こんばんは。COCOOの前田です。連日の関西万博、想定以上の人の多さに、自分の人混み耐性のなさを痛感する日々。笑でも、沢山の方にCOCOOや漆を知っていただける機会は、とてもありがたく思っています。今日は少し、わたしが漆に関わるようになった原点と、これから描いている未来について、お話させてください。わたしが漆に興味を持つようになったのは、母の故郷である岩手県二戸市の「浄法寺漆器」との出会いがきっかけでした。浄法寺の漆器は、かつて僧侶たちが質素な暮らしのために使っていた、素朴で実用的な器。見た目はシンプルながらも、日々の生活に自然に寄り添ってくれるような佇まいが魅力です。子どもの頃、母と一緒に帰省するたびに訪れた漆器屋さん。今では廃れてしまいましたが、お気に入りのお椀や箸を選ぶのが楽しみで、わたしにとって漆は、“特別なもの”ではなく、ごく自然に暮らしの中にある存在でした。でも近年、二戸のまちは少しずつ寂しくなり、若者の姿も減ってしまいました。このままでよいのだろうか…? と感じていたときに、ひとつの可能性が見えました。それが、漆という産業の存在です。実は、日本国内で使われている国産漆の約8割が、二戸市周辺で生産されています。金額にすると決して大きくはないですが、「漆」という軸になる産業があれば、私のように地縁があってもなくても、若者も、外国人も、この土地に訪れる理由ができるかもしれない・・そうやって人の流れが生まれたら、まちも少しずつ潤っていくかもしれない…!と思ったのです。ちょうどその頃、COCOO共同代表の北山が、魔法びんカップに使える天然素材を探している、と話していました。私が「漆ってどうかな?」と提案したのが始まり。最初はピンと来ていなかった北山ですが、過去の論文を漁り、漆屋さんと試作にチャレンジ。それが、COCOOの原点とも言える 漆タンブラー KISSUL につながっていきました。わたし自身、工芸の家系に生まれたわけでもなく、作り手としてのキャリアがあったわけでもなく、もともとのキャリアはホテルマン。でも、だからこそ、“工芸って、暮らしの延長で、誰でも関われるものなんじゃないか?”と、思うのです。COCOO や新拠点ここきよ は、そんな“関わりしろ”を増やすための場所。人が集い、体験し、対話し、心が動く。その循環のなかに、ちゃんと産業としての漆も根付いていく未来をつくりたいと、心から思っています。まだまだ、二戸のまちを元気にするには程遠いですが、まずは京都を拠点に、各地の漆産地とつながりながら、“漆のある未来”を少しずつ広げていけたらと思っています。わたしは人を軸に、北山は技術を軸に。それぞれの強みを持ち寄って、漆の可能性を育てている最中です。この活動報告を読んでくださった皆さんにも、“漆や工芸に関われるかも!”と思ってもらえたら何よりうれしいです◯そして、クラウドファンディング終了まで、いよいよあと3日。この挑戦を、もっと多くの人に届けるために、ぜひ、この活動をSNSなどでシェアしていただけないでしょうか?皆さまの声が、漆の未来を動かす力になります。どうぞ最後まで、よろしくお願いいたします!




