
昔の”商店”は、安心して子供がおつかいにでかけ、買い物の仕方を覚える社会勉強の場として機能を果たしていました。
私が小さいころ、親に「ミンチ200グラムを買ってきて」「玉ねぎを2個買ってきて」と言われては、数百円を渡され商店街でよくおつかいをしてきたものでした。
中沢肉店さんはそういったお店の一つでした。おつかいに出れば、よくコロッケをサービスしてもらって喜んでいたのは良い思い出です。

とある来館者とお話した時のこと。その方は、「自分は東京に住んでいるけれども、東京が好きになれない」と仰っていました。なぜなら、「自分が好きになったお店が気付くと無くなり、どうしてもその町に愛着が持てない」というのです。
人は、自分の記憶と同じものが存在することに安心するのかもしれません。
中沢肉店の建物は、まだ残っています。すべてを残すことは難しいですが、地域に残る愛着を一つでも残していければ、また、地域に愛着が生まれるのではないかと期待し、今回のプロジェクトを進めています。是非、皆様のお力添えを賜りたくお願い申し上げます。




