こんだけ、たくさん「がんと食事」について触れている文献があって、
一冊も。ええ、一冊も。
「がんと、ブドウ糖」の危ない関係について書かれたものはありません。
がんになったら、そんなに神経質にならずに「食べたいものを食べればよい」という書かれているものさえありました。
これを読んだ瞬間、
「こんなの信じたら大変!がん細胞の思うつぼじゃないか!」
と私は、大いなる違和感(怒りにも似た感情)を感じましたが・・・記事の作成者は、どっかの大学の「管理栄養士」。しかも「有名大学の医師」の監修で書いてあります。
信じますね。これは、こっちを信じちゃいますよね。こちらは大きく不利です。
・・・これが、「現実」です。「権威」に日本人は特に弱くって、それが有名な先生であれば、あるほど!そうだと思ってしまいます。
一方は、「好きなものを食べていい」、そして一方は、「甘いもの、炭水化物食べちゃダメ!」といいっている状況。
どちらかが、嘘つきですよね?
では「どちらが嘘つきか」はっきりさせましょう!!
がん細胞は、本当に「ブドウ糖が大好き」なのでしょうか。
数日前、手術後、はじめてのCT検査、そして、PET-CT検査がありました。
私は、「問診票、検査説明表」を写メって!!と友人に、お願いしていました。
それが、こちらです↓↓
「がん細胞は、正常な細胞よりも3~8倍ブドウ糖を大きく取り込む」と書いています。
PET検査はこの性質に着目した検査だ、とも書いてます。
「放射性同位元素」をマークしたブドウ糖を投与し、PETカメラで撮影したら、がんの位置や大きさ、活動の状態がわかる、と書いてあります。
・・・大好きじゃないですか。どなたか反論ありますか?
医師であれば、誰でもこのことは知っている事実です。
ではなぜ、医師の皆様は「がん患者は、ブドウ糖をなるべく摂取しないほうがいい」という発想にならないのでしょうか。
・・・完全に、「つながっていない」のですね。点が線になっていないんですよね。「それはそれ」「これはこれ」?。いいえ・・・、医師、だからこそ。
複雑な知識や経験が逆にあるからこそ、つながらない、気が付かないのかもしれません。
シンプルな事実なのですが・・・
もう一つの問題は、がん細胞は、本当にブドウ糖しかエネルギー源にできないのか?ということです。
がん細胞にも、「ミトコンドリア」があるはず。「ミトコンドリア」がある細胞は、理論上、「脂質」をエネルギー源にATP(エネルギー源)を生み出すことができるはずです。
脂質をエネルギーにできないという証明をしなければなりません。
がん細胞におけるミトコンドリアは、正常細胞に比べて非常に「働きが弱い」。「機能不全」があるといわれています。どうしてそうなるんでしょうね。
がん細胞は、ブドウ糖が「大好き」で、よく取り込むのは確か。増殖欲求の強いがん細胞は、さらによく取り込みます。そうすると、細胞内のブドウ糖を「処理」するために、がん細胞は「解糖系」というエネルギー産生回路を優位に回します。
このとき、忘れたらいけないのが、解糖系でエネルギーを作り出す副産物として
「乳酸」がもれなくできるということ。
がん細胞ではこの「乳酸」という副産物大量に発生しています。
ミトコンドリアは、この「酸」に非常に弱いため、乳酸に囲まれると「機能障害」を起こします。
そしてミトコンドリアでエネルギーを産生できなくなります。
こうしてがん細胞は、ミトコンドリア機能不全→エネルギー代謝障害になるというわけです。
=(ほとんど)ブドウ糖しかエネルギー源にできない
ごめんなさい、どちらが嘘つきなのかはっきりさせる、という表現をしましたが、
多分、先生や管理栄養士さんにも「悪気」があるわけではなく、本当に知らないか、
つながっていないだけなんだと思うのですよね。だから、嘘つきか?というと
必ずしもそうは言えません。
真剣に、冷静に、意見交換すれば、「ブドウ糖を摂取しない」という選択も「立派な食事療法」として認めてもらえると思うのですが。
今日は、難しいことを言ってすみません。
・・・私はそんな社会が「早く」来ることを、祈っています。