自己紹介
はじめまして『Bistro RIKYU』の角田です。
この度は数あるプロジェクトの中から、こちらをご覧いただきありがとうございます!
コロナ禍の中ではありましたが、2022年2月に湘南藤沢でレストラン『Bistro RIKYU』を開業し、丸3年を迎える事ができました。


様々な食べ物がある中で、鹿や猪などのジビエ、そして珍しい食材として“昆虫”を取り扱うお店として、少しずつではありますが知ってもらえるようになってきた矢先、ビルの解体に伴う移転を余儀なくされることとなってしまいました。
今回は今できることとして、研究を続けてきた個性的で魅力的な食材としての昆虫を届けたいとの思いで、再びクラウドファンディングを企画しました。ご覧いただければ幸いです。
なぜ昆虫食?
メディアでも度々話題になる昆虫食。やがて来る食糧不足に備えて昆虫食を…などと言われることもありますが、今のところ食べ物の選択肢が豊富にある現代の日本に於いて、あえて“虫”を選ぶ必要はあるのでしょうか?
今あえて昆虫を食べるとしら、その理由は食料危機や環境の為と言うよりも「どんな味だろう」や「○○が食べていたから」など、それは未知なるモノへの《好奇心》だと思います。

日本でも元々食文化として昆虫食が根付いている地域もありますが、そういった伝統や文化的な背景がない場合、将来の食糧危機に備える為、環境の為、栄養面でと言われても、いざ昆虫を食べてみようと試みることはなかなか容易なことではありません。
一般的に昆虫は食材以前に、「気持ち悪い」「不衛生」等のマイナスイメージが強く、誰しもが容易に口に運ぶことはなかなか難しいです。ましてや今まで食べてこなかったものを試すとなると勇気が必要であり、わざわざ食べる理由はありません。
ですが、日本で昆虫食が有名な地域として群馬県や長野県の一部地域が挙げられる他、世界でもアジア、中南米、アフリカ等では一般的な食材として食べられていて、食材としては決して珍しいわけではありません。だからと言って今まで昆虫を食べ物として見ていなかった人にとっては、口に入れる対象として対極に近い位置にあったわけですから、「じゃあ食べてみよう」となるにはなかなか難しいのが現実です。
近年昆虫食が注目されるようになった背景には、2013年にFAO(国連食糧農業機関)が食糧危機の解決の為に昆虫食を推奨したことが契機であり、その後国内外でも昆虫食への注目が高まりをみせ、様々な場面で目にする機会が増えました。
残念ながら一般的に昆虫食はゲテモノとして見られてしまうことが多く、例え好意的に伝えられてもなかなか受け入れられるものではありません。ポジティブに捉えられない限りは結局はゲテモノ扱いであり、一部の愛好家の中で嗜まれている食材とされているのが実情だと思います。
食事をする上で絶対に必要と言うことはありませんが、それでも昆虫をひとつの食材として見た場合、他では味わえない風味や香り等は本当に面白く魅力的であり、まだまだ開拓されていないことで自分の手で新しい発見に出会えることも魅力のひとつでもあります。
そんな昆虫の魅力を何とか伝えたい。食材を扱う人間としてとして、一般の食材(肉、魚、野菜等)同様に料理やお菓子として表現したい。そんな思いで店舗で昆虫も扱ってみようと試みました。

店舗で昆虫を扱う難しさ…試行錯誤の3年
しかし…。昆虫食に興味を持ち来店してくれる方がいるものの、昆虫を嫌がる方のほうが圧倒的に多く、共存は簡単ではありませんでした。ニッチな需要である昆虫を無名の飲食店で扱う事は、相応のリスクも併せ持つと気付かされる事となりました。
どう昆虫を扱っていくか?
悩んだ末に、非昆虫食の方にとってはメニューに記載の文字ですら目にする事に抵抗があること。逆に昆虫食を目当てに来店する方にとっては、一部のメニューでは物足りない等の声を受け、通常メニューからは昆虫を外し、希望の方には別紙での昆虫メニューを提示することに(裏メニュー対応)
そして、昆虫食を小出しにせず開催日を告知した上で【完全予約の昆虫食のフルコース】を実施。




結果として、昆虫食を求めていない方は目にする機会がなくなり、昆虫食を楽しみたい方にはより満足度の高い料理を提供出来るようになりました。何より、昆虫に特化したフルコースでの料理は、未だに他店では殆ど提供されておらず、過去には北は北海道、南は沖縄からの来店もいただきました。
そんな経緯で始めた昆虫食コースも、実施当初は空席が多く運営する難しさを感じていましたが、気が付けば今年の2月で9回目を数え、最近ではありがたいことに毎回満席。常連さんも増え様々な繋がりを持つことが出来ました。
定期開催の昆虫食フルコース以外にも、夏は採って食べる【蝉会】や産地ごとの【コオロギ食べ比べ】イベントの開催、店舗外の昆虫食イベントにも出展・参加等もあり、今では毎月昆虫食イベントを開催出来るようになりました。



興味や関心のある方に“美味しい食べ物”として提供することを通じて、お客さんはもちろん、生産者の方や沢山の方と出逢い交流を深めていけたことが、私にとってはかけがえのないものとなっています。
老朽化に伴うビルの解体、店舗存続の危機。。。
少しずつではありますが昆虫食のお店としても認知され、イベント時以外の通常営業では主に地元のジビエを中心に提供するビストロとして知られるようになり、リピーターさんも徐々に増えていきました。ようやくこれから…という時に訪れた存続の危機。


老朽化に伴うビルの解体。
築50年越えの建築物であり、いずれその時が来ることは想定されてはいましたが…とうとう2025年の夏でのテナントビルの解体が決定してしまいました。
突きつけられた現実はなかなかに厳しく、移転先を探すもなかなか条件にあう物件が見つからないのが現状(2025年5月現在)
今は店舗の営業と並行しながら可能な限り時間作り、不動産屋に足を運びつつ新しい物件情報をチェックする日々です。
現状入居のビルは夏までの契約であり、それまでに移転先を見つけられなければ休業、もしくは閉店となってしまいます。
今後移転先が見つかったしても、現在と同じ事が出来ない可能性もあり、それならば現店舗がある内に出来る限りの事をしておこうと思い、クラウドファンディングに挑戦する事となりました。
昆虫の魅力を食として伝えたい
昆虫を食べることを難しくしている大きな要因のひとつが、その姿。
そこに着目し、店舗での昆虫食フルコースは昆虫の【姿のある】と【姿のない】を選択出来るコース設定にした事で、昆虫食のハードルが下がり初めての方や見た目に抵抗がある方でも食べやすくなり好評をいただいてきました。
姿はなくてもタガメのフルーティーな香りや蜂の子の旨味は伝える事が出来るし、コオロギや蚕もパウダーにして合わせる事で強弱を付けることも可能。逆に蝉や蜂の成虫は姿がないと魅力を伝える事が難しく、日々表現方法に試行錯誤しています。
今回はリターンとして【姿のある】と【姿のない】昆虫の両方を用意しました。
・見た目を気にせず昆虫の味を楽しんでいただけるクッキーのセット
・昆虫丸ごと姿ごと楽しめるロースト昆虫セット
昆虫の魅力の詰まった商品を是非お楽しみ下さい

スケジュール
6月15日 クラウドファンディング終了
6月中 リターン 発送
7月 現物件の契約終了
7月以降移転予定
最後に
長くなりましたが、最後までご覧いただきありがとうございます。
なんで昆虫を食べるのか?
結局のところ、昆虫も他の食材と同様であり、特別でも何でもないただのひとつの食材なのだと思います。
好きな人は好きで、食べる人は食べる。その逆も然り。
食べることの理由は人それぞれで良いと思います。
私は昆虫の美味しさを少しだけ知っているので、その良さを伝たいし、出来ることなら共感してもらいたい。
その為に、より美味しく出来るよう研鑽します。
初めて口にする食材が美味しかったら、また食べたいと思い、食べる楽しみが増える。
人生も少しだけ豊かになれる。
その為に、最初に美味しいと思ってもらえるものを届けたいと思っています。
昆虫食に対しては賛否ありますし、万人の受け入れられることはないと承知しております。ですが、もしこれをきっかけに少しでも興味を持ってもらえたら、とても嬉しく思います。
これまで昆虫食に関わることで出逢えた沢山の方に心より感謝致します。
今後も一緒に歩んで行けたら幸いです。
No insect, No life.
■現店舗の情報
◇住所◇
神奈川県藤沢市南藤沢7-10グランドール藤沢2F BistroRIKYU
◇営業時間◇
ランチ 11:30~14:30
ディナー 17:30~22:00
定休日 : 日曜日・月曜日








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