世界の医療団です。
現在(7月26日11時時点)までに13万4千円のご寄付を頂戴しました。
皆様のあたたかいご支援、ありがとうございます
最新の報告では、急性水様性下痢症の発生件数が増えています。ひどい雨が降った後には、トイレや不完全な排水路から汚水が流れ出し、一層、不衛生な状態になっています。これは、蚊を媒介とする病気(マラリアやデング熱)の発生を高めるだけでなく、汚染された水を利用して重篤な下痢症状や脱水をきたす人が増えることが懸念されます。特に、コレラ発生のリスクが深刻で、保健分野の支援団体は、対応を行っています。
心配されるのは、精神的な疲労や不安、慢性的な倦怠感、症状が現れにくい慢性疾患、人口密度の高い不衛生な環境が要因となる感染性疾患、などではないでしょうか。
研修では、まず地域で活動するボランティア(コミュニティ・モビライザーとユースメンバー)が、本事業の目的や役割を知るところから始めます。自分たちの活動が、どのように地域に貢献するか、またどのように地域住民の参画を得ながら、一緒に活動するかを考えます。
次に、支援する地域の特徴や、最も支援を必要とする脆弱な人々がどこに暮らしているかなどを把握するため、コミュニティ・アセスメントを行います。コミュニティ・アセスメントのツールはたくさんあるのですが、例えば、季節毎のカレンダーを作成し病気の流行シーズンを知ったり、コミュニティ・ハザードマップで、災害などのリスクが高い地域を確認します。地域をよく知ることで、効率的で効果的な支援が届けられるようになります。
次に、ボランティア(コミュニティ・モビライザーとユースメンバー)は、地域住民に健康教育を行うのに必要な、知識と技術を学びます。例えば、下痢や脱水症状、けがや出血の応急処置、ショックなどの危険な徴候、家族計画、安全な妊娠と出産などについて学び、どのようなキーメッセージを地域住民に届けるか、どうしたら、地域住民の健康行動をより良くできるかを考え、健康教育を行うスキルを身に付けます。彼らは、医療者ではないので、医療行為はできません。しかし、すぐに医療施設に搬送すべき状態や家庭でできる応急処置などを理解し、住民にきちんと指導することができれば、適切な判断と対応につながります。例えば、先日の研修では、けがの手当てについて、三角巾で包帯を巻く方法などを練習しました。
- コミュニティの中で、保健衛生・災害知識の伝達を行うプロモーターとしての役割を担うこと
- 同年代の青少年や子どもの役割モデルとなって、正しい知識・態度・行動を波及すること
- 彼ら自身、健全な活動機会を得て、コミュニティでの将来的な役割を見出すこと
などを、期待しています。
家に引きこもったり、そのことで暴力被害の対象となるリスクを低くする、隠れたねらいもあります。
本プロジェクトのロヒンギャ・ボランティアたちは、自身も大変な状況にありながら、周囲の人々を支え、地域を良くしようと頑張っています。健康的で安全な地域づくりの為に、日々活動している彼らの仲間を増やし、自助活動を続けていける仕組みを整えられたらいいなと思います。そのために、本プロジェクトではユースを育成します。