こんにちは。認定NPO法人アジア・コミュニティ・センター21(ACC21)の辻本です。
早いものでこのクラウドファンディングも残り1週間となりました。これまでに30人の方に参加していただきました。本当にありがとうございます。
フィリピン・マニラには、屋根のある家に暮らし、1日3回食事をとり、学校に行く-そんな当たり前の暮らしのかなわない子どもがたくさんいます。そのまま学歴もスキルももたず、いくつかの仕事をかけもちしてやっと手に入れた数百円/日で家族を養っている若者も多くいます。皆さまからのご寄付は、そんな若者たちが職業訓練をはじめとした教育の機会を手にし、将来の希望をかなえるための力になっています。
今日は、そんな若者のひとり、この7月から職業技術訓練に参加しているジェイの話を紹介したいと思います。
ジェイ(トップ写真右)は18歳、今も路上で暮らしています。一緒に暮らす家族は父親と弟4人。一番年下の弟はわずか4歳です。ジェイは家族の生活を助けたいと職業技術訓練プロジェクトへの参加を決めました。職業技術訓練トレーニングでは「飲食サービス」を選択し、今月からレストランつきホステルでOJTに取り組んでいます。
《ジェイの家族が暮らしているスペース。立っているのは一番下の弟。寝ているのはすぐ下の弟・17歳のジョシュアで、一緒に職業技術訓練トレーニングに参加している》
7月にプロジェクトが始まってからは、日中トレーニングに参加して、夜中から早朝まで食堂で働く生活を続けていましたが、OJTが始まったのを機に食堂での仕事をやめました。OJTは拘束時間が長く、仕事と両立するのは困難だからです。代わりに、プロジェクトからわずかですが食事代を渡しています。日々ぎりぎりの生活をしている若者たちにとって、トレーニングやOJTに参加している間の収入や食事の保障があることは、トレーニングを続けるうえでとても大切です。
11月16日、OJTまでの時間を少しもらってジェイから話を聞きました。「プロジェクトに参加するまでは、周りの誰も信頼できないと思っていた。でも、プロジェクトを通して、路上の生活とは全く違うことを経験できた。周りが悪い人ばかりではないと思えるようになったし、友人もできた。他人を尊重する、約束に遅れない、朝早く起きるなどの大切さを知ることができた」と言います。OJTでは雇用主からの評価も大変高く、系列のコーヒーショップへの就職も打診されているそうです。OJTは12月上旬まで続きます。さらに努力して、OJT先のホステルへの就職めざしたいとのこと。ジェイの努力が実ることを祈っています。
ジェイのように、職業技術訓練プロジェクトに参加して、路上の生活だけでは得られない仕事のスキルや就職のチャンスをつかみたいと考えている若者たちはまだたくさんいます。
たとえば、5,000円あれば、10日間OJTに参加し、実践的なスキルを身につけることができます。OJTの経験は履歴書にも書くことができ、就職活動時のアピールにもなります。
少しでも多くの若者たちがチャンスを手にできるように、ぜひ、お力を貸してください。よろしくお願いします。