5月31日に開催された「ユニバーサル上映会」のレポートをお送りします。ユニバーサル上映会~Cinema is Inclusive~こちらのプログラムは、誰もが映画を楽しめることを目指したバリアフリー上映イベントです。 「視覚障がい者向けの音声ガイド」と「ろう者・難聴者向けの字幕ガイド」を備えた作品の上映を実施いたしました。ガイド付きの作品はまだまだ限られており、そんなもどかしさを少しでもなくしたいという思いから開催されました。音声ガイドと字幕ガイドを同時に付与して、こちらの2作品が上映されました。『演じる女』監督:照屋年之(ゴリ) 主演:満島ひかり©Okinawa Prefectural Government. All Right Reserved.『日の出を知らない街』監督:増田彩来 出演:細田佳央太、井之脇海、小西真奈美、井浦新 ほか▼Youtubeでガイド付き作品をご視聴いただけます。『日の出を知らない街』本編 (設定「日本語字幕」を選択いただきますとろう者・難聴者向けの字幕ガイドが表示されます)『日の出を知らない街』本編(音声ガイド版)トークイベント上映が終わったあとは、ろう者・字幕ガイド制作者の高畑寿延さんと、ろう者俳優の今井彰人さんにお話をお伺いしました!手話通訳の方をお呼びしたり、ステージに要約筆記を投影したりとバリアフリーなトークイベント。会場には、ろう者のご来場者さまもいらっしゃっていて、高畑さん・今井さんと手話でお話を交わしていました。特に印象的だったのは、高畑さんがフィードバックを行った字幕ガイドの「電話の向こうから聞こえてくる」という表現に違和感を感じたというお話。「聞こえてくる」表現が伝わりづらいのは、当事者の方に聞いてみないとわからない感覚だとハッとさせられました。字幕ガイドを利用される方の実際の声を聞くことができてとても興味深かったです。身体障がいに関わらず、自分以外の人のことを自分だけで理解するのは難しいことだと思います。自分と違う部分、わからない部分があれば、お互いに素直に歩み寄っていくことが大事なのだと考えさせられました。また、今井さんはろう者の役はろう者の俳優が演じるべきだと言います。どうしてだろうと思い聞いていると、視覚言語には視覚言語の表現があるからだと。視覚言語が身についていない人からすると同じ動作に見えても「ねえねえと呼ぶ時」「何回も呼ぶ時」「緊急事態が起きて呼ぶ時」などと、伝えたいことが全く違うのだと教えてくれました。高畑さんと今井さんに実演していただきましたが、正直違いがあまりわからなくて驚きました。そのお話にもすごく惹き込まれて、もっと深く知りたくなりました。高畑さん、今井さん、すごく素敵なお話をありがとうございました。トークを終えた2人には、手を叩く拍手と共に、会場から手話での拍手が送られました。(両手を上に広げて手首を回転させる、きらきら星のような動作)これからユニバーサル上映を行う会場が増えますように。ユニバーサル上映と言わなくなりますように。。体験スペース一方会場の外では、視覚障がいを模擬体験できる「ロービジョン体験メガネ」を試着できたり、移動できる点字部などが展示されたりと、PLAYWORKS さんによる、体験ブースも!上映後に体験されている方も多く見られました。 この上映会は、「当たり前」を見直すきっかけになった新鮮な体験でした。





