
「トイレ」から見える、社会のかたち。
たとえば、今日あなたが入ったトイレ。
「男性用」「女性用」って、なにも考えずに選んでいませんでしたか?
性別に違和感を抱えている人や、
どちらか一方に当てはまらないと感じている人たちにとって、
実は、この「どっちに入るか」が、
悩みになっている人もいます。
じゃあ、世界ではどうなっているんだろう?
日本でも一時的に導入されたことがあります。
たとえば新宿のある商業施設では、
「All-Gender Restroom(すべての性の人が使えるトイレ)」を設置したものの、
わずか数ヶ月で廃止されてしまいました。
現在では、大阪万博での会場での導入が物議をよんでいますね。
一方、カナダ・トロントでは、
多くの大学や公共施設にオールジェンダートイレが導入されています。
EU諸国でも、ユニバーサルトイレやジェンダーニュートラルなサインが
ごく自然なものになりつつあります。
そしてアメリカ。
「トイレは生まれたときの性別で使うべきだ」という意見が今も根強く、
州によって対応が大きく異なります。
ちょっと移動するだけで、まったく違う価値観の中にいるような感覚になるとも聞きました。
(詳しい方のお話をぜひお伺いしたい!!)
文化や宗教的価値観が背景にあることも多く、国によって状況は本当にさまざまな様です。
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「誰でも使えるように」と思ってつくられた空間が、
逆に「誰が使えるのか?」をめぐって争いの場になってしまうこともある。
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“包括”を目指した場所が、“分断”の象徴になってしまう。
そんな現実も、確かにあるんですよね。
でも、だからこそ。
私たち一人ひとりの「ん?」っていう小さな違和感が大切なんじゃないかと思います。
「これって、本当に“ふつう”なのかな?」「もっと誰にとっても安心なやり方って、ないのかな?」
その第一歩は、目の前の分断に気づいて、想像力を持つことなのかもしれません。
実は、今回制作中の自主映画でも、
この“トイレ”が物語の大切なシーンとして出てきます。
ロケハン中にも、「あれ?」という気づきや、「これでいいのかな?」という問いが
たくさん生まれています。
この制作を通して、私自身もいろんな殻を破らざるを得ない場面に出会っています。
どれだけ真摯にこの問いに向き合えるか――
それが、この作品の深さや完成度を左右すると思っています。
今回は、そんな挑戦の最中からの小さなシェアでした。また進捗も書いていきます。
【性別のあいだ映画プロジェクト制作チーム】
幸野朱里
郷家小太郎
伊集院丈
▶︎プロジェクトページはこちらhttps://camp-fire.jp/projects/847520/view




