
「あしおとでつながろうプロジェクト」では、特性ある若者が仲間と共に自己実現に挑戦できる場として、定期的な「練習会」を開催しています。
この練習会こそがあしプロの舞台づくりの土台であり、独自のメソッド「動物クイズ」も、練習会での試行錯誤から生まれました。
今回は、普段の練習会の様子を少しだけご紹介します。
練習会の流れ
1.会場準備と練習会内容の確認
会場準備は常に全員で行います。各自が日付、会場、参加者についてノートに記入し、練習内容についてホワイトボードなどで確認します。

2.体操〜コミュニケーションゲーム
準備運動では、「身体のどこを動かしたいか」を提案しあい、皆で同じ運動をします。アキレス腱伸ばし、伸脚、バランスや筋トレなどを行います。
コミュニケーションゲームは、演劇や社員研修のアイスブレイクとしても使われるものです。「まず目を合わせて同意を得て」、ウインクやハイタッチをしていくワークを通して、他者と関わる感覚やお互いへの思いやりが生まれていきます。

3.「〇〇として歩く」ワーク
提案された枠の中で、自分の想像力を使う力を育むワークです。以前は「王様として」など提案していましたが、最近では「動物の何か」「植物の何か」と枠を提案し、内容は各自でイメージして歩きます。
4.動物クイズ(非言語即興演劇)〜ダンス
舞台作品の中核になっている「動物クイズ」は「セリフを使わずにメッセンジャーたちの演劇性を引き出すには?」と考えて生まれたプログラムです。「田んぼ」「雪山」など環境を設定し、その環境にいるであろう生き物として動きます。他の人の表現に呼応したり、あえて孤立したり、即興のドラマが生まれます。演じるイメージをはっきりさせるために、事前にPCで「雪山」の映像を皆でみたりします。

ダンスは2種類の方法をとっています。
・全体でのダンス:共通の振付をみんなで練習し、全員で一つの表現にとりくみます。一人一人が完璧に踊ることよりも、全体でそのエッセンスが表現されることを目指します。
・ ソロ:メッセンジャー各自が選曲し振付し、他のメンバーの前で発表します。ダンスだけでなく、歌やコントなど、表現方法も一人一人の自主性に委ねられています。
5.タップダンス
タップシューズがなくても、簡易タップシューズ「おとたび」を履いて参加できます。円形になり、センターの人のステップを復唱する「コール&レスポンス」という手法で「基礎練習」〜「自分の名前」〜「好きなメニュー」などへとステップのテーマを発展させていきます。
ステップの上達よりも「その人だけの表現が生まれる」ことを大事にしています。
その後、音楽を流して、タップによる即興表現の時間を持ちます。センターにソロ用の板があり、周りの円でのステップとセンターでのソロは、明らかに異なった表現になります。

*4.5.は会場条件によってどちらかのメニューとなります。
6.会場清掃と振り返り
会場清掃も全員で行います。イベントや舞台公演でも同様に、自分たちで空間を整える習慣を大事にしています。
振り返りでは、今日の練習会でしたことや感想などをノートに記入していきます。「支援学校卒業以来、字を書いたことがなかった」というメンバーもスタッフの問いかけに応える形で、自分の言葉を残します。書くことで、自分の意思を確かめたり、後に本人が成長を振り返ることができます。
また、効果測定のためのアンケートも毎回行っています。

練習会の役割
あしプロの練習会は、舞台のための準備にとどまりません。
自分たちの活動場所を自分たちで整え、内容についても自主的に取り組むことを重ねてきました。それは、個々の意思を尊重したいからです。練習会のごく初期には「なんでこんなこと(準備)しなきゃいけないの」という声もありましたが、「なんでだと思う?」と問いかけると、「自分たちのやることだから」という言葉が返ってきました。
内容や進行時の言葉かけについて、スタッフが「答え」や「指示」を出さないように常に気をつけ、メッセンジャーが「気づいて、考えて、やってみる」場となるように心がけています。
公演やイベントの演目ができていくことは、その副産物のように感じています。
今では、メッセンジャーの成長や表現の幅の広がりが見られ、クローズドで行ってきたこの練習会も、次の段階へ進む時期が来ていると感じています。
準備が整いましたらお知らせします!




