こんにちは、「信級すみずみLab.」です!
長野市信州新町・信級(のぶしな)という人口100人程度の限界集落において、信州大学生が空き家である『マルカの家』を信級を訪れた人々と現住民の交流拠点となる場所に改修することを中心に活動しています。
「信級すみずみLab.」という名前には信級を隅々まで知る、生業の炭焼き、空気が澄みきっている、などの意味が込められています!
「信級すみずみLab.」のメンバーを紹介します!


信州大学・佐倉研究室ではこれまで、信級(のぶしな)の「マルカの家」を題材に、山村における空き家リノベーションの可能性について研究してきました。
私たちは、空き家をただの建物として見るのではなく、そこに関わる人びと、自然資源、技術や知恵など、さまざまな要素が交差する場として捉えています。そして、それらのつながりが少しずつ強まり、思いもよらない関係や出来事が生まれていく——そんな現象に、空き家が持つ面白さと未来を感じています。
対象の空き家「マルカの家」今回のプロジェクトでは、そうした「つながり」が自然とひらかれていくような空間、つまり、“おすそわけ”のように誰かにひらかれ、受け渡されていく宿を目指して、マルカの家の改修に取り組んでいます。
将来的には、訪れる人びとが暮らしに触れ、手を動かしながら関わっていけるような、信級ならではの「ひらかれた宿のかたち」を、地域の方々とともに育てていきたいと考えています!

信州大学・佐倉研究室では、長野県内のさまざまな地域で、「経済成長の中で見過ごされてきた場所やヒト・モノ・コト」に光を当てるプロジェクトに取り組んできました。
善光寺門前界隈の複数の空き地で展開する「まち畑プロジェクト」
佐倉研究室が信級(のぶしな)に本格的な関わりを始めたのは2023年度です。
信級(のぶしな)はいわゆる「限界集落」と呼ばれることもある地域です。
しかし、私たちはこの場所に、都市部にはない“昔ながらの価値”が確かに息づいていると感じています。
たとえば——
・地域資源を生かし、住民の手で補修・増改築され続けている民家
・山の恵みとして日々の暮らしに根づいている山菜やきのこ、ジビエ
・数世帯でひとつの水源を共同で管理・補修しながら暮らす水インフラ
信級の山の恵み
発展していないからこそ、失われずに残ってきた暮らし。
限られた環境だからこそ、生まれてきたつながり。
私たちは、信級のすみずみから、そうした暮らしの本質を学ばせてもらっています。
そんな信級に今、増え続けている「空き家」を、信級らしくどう活かすか。
2023年度から「マルカの家」の改修と利活用に取り組んできました。
資源の循環、関係の循環、そして、信級のすみずみに“暮らしの予感”を届ける。
空き家を単に直すのではなく、その改修のプロセスや空間を、人と人が関われる「余白」としてひらいていき、改修に止まらず地域に根ざした多様な活動を展開してきました。
改修中の土間を活用した住民と学生の交流「きのこパーティ」
信級の暮らしを体験すべく、空き家での滞在を通して、地域の行事に参加や、学生主催による交流イベントの開催を通して、地域内外の繋がりを育んできました。さらに、地元の企業との連携により、GIS(地理情報システム)を活用したイベントも実施し、地域資源の可視化と新たな魅力の発信にも取り組みました。
屏風絵をデータ化するためにスキャンしている様子(地元企業との協働)
そして、これまでの取り組みは、学術的視点を持って実践と分析を行うことで、信級のような中山間地域における新たな可能性を見出すことに繋がっています。
佐倉研究室のOBによる2022年度の研究では、信級の暮らしを支えてきた「土」に着目しています。人口減少に伴い耕作放棄地が増加する一方で、肥沃な土壌資源が未活用のまま残されている現状を捉え、山林・土壌資源を生活や建築と再び結びつけることで、中山間地域における持続可能な循環型社会のモデルを提示するという研究を行いました。(青島,2022,『中山間地域の集落における土壌の役割- 長野市信州新町信級を対象とした建築を介する資源活用法 -』)
また、2024年度の研究では、農山村地域における人口減少や移住促進に関する社会的背景を踏まえ、地域活性化の方策として「交流拠点」に着目しています。学生主体のセルフリノベーションによる「交流拠点」形成プロセスを詳細に記録し、役割・工程・材料といった「ヒト・モノ・コト」の視点からそのつながりを分析しました。そして、この過程が農山村地域における関係人口の拡大や地域活性化にどのように寄与するのかを検証するという研究を行いました。(六車,2024,『つながりから見る農山村型セルフリノベーションのプロセスに関する研究- 長野市信州新町信級地区における空き家改修プロジェクトを対象として -』)
地元住民へ取材の様子
「食堂かたつむり」にて研究発表会

信州新町・信級(のぶしな)は、かつて麻やわさびの栽培が盛んに行われていた地域です。現在は稲作を中心とした農業が営まれています。
また、かつては村内の職人による炭焼きも盛んに行われていましたが、現在ではその技術を継承する職人はわずか1人となりました。
しかし、信級(のぶしな)では近年、こうした伝統を受け継ぎながら新しい動きが生まれつつあることも特徴です。
たとえば、移住者によって、炭を器として自然の風景を表現する「炭盆(すみぼん)」、炭焼きの余熱を使って焙煎された「玄米珈琲」など、従来の技術に新たな価値を見出す取り組みが行われています。
また、かつての農協の精米所をリノベーションした「食堂かたつむり」は、地元の食材を生かした新たな食の拠点として、地域内外の人々をつなぐ場となっています。
「炭盆」の制作を行う、移住者・浅野知延
今回目指す“おすそわけの宿”は、信級のすみずみを体験する拠点となります。
単なる宿泊施設ではなく、農業体験や炭焼き体験、山菜採りなど、集落内で展開されている活動と連携しながら、滞在を通じて信級のすみずみに触れてもらう拠点=ハブのような存在になることを目指しています。
段階的に改修と活用を進めていき、最終的には一棟貸しの形で、地域住民や移住者、学生が信級らしいかたちで運営・活用できる宿としての機能を担うことが目標です。
宿をハブとし、地域内外で資源の循環や人との繋がりが生まれ、今まさに“おすそわけ”が起こっており、今後はその輪が広がっていくこと思い描いています。
おすそわけのネットワーク図
信級のすみずみに触れる拠点としての“おすそわけの宿”。その中心となるのは、「火」です。
今回は、薪ストーブ・かまど・薪風呂の制作やリメイクを予定しています。
暮らしに火を取り戻すことで、人が集い、あたたまる空間をつくります。
あわせて、台所や浴室といった水回りの改修も行い、最低限の滞在環境を整えることを今回のクラウドファンディングの目標としています。
元の平面図がこちら↓
既存平面図
現在の改修案がこちら↓
改修案平面図
改修案アクソメ


改修作業にとどまらず、信級地域の自然や文化に触れることを通じて、地域に根ざした多様な活動を展開してきました。
[2025年]
9月 クラウドファンディング開始
改修WSの開催(土壁作り・漆喰塗り)
住民への改修に関する説明会
10月 クラウドファンディング終了
床のフローリング張り・モルタル塗り
11月 ご支援金の入金
間仕切り壁の下地作成・断熱
12月 リターン品のお返し
一階の内装工事
[2026年]
4~6月 二階の内装工事、設備の導入
7~10月 外構工事
11~12月 次年度に向けた準備
域内外の人々の力をお借りしながら、学生が中心となって、地元素材を活かした改修を今後も引き続き行い、2027年の竣工を目指します。
100万円
【内訳】
・設備費 40万円
浴槽やシンク等の水回りの設備や薪ストーブの購入費として使います。
・資材費 30万円
信級で調達できるものや住民からのおすそわけでいただけるもの以外の資材(フローリング材、スタイロフォーム、漆喰等)の準備費や購入費として使います。
・その他備品 10万円
改修作業に必要な工具(インパクトや電動ノコギリ等)やビスなどの備品を含みます。
・人件費 20万円
佐倉研究室OBで、現在は個人で設計・施工業務を行っている伊藤一生さんには、現場でのご指導や施工計画に関する助言など、定期的にご協力いただいています。これまではボランティアとしてお願いしてきましたが、今後の継続性を考慮し、20万円を計上しています。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
皆さま一人一人のご支援が、地域の未来を育む大切な“おすそわけ”になります。ぜひ、この挑戦を一緒に支えてください!
最新の活動報告
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【物語⑩】~床を張りまくれ‼改修ワークショップday6~2025.9
2025/10/18 10:00マルカの家活動報告第10弾!改修ワークショップ(WS)の様子をお届けしてきましたが、今回の6日目でWSも最終日を迎えました!今回は床張り作業の様子をお届けします! ✁┈┈┈┈┈┈始まり始まり┈┈┈┈┈┈この日は、佐倉研究室のOBであり、個人で設計・施工業務を行っている伊藤一生(かずき)さんにも来てもらいました!また改めてご紹介させていただきますが、伊藤さんには、今年からこの活動に関わっていただき、現場でのご指導や施工計画に関する助言など、定期的にご協力いただいています。作業内容を説明してくれている伊藤さん今回のは床板張りと足固めの作業です!「床板張り」は文字通り、根太の上に床板を合わせて、ひたすらビスを打ち込んでいく作業になります。「足固め」というのは、柱と柱を繋ぐ横材であり、建物の耐震性や安全性を高めるために重要な作業になります。 足固め入れる前の状態足固めした状態 床張りは、墨出しをして、丸鋸で切って、ビスで固定していくという流れ作業ですが、まだまだ素人の我々は、精度を出すのに中々苦労しました。墨出し中合板の切断中ビスで固定中散歩中に寄ってくれた近所の方作業の途中で近所の方がフウコちゃん(犬)を連れて見に来てくれました!このWS期間中は散歩ついでに度々顔を出してくれて、その度メンバーの一人がダッシュしに行きます(フウコちゃんの散歩に駆り出されます(笑))この日は韓国のりの差し入れも持ってきてくれました!作業の息抜きに犬と戯れたり、地域の人に進捗を話したり、何かと気にかけてくれる存在がいるのはとても心強いです。こういう場面は毎回見られるものではありませんが、今後もっと、こういう光景が増えていけばいいなと思ってます。床張りが終わる頃には暗くなってました。できたての床の上ではサッカーが始まりました!?(実はこれをするために床張りを終えるぞ!!というモチベーションの元、みんな頑張っていたのです。)これにて改修WSは終了!!本当に濃い6日間でした。計10回にわたる活動記録”信級物語”をお届けしてきました。今後は、活動にご協力いただいている方のコラムや活動のメディア掲載、より詳細な改修内容などをお届けしていこうと思います!そしてもちろん、マルカの家の物語はこれからも続いていきます。 もっと見る
【物語⑨】~他大学からも参戦!!改修ワークショップday5~2025.9
2025/10/17 19:27マルカの家活動報告の第9弾!前回に引き続き、改修ワークショップ(WS)の紹介です!今回は5日目!漆喰塗りと稲刈りの様子をお届けします! ✁┈┈┈┈┈┈始まり始まり┈┈┈┈┈┈土を練り、ひたすらに壁に土を盛り、乾いている壁には漆喰を仕上げに塗る作業。ですが、今回は新しい出会いがありました!なんと、新潟大学からお二方、大分大学からお一方がお手伝いに来てくださいました!ありがとうございます!新潟大の学生さん、漆喰塗りがめっちゃ上手い!こちらが勉強させてもらう形になっていました。よく話を聞くと、新潟県でも空き家の改修をしているらしい…。お二人のうちお一方は全く建築に関係ない専攻だけど、お手伝いに行くほどこういった改修作業が好きだというお話が聞けました。大分大からの学生さんも職人のような手つきで黙々と土壁を塗り、漆喰も塗ってくださいました!土壁の元をスコップで練り混ぜています。新潟大のお二人に漆喰塗っていただいています。そしてなんと、今回で稲刈りは終わりました!WS第一弾からずっと、「この稲作ならスーパーよりも米が安く手に入る」と信じて稲刈りしていました。ただ、、これが意外と手順を多く踏むから大変です。※今年は昨年より豊作らしく、更に大変になっております。そんな本日の稲刈りMVPは修士2年・阿部ちゃん!!ラジオを流しながら優雅に、でもバッサバッサと稲を刈っていく!手際よく稲を束ねる阿部ちゃん壁塗り組も参戦!みんなで稲架掛け。夕方頃には、阿部ちゃんの学部時代の先輩も来てくださり、8人の大所帯で作業しました。気づいたら稲刈り作業は終了。とりあえず終わって一安心です。つづく❦ もっと見る
【物語⑧】~稲を刈り、壁を塗る秋がやってきた!!改修ワークショップday4~2025.9
2025/10/16 10:00マルカの家活動報告の第8弾!前回に引き続き、改修ワークショップ(WS)の紹介です!今回は4日目!稲刈りと土壁塗りの様子をお届けします! ✁┈┈┈┈┈┈始まり始まり┈┈┈┈┈┈田んぼ作業前回のWS稲刈りの続きをしました。みんなの頑張りのおかげで、だんだん終わりが見えてきました!稲刈り、はさがけ(稲を束ね稲架にかける)、どちらもハードワークですが、作ったお米を美味しく食べるために必死です。土壁塗り前回の土を練り直し、壁に塗っていきました。土に混ぜている藁がいい感じに発酵しており、質の良い土になっていました。土を壁に塗るのは意外と難しく綺麗に仕上げるには技術が必要です。コツをみんなで考えながら慎重に塗っていきます。今日一日では終わらず、まだまだ稲刈りと土壁塗りの作業は続きます。また翌日は県外から新戦力が加わるとか...お楽しみに!つづく❦ もっと見る





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