために、どのような学びが必要なのか」をテーマに、教師や保護者だけではなく、社会を担う様々な立場の人たちが共に考える社会の実現を目指して結成されました。
これまで、沖縄が抱える教育課題に向き合うために、国内外の教育現場で活躍する講師を迎えて各種研修会等を開催してきました。
2022年4月、子どもと先生が生き生きと学ぶより良い社会の実現に向けて、ルドルフ・シュタイナーが提唱する教育理念を基盤にした沖縄シュタイナー学園を開校しました。学園の運営を継続させ、それをこの地に根づかせる事により沖縄の教育・地域・社会へ貢献していきたいと考え、多くの方々のご支援とご協力のもと、教師と保護者を中心に学園を運営しています。
昨年のクラウドファンディングでは、たくさんのご支援をいただきました。
おかげさまで、教室を2つ増設することができ、新入生を迎え、放課後の子どもたちの居場所(学童)もつくることができました。
また、学園の輪がさらに広がり、来年度も入学・転入希望の子ども達がたくさん待っています。
2025年4月に新一年生を迎えるために、昨年末からまた校舎増設作業が始まりました。
沖縄シュタイナー学園は来年度に設立4年目を迎えます。
毎年、新入生の入学や編入のご希望がありますが、小中一貫の教育を行うためには、毎年教室を増設していかなくてはならない現状があります。
公的な支援がほとんどないオルタナティブスクールにおいて、資金調達は日々の大きな課題で、教師や保護者たちの手作りで低予算で学校作りを行ってきました。
次年度は、これ以上、賃貸料を増やさないようにと、本校舎から車で約15分のところにあるシュタイナー教育実践センター「こもれび」(北中城村美崎)に新教室を増設することになりました。
(シュタイナー教育にかかせない水彩画に使用する画板も手づくり。ヤスリで磨いて丁寧にニスを塗ります。)
少しでも費用を抑えるために、黒板や棚、カーテンも手作りですが、木材などの材料費が大きな支出となっています。
(黒板も手づくり。木材をカットして組み立て、塗料を塗って仕上げます。)
私たちの想いや活動に共感する方々にご支援をいただき、新教室増設にかかる材料費をまかなうことで、学園で学ぶ子どもたち、これから入学を希望する子どもたちが安定して学べる環境(校舎・教室)を整えたいです。
▷日本の教育課題と教育の多様性
変化の激しい現代社会において、これまでの日本型教育の課題として、子どもの自殺増加、いじめ、不登校といった子どもの生きにくさの問題があります。
文部科学省の調査によると、不登校の状態にある小中学生は、2022年度には、およそ29万9000人、2023年度には34万人余りにのぼり、11年連続で増加して過去最多となっています。
〈引用〉不登校の小中学生 過去最多の29万人超 いじめ加害者への対応は | NHK | 教育
精神疾患で休職した公立学校の教員も、2023年度(令和5年度)には前年(令和4年度)からさらに580人増加し、7,119人と過去最多になっています。
〈引用〉精神疾患で休職の公立学校教員過去最多 初の6000人超 20代が高い 増加率要因は? 教員不足サポートが課題 | NHK | 教育
文部科学省はこの課題を踏まえ、「多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく育成する『個別最適な学び』」を提案しています。この提案は、不登校対策としてのみでなく、広くどの子にも適用されてしかるべきものです。
日本は他国に比べて教育の自由度が低いと言われています。近年、小学校入学時点で子どもに合った教育を求め、公立学校以外の学びの場であるオルタナティブ教育を選択する保護者が増えてきています。
「個別最適な学び」を実現するためにも、多様な学びの場としてのオルタナティブ教育が重要な役割を果たすと考えます。ですが、自らの意思、保護者の意向で民間のオルタナティブ教育を選択した場合は、現状では公立学校に在籍しての通学となりますが、在籍校で出席を認められないことが多いという現状にあります。また、公の管理下にない教育事業に対する公の財産の支出、利用は制限があり、運営費は保護者や有志によってまかなわれなければならず、その負担は大きいです。
沖縄シュタイナー学園も、オルタナティブスクールであるため助成金を受けていません。運営費は、保護者の学費と寄付金だけでまかなっているため、保護者の負担はとても大きく、また、教師は低い賃金で働いています。
校舎環境整備、教師の確保のための資金調達が大きな課題となっています。
~沖縄シュタイナー学園の立ち上げ~
「沖縄にシュタイナー学校できますよ!」
2019年、琉球大学で行われたサマーセミナーで、60人の受講生を前に講師の神田昌実先生(横浜シュタイナー学園)が発した一言。
主催した私たちの心に光が灯りました。
20年以上、故不二陽子先生(学校法人シュタイナー学園に勤務)からシュタイナーの思想について学び続けていた学習会「グラダリス」「沖縄シュタイナー教育実践研究会」の中心メンバー4人で趣意書の原案を作り、保護者、子ども達が集まってきました。
2020年2月22日、コロナロックダウン直前のキックオフ!任意団体「子どもと先生を元氣にする会」が結成され、シュタイナー学園設立に向けて、歩み出すことを決意しました。
この学園は、単にシュタイナー教育を実践する教育の場であるというだけでなく、地域の教育へと広がる社会への働きかけであるという思いが根底にあるのです。
これは、シュタイナーの唱える社会論とも共鳴するものです。
沖縄の教育は、全国的に見て「学力が低い」という課題を長年かかげ、県が音頭をとって「学力向上対策」、「学力向上推進」がなされてきました。
全国学力学習状況調査に先がけて、全県一斉の達成度テスト等が40年も実施されています。
その結果、全国的なテストでは最下位から脱出したものの、新聞等でも指摘されるように、不登校はうなぎのぼりで増え、人口割で全国一の不登校率となっています。
また、教師の心因性の休職者数も全国トップクラスです。
子どもたちが生き生きと学び、教師の活力みなぎる学校を創り、それを地域にフィードバックしていけないかという思いが「子どもと先生を元氣にする会」の名前には込められているのです。
その名の下にまず、開校を待つ子ども達のためのプリペアスクール「地球の輪」が生まれ、団体も社団法人とし、2022年の開校にいたりました。
~設立から3年~
3年たった現在、ここまで来れたことが奇跡と思えるような試練や困難が波のように何度もありました。
日本で学校を、それも何の後ろ盾、スポンサーもなく立ち上げるというのは本当に難しいことです。
しかも、会員の総意となるように方向づけていくとなると、膨大な話し合いの時間が必要になります。
個人の都合や要望をどうすり合わせていくのか、全体のために自分はどう動けばよいのか等、それぞれに課題がつきつけられてくるのです。
それでも、ここまで来れたのは、社会の中で教育をどうにかしなくてはならないという思いからくる支援、そして何よりも、子ども達が心の底から発してくる「自分達はこう学びたい!!」という、未来からの要請があったと強く感じてきたからだと、今振り返ることができます。
開校当時18人だった児童生徒は、2倍の37人となり、来年度は40人を超えることになります。
担任を中心とした8人の教師会では、常に「私たちが大切にするものは何か」「教師はどうあるべきか」について議論が交わされてきました。
ここで議論されることは、シュタイナー教育の理念の具現化を目指し、しかも現状をとらえた、私達の学園を創り動かす核となります。1人1人の教師が対等に意見をぶつけ合い、真剣に話し合い、より良いものへ粘り上げていくという作業を行っています。
そして、子ども達の成長や状態について、担任だけでなく教師会全体で共有します。1人の子どもに対して、教師全員がその未来の姿を描いていくことが大切にされてきました。
保護者、会員の皆さんには、学園の運営面で大きく支えられ、校舎の選定、教室作りに貴重な時間と労力を提供してもらってきました。
その結果、現在ある5つの教室、ホールは、温かさと居心地の良さに満たされ、子ども達を守り育てています。
5つの教室のうちの2つは、昨年のクラウドファンディングで借りることができたもので、元住宅とは思えない、子ども達の歌声の響く明るい教室になりました。
「すっごーい!」「きれーい!」教室に入った時の子ども達の喜びは、私達の中で深い感謝のこだまとなっています。
~未来に向けて~
昨年10月、沖縄県で「フリースクール等、子どもの居場所運営者連絡協議会」が発足し、県内フリースクール、オルタナティブスクールが結束して、外部に向けての働きかけが始まりました。県内20以上の団体が集まっています。
(2024年10月3日 OTV沖縄テレビ放送)
その学習会の中で、私達のような団体が最も公的支援を受けづらいということがわかりました。
国の法律(「教育機会確保法」)では、フリースクール等の民間施設との連携の大切さが盛り込まれていますが、それは、不登校児童生徒への対策としての色が濃いのです。
私達の学園は、不登校児童生徒対象ということを前面に打ち出していません。(不登校で転入し、その後、元気に過ごしているお子さんも、もちろんいます。)
不登校児童生徒へのケアは、本当に大切なことですが、私達の学園の目的は、不登校の子も含めた上で、1人1人の子どもがどんな学びを必要としているかを大人である教師がしっかり見取り、子ども達の成長にふさわしい授業を新たに生み出していくということなのです。
つまり、既存の教育に子どもを合わせるのではなく、子ども達が生き生きと学べるように、教育の内容の方を考えようという方向に視点を変えているのです。
そのため、発達段階に沿った独自のカリキュラムを持ち、教育方法も異なってきます。教師の自由度が高く、常に創造的に授業が生み出されています。
これが私達の考える「教育の多様性」を目指したオルタナティブスクール(もう一つの学校)なのです。
戦後80年、教育現場では、子どもが変わってきているという言葉が常にありました。(新人類、Z世代など…)人間の内面は、実は多様に変化しているのに、教育の制度の見直しはありませんでした。常に全国一律、統一されたものであったのです。
ユニセフの調査で世界一子どもが幸せな国と言われるオランダでは、教育の自由が保障されており、①教育の自由、②設立の自由、③方法の自由が認められ、国が一定数集まった保護者に対して、平等に教育費を支給しています。
そのオランダで行われている主流のオルタナティブ教育5つの内の1つが、シュタイナー教育です。(他に、モンテッソーリ教育、イエナプラン教育、ダルトン教育、フレネ教育があります。)
私達がシュタイナー学園を立ち上げたのは、目の前の子どものためであることは間違いのないことですが、定められた教育以外(オルタナティブ教育)で、子ども達はこんなにも元気に、生き生きと学び育っていくという、社会への一つの提言とも言えるのです。
未来が読めない、AIに支配されるのでは…等と言われる不確定な時代において、1人1人の子どもの多様性を認め、その創造の力を信じて伸ばすことが、未来を切り開く光になると私達は信じているのです。
今日も教室から子ども達の歌声、リコーダーの音、詩を暗唱する声が響いています。これからも、この学園は、子ども達に導かれながら進み、広がってゆくことでしょう。
この沖縄の耀く太陽と海に囲まれた豊かで美しい日々が、どっしりと地に根を張るガジュマルの大木を育てていくように、私達も大人のできることを、手を取り合って、1つ1つ積み上げ、子ども達を育む環境を守り、未来を生きる子ども達を育てていきたいと思います。
今後もこのような教育の多様性を望む声は、ますます増えていくと考えています。予測できない未来だからこそ、人間の可能性を広げるオルタナティブ教育が求められていると感じています。
特にシュタイナー教育は、そのカリキュラムの考え方自体に、人間を癒し、健康にする力があります。
しかし、特に沖縄では、公的な支援は追いついていないという現状があります。それを訴えることもしつつ、在籍の子ども達を育て、さらに新しい要請に応えるために、今目の前の課題の一つである、教室不足を乗り越えていきたいと考えています。
▷シュタイナー教育とは
シュタイナー教育とは、オーストリアの思想家ルドルフ・シュタイナーの人間観、教育理念に基づく教育です。教師との繋がりを軸に、自ら考え行動できる人を育てる、自由への教育を目標としています。人間の本質を理解し、成長していく子どもの一人ひとりと真摯に向き合い、子どもの成長の必要な時期に子どもが必要とするものを与え、個として成長していくことを重視しています。創造の力を育むために、教科書を使わず自作のノートを作る、学力の数値評価をしない、などの特徴があります。
シュタイナー学校(ヴァルドルフ学校)は、宗教によらない市民による学校として世界最大の教育機関となっています。100年以上の歴史をもち、ヨーロッパを中心に世界中に60ヵ国以上、1000校以上と広がっています。また、それぞれの国において、その国独自の自然環境、民族、文化を大切に、その地に適応した教育内容を創造していく学校です。
〈シュタイナー学校(ヴァルドルフ)認定校数の増加(1919年~2014年)〉
最初のシュタイナー学校は、1919年ドイツに生まれました。オーストリア生まれの思想家ルドルフ・シュタイナーの指導による12年間一貫、男女共学の学校でした。その教育は、目に見える知識や技能だけでなく、人間の内面(思考・感情・意志)をどのようにしたら、より人間らしく、その人らしく成長させることができるかを徹底的に追及したものでした。この教育を支える思想は、時代を先取りし、世界初ともいわれる有機農業を産んだほか、現在においても医療、建築、社会の在り方などに大きな影響を与え続けています。
沖縄でシュタイナー教育を実践することの意味
沖縄は重い過去の歴史があり、現在も未解決な課題がある土地です。だからこそ、一人一人がしっかりと地に足をつけて立ち、多様な視点と判断力を持ち、社会のために生きていくことが大切です。私たちの目指す「自由への教育」とは、そのような生き方のできる人間を育てるということです。
そのように育った子どもたちに未来をたくしていきたい。
そう願い、この土地でシュタイナー教育を実践しています。
学園のめざすもの
沖縄シュタイナー学園では、自分の意志をしっかりと持ち、感情豊かで知性に目覚め、他者とともに自分の人生と社会を切り開いていく、創造力のある、真に自由な人間への教育を目指しています。
特徴
〇シュタイナーの人間観、教育観に基づく、思考・感情・意志のバランスを重視した9年間一貫教育
低学年は、小人さんの導きをかりて、文字や数を生き生きと獲得し、自らのものにしていきます。
高学年は、先人の知恵や動植物の本質に畏敬の念をもち、体験を通して生きる力を高めていきます。
中等部になると科学的な見方を深め、真理に正対し、自らの道を拓いていく力を獲得していきます。
〇郷土の豊かな自然や文化、精神性を教育の中に生かす
「琉球語」や「琉球の自然と文化」の授業を通して、郷土の文化に触れます。また、ユッカヌヒーやムーチーなどの伝統的な年中行事を取り入れています。受け継がれてきた言語、文化に触れ、それを受け取ることによって、自立するための基盤を確かなものにします。
〈浜下り(はまうい)ー旧暦3月3日に行われる伝統行事。〉
〇ヨナグニウマの授業
学園と提携した南城市のヨナグニウマ牧場で、3年生から2年間、体育の中で乗馬の授業があります。6・7年生になると、隔週一回、牧場の仕事を経験します。それらを通して、子どもたちの体や心を育みます。
授業について
基本教科(国・社・算・理・フォルメン線描)は、子どもたちの発達段階に則り、毎朝110分間、3週間前後ひとつの科目をじっくり学びます。この時間をエポック授業と呼びます。子どもたちは、教師が色とりどりのチョークで描いた黒板絵からイメージを受け取り、クレヨン(高学年は色鉛筆も)で授業内容をノートにまとめていきます。そのノートは、世界でたった一つの自分だけの教科書になります。同じ科目のまとまった学びを終えた後は、別の科目に入ります。学んだことをいったん寝かせることによって、それが新しい段階の記憶となって意識下に蓄積されていきます。
エポック授業の他に専科教師による授業が1年生から入ります。「語学(英語・琉球語)」「音楽」「オイリュトミー」「手の仕事」「美術」「体育」など、リズムをもって決まった曜日に行われます。すべての授業は、「教育は芸術である」というシュタイナーの言葉にあるように、エポック授業を中心に生き生きと繋がり、子どもの創造力を育みます。
「豊かな感情を育てる時期」の子ども(7~14歳)にとっては、授業が芸術的に行われることが大切です。どの授業内容も「教え、詰め込む」ことによってではなく、音楽的なもの、詩、リズム、動き、色彩や形の体験を通して子どもの心に届くように配慮されています。 芸術的なものに浸され、心で感じることによって「世界は美しい」ということを学んでいきます、これが次の「思考を養う時期」(14~21歳)で真理を求める力につながっていきます。
〇教師の声
~子どもたちの成長の様子~
2022年4月の開校時に1,2年生だった子どもたちは、今3,4年生になっています。この学園の始まりと共に成長してきた子どもたちです。個性豊かでとにかく元気いっぱいの子どもたちは、学ぶ意欲にあふれています。それは入学当初から今も変わらないどころかさらに高まっているようです。
絵から文字が浮かび上がり、それを自分で発見した時のお花がパッと咲いたような笑顔、みんなで大きなフォルメン(線描)を海辺で形造った時の喜び、水彩で色がふわっと広がった時のなんともいえない教室の空気感、素話を聴くときのお話に入り込んでいる表情、その一つ一つが私の中に宝物のようにずっとあります。
いつも新しい学びを心から楽しんでいる様子は、教師に授業を作り出す意欲とアイディアを与えてくれます。
今、この目の前の子どもたちに向けて何ができるのか。そして、子どもたちは常に教師の予想を超えてくるのです。あの幼くて、先生に抱っこをせがんできていた子どもたちは、3,4年生になり、みんなで劇を立派にやり遂げ、今、家作りに励んでいます。
仲間も当初から3名増えました。あたらしい仲間が増えるたびに大喜びし、優しく、オープンに受け入れる姿は、いつも微笑ましく、新入の子もあっという間に慣れてずっと前からいたような気さえします。
他者を温かく受け入れることが自然にできる優しさを持ち、感性豊かで、意志の強い子たちに成長していることがとても嬉しいです。
(知花 3・4年生担任)
〇保護者の声
~「教師と親が作る学校」の大変さと喜び~
「教師と親が作る学校」。
その言葉通り、校舎探しから教室環境づくり、引っ越しや授業のサポート、運営をいかに支えるかも保護者がガッツリ関わって進めていきます。
その体制に最初は戸惑いました。通学させるだけでも本当に工夫と努力が必要で、家庭をやりくりしながら、仕事もして、学園作りにも携わっていくこと、それは本当に大変なことです。
でも、「大変なこと」以上に大きな喜びがあります。
子どもたちが、いつもキラキラの目で学びに深く入り込んでいるということ、
その子がその子らしく、子どもらしく、のびのびと過ごしているということ、
我が子の生き生きとした様子は、親にとっての最大の喜びです。
そして、それは我が子だけでなく、この学園に通うすべての子ども達に対してもそのように感じています。子どもたちが関わり合い、時にはぶつかり合いながら成長していく様子は、本当に大きな家族のようです。上の学年の子の優しさ、下の学年の子がそれを慕う様子を見る度に胸がキュンとします。
それを見守る大人たちの眼差しがまた優しいこと!
大変な思いをしている人(家庭)があれば、どう支えることができるか、本気で全世帯体制でサポートしていこうと、日々、関わり合っています。
子ども達の成長を見守り、喜び合える仲間がいるというのはとても心強いです。
(K・M 1年生・3年生・6年生保護者)
《来年度に向けて》
①新入生受け入れのための教師新規雇用と教具の充実
シュタイナー教育は、子どもの前に立つ教師をまず育てます。この教育の要は教師です。子どもと真剣に向き合い、9年間愛を持って育んでいく教師を新規雇用していきます。沖縄の文化を学ぶ、三線、空手等の講師も必要です。また、本物の体験を大切にするこの教育は、楽器や教具を一つ一つ選定し、創作していきます。
《より深く、より強固に立つために》
②学童、幼稚園、高等部、関連施設の立ち上げ
入学前の子ども達のためのシュタイナー幼稚園、さらに小学部、中等部をへての高等部が目の前の課題です。(シュタイナー教育の理想は12年間一貫教育)
昨年のクラウドファンディングにより、学童のための教室を確保することができ、学園の保護者が中心となって学童事業を立ち上げました。放課後にお迎えを待つ子どもたちが、安心して過ごせる居場所となっています。これからさらに、この学童を安定させるため、また、保護者の負担を減らすために、「子どもと先生を元氣にする会」として共に活動する学童支援員を募集しています。その人件費を捻出することも課題の一つです。
《10年後》
③自分達の校舎建築のための土地の購入
シュタイナー建築という建築技法による温かで創造性のある校舎をいずれは獲得したいと願っています。沖縄の自然に抱かれた美しい校舎建築で、よりよい教育環境を目指します。
《夢を広げるために》
④健康な生活のための自然農場、子ども食堂、ショップ等の立ち上げ
会員には、「ナチュラルフードコーディネーター」「調理師免許取得者」「パティシエ」などの資格者もおり、自然農の実践、それをもとにした食の提供(食堂や給食施設)へと夢が広がっています。素朴な手仕事による作品も次々作成され、それらの販売も少しずつ始まりました。
2025年1月29日から3月14日の45日間、クラウドファンディングに挑戦します。
2025年4月に新学期を開始できるよう、昨年末からシュタイナー教育実践センター「こもれび」に2教室の増設作業が始まりました。3月完了を目指して計画的に進めています。いただいた資金は教室増設のための材料費として使わせていただきます。
〈実施スケジュール〉
・2024年12月~進行中:教室増設作業開始
・2025年1月29日:クラウドファンディングの開始
・2025年3月14日:クラウドファンディングの終了
・2025年3月末 :教室完成
【用途内訳】目標金額100万
・教室増設のための材料費 :85万円
・リターン材料費・送料、その他 :15万円
一般社団法人 子どもと先生を元氣にする会・沖縄シュタイナー学園は、
「社会をよりよくしたい」、「教育をよりよくしたい」
という想いで発足、開校されました。
今年で開校3年目。教師と保護者を中心に、学園を応援してくださる多くの方々にご支援いただきながら進んできました。
来年度も多くの子どもたちがこの学園での学びを受け取ることができるように、また、「多様な学びの選択肢のある沖縄」を実現するために一人ひとりのお力添えが大きな力となります。
皆さまの温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
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