なぜ私たちは“白い香り”をつくったのか。その答えを最初に書きます。
プロジェクト公開から、たくさんの応援やメッセージをいただき本当にありがとうございます。
今日は初回の活動報告として、White Ambient がどこから生まれたのかを少しお話しします。
White Ambient は、私たちが森で経験してきた「静けさ」「安らぎ」「死生観」から生まれた香りです。
北海道ニセコの6月。雪が消え、森がゆっくりと息を吹き返す季節。柔らかな光が差し込み、葉が揺れ、鳥が空を渡っていく。
その静けさの中で、私はふっと森と自分が重なるような瞬間を経験しました。光と一つになったような、はじめからそこにいたような感覚でした。
自伐の現場で汗を流しながら木と向き合い、手を止めて休むと、心が一瞬無音になるような瞬間が訪れます。
湿度、温度、土の匂い、風の流れ。その全てが、私たちにとっての“安らぎ”でした。
そして森は、私たちに死生観を改めて教えてくれました。
大切な人を失った時のこと、終末期医療で感じてきた“命の終わりとやさしさ”。
森の木々は倒れては分解され、また芽吹く。菌糸、草木、動物、雨滴、気候、人の営みまで、すべてがつながり、循環していることを教えてくれました。

そんな体験の中で、ある日、真っ白な空間に柔らかな光が降り注ぐイメージがふっと降りてきました。
その白の静けさが White Ambient の原型です。
トドマツ精油には、森の空気からも検出される成分が含まれています。そこに草木のニュアンスや、やさしさに没入できる香りの要素を全て天然精油で重ね、“白い瞑想”として調香しました。
香りは、五感の中で唯一、脳の深い部分へまっすぐ届くものです。
だからこそ、心の白さに触れる香りをつくりたいと思いました。

HIKOBAYUという名は“蘖(ひこばえ)”。切り株から再び芽が生まれる姿。循環、再生、つながりの象徴です。
森は、私にとって“言葉のない友達”のような存在です。見守り、許し、ただそこにある。
White Ambient は、そのやさしさと静けさを香りに閉じ込めたプロダクトです。
苦しい時も、自分に戻れる静けさ。
生きていることが愛おしく感じられる白さ。
そんな心の状態に導く香りとして届けています。
これからも活動報告では、森づくりのこと、香りの背景、制作の裏側をお伝えしていきます。
温かく見守っていただけたら嬉しいです。
応援・シェア、本当にありがとうございます。



