自己紹介
岩手県盛岡市出身の藤澤 貢です。現在、フリーランスのカメラマンをしております。30年以上広告会社で働いていました。コマーシャルからWEBはもちろん、イベントまで、企画から実施まであらゆることを営業という立場でやっていました。しかしながら、いつかは自分の手で企画から最後まで完成させたい、との思いがずっとあり、昨年早期退職し、フリーランスとなりました。今後は、コミュニケーションスキルを活かしたカメラマンの活動していきます。自ら企画し、写真、動画を作る、そして公開する。Focus on your Dreamsというコンセプトで、たくさんの人の夢をかなえたいと思います。
今回のプロジェクトもそのひとつであり、故郷岩手への恩返しの始まりとなります。
このプロジェクトで実現したいこと
とにかく、同郷である、岩手県・盛岡市出身の写真家、渡辺克巳という人とその仕事を、しっかり地元の人に伝えたいです。
昭和40年代、写真を撮る人なら、渡辺克巳さんを、あるいは渡辺さんが撮影した「新宿」の写真を知っている人は多いと思います。1973年、32歳の時、「カメラ毎日」のアルバム賞を受賞します。それは、26歳から新宿で始めた「流しの写真屋」で撮った写真に、かの森山大道さんが驚き、新しい写真家を発掘していた「カメラ毎日」に紹介したことがきっかけだったそうです。1974年の荻窪の個展に集まり、青森出身のマルチクリエーター寺山修司さんや、大御所写真家のアラーキーこと荒木経惟さんのコメントが残っていますが、度肝を抜かれた様子が伝わります。そう、すごい写真がここにあると。
しかし、写真界以外で、渡辺克巳さんを知る人はまだまだ多くはありません。私はその理由の一つに、強烈な個性を放つ被写体に関係していると考えています。当時は「多様性」という言葉もありませんでした。著作を読めば、渡辺克巳さんと写真を撮られた方の間には単なる写真を撮られる以上の関係がある、お互いの理解があることが渡辺さんの文章からわかります。しかし、写真だけをみせられた場合、強い被写体の印象が強いようだとは何人かの方と話をして感じたことです。
一方で、渡辺さんは「僕の写真をじっくり見てほしい」と語っていたそうです。写真を託された奥様の小泉悦子さんも、基本的には見る方にそう希望されていると思います。あらためて、みれば見るほど、色々なものが見えてくる写真だな、と最近本当に思います。
今回の展示では、「新宿1965-97」より、渡辺克巳氏自身の文章を抜粋することで、初めて見た方でも、撮影された時代と氏のパーソナリティを想像できるようにしたいと考えています。そのため、撮影年代、その時の年齢、時代背景などを記載したボードを設定予定です。
まず写真だけを見てみていただく。その後、テキストも含めて、氏の使ったカメラや雑誌の仕事、映像もみていただき、さらにその時代と渡辺克巳氏の想いにも触れることができる。このようにして、昭和時代の貴重な記録としての写真の紹介と同時に、それを撮った渡辺克巳という人間も知っていただきたい、ということです。
特に、今回の展示は、渡辺克巳が20代で「流しの写真屋」になったばかりの作品、原点を展示します。そういう意味では、渡辺克巳の青春記ともいえるものです。若い人たちにも、ぜひご覧いただきたいと思っております。
そして、今年、2025年、昭和100年、戦後80年。
先行き不安な今だからこそ、
渡辺克巳の写真、生き方、写真に込めたものを、今、この言葉とともに多くの人に知らせたいと思います。
「世の中に悪い人はいません。悲しい人がいるだけです」
【写真 左】30歳頃の渡辺克巳 撮影:大坪正己
【写真 右】1973年、焼きいも屋時代の渡辺克巳 撮影:吉村光男
※「新宿1965-97」(下記の写真 上)は、数多くの名著はもはや数万円~プレミアがつき、一般の方が手に取ることは難しくなっています。そのため、手に入れやすく、まず渡辺克巳を知るための良書であり、仕事、生涯、仲間の寄稿が一冊にまとまった「新宿、インド、新宿」(下記の写真 下)を、クラウドファンディングのリターンとしてご用意しております。
「新宿1965-97」
「新宿、インド、新宿」
プロジェクト立ち上げの背景
2017年秋、高校の先輩である紀章さんにさそわれて行った新宿ゴールデン街のお祭りで、壁いっぱいにプロジェクションされていたモノクロのポートレート写真、それが渡辺克巳さんの写真との出会いでした。(ここからは、あえて「渡辺克巳さん」と呼ばせていただきます)
ほどなく、渡辺克巳さんの奥様の小泉悦子さんにもお会いしました。紀さんと渡辺克巳さんのお子さんは小学校の同じクラスだったそうです。ただ、紀さんが当時渡辺克巳さんにお会いすることはなく、偉大な写真家であったことを知るのは、亡くなられた後だったそうです。
小泉悦子さんからは、「渡辺克巳さんの生まれ故郷である岩手で写真展をするのが夢だ」と聞かされました。そこから、このチャレンジは始まります。
2017.12 高校同窓会での写真展示にて 渡辺克巳写真 5点 を展示する
左より、藤澤、佐々木、小泉、紀
私も生まれは岩手県盛岡市ですが、高校卒業後は関東に住んでおり、まったく盛岡の写真関係には疎いため、いくつかの展示会などでの参加を模索しましたが、なかなか実現はかないませんでした。
そうこうする中で、偶然NPOいわてアートサポートセンター坂田理事長チームとの出会いがありました。
坂田理事長は、ご自身大学時代には東京にて演劇活動をされており、当時の新宿の雰囲気をわかっていらっしゃる方でした。NPOいわてアートサポートセンターは、その名の通り、街の文化、芸術のサポートをする団体であり、かつ坂田理事長を中心とした演劇集団でもあり、理解をしていただくのに時間はかかりませんでした。令和7年・2025年は、昭和100年であり、戦後80年でもあります。NPOいわてアートサポートセンターが管理・運営を委託されている、もりおか町家物語館での2025年のテーマは「昭和」。令和のこの時代に、古くも温かみのある「昭和」を振り返るテーマに、渡辺克巳さんの「新宿」の写真は合致したのでした。
加えて、展示会場のもりおか町家物語館 大正蔵は、元岩手川(日本酒の銘柄)の酒蔵でした。
渡辺克巳さんは盛岡の古くからの繁華街、八幡町生まれで、しかもお酒が大好き。
渡辺克巳さんにもっとも似合う会場が見つかったのも、さらなる幸運でした。

2025.1.14 NPOアートサポートセンター坂田理事長チーム + 小泉チーム キックオフ
もりおか町家物語館にて 渡辺克巳さんにちなんで、モノクロでの記念写真。
坂田理事長のご尽力で、賛同していただける方もさらに増え、実行委員会を結成できました。
渡辺克巳さんが残した貴重なオリジナルプリント、約1000点から厳選した54点。
使っていたカメラや小道具、貴重な写真集もそろいます。
しかし、小泉さん・紀さん・藤澤の主要メンバーが全員岩手県外という事実に直面します。
また、実は、この3人だけでは、渡辺さんが流しの写真屋をしていたころを誰も知らない、語れないことも事実でした。
しっかり岩手チームと直接顔を合わせて連携し、質の高い展示を実現すること。
特に、事前・本番と、小泉さんにも盛岡までかけつけていただく必要があること。
さらに、渡辺克巳さんを知る仕事仲間においでいただき、若き渡辺克巳さんを語っていただくこと。
それらをクリアし、地元岩手盛岡にふさわしい展示を実現するため、クラウドファンディングを立ち上げることとしました。
現在の準備状況
写真、全54点については、テスト展示が無事終了し、
カメラや使用機材、動画等のリスト作成、精査をしております。
報道各社より、情報が発信されることも間近となっております。
2025.6.23 テスト展示の様子
リターンについて
お礼メッセージ、ポストカード、希少本「新宿、インド、新宿」をリターンとさせていただきます。
発送は下記の通りで、クリックポストを予定しております。
詳しい内容は、リターンの項目をご覧ください。
渡辺克巳 公式HP・SNS
公式HP 写真家・渡辺克巳
関連ニュース
公式Facebook 渡辺克巳フォト
公式 X 写真家・渡辺克巳
関連ニュース
公式Instagram
Watanabekatsumiphoto
スケジュール
7/30(水) プロジェクトスタート
9/16(火) プロジェクト終了
9/24(水) リターン発送
10/1(水) 渡辺克巳写真展 スタート
10/4(土) トークショー開催
小泉悦子(渡辺克巳夫人)
大坪正己(ハッピースタジオ 共同経営者) 他、ゲストを予定しております。
11/3(月・祝) 渡辺克巳写真展 終了
最後に
「世の中に悪い人はいません。悲しい人がいるだけです」
この言葉は、実は渡辺克巳さんが息子さんに残したものです。
あなたはどう思いますか。
本プロジェクトにご賛同いただき、是非、じっくり写真をみていただきたいと思います。
渡辺克巳さんがこだわって焼いたオリジナルプリントは、美しいという表現がふさわしいです。
特に肌色の階調の豊かさはWEBや印刷物では伝わりませんね。
渡辺さんの焼きは手早く、器用に覆い焼きなどをされたそうです。直に見ていただきたいポイントです。
渡辺克巳写真展 実行委員会 (五十音順)
阿部 正樹 (元IBC岩手放送 代表取締役会長)
井手 清和 (岩手県写真連盟 会長)
鎌田 英樹 (IBC岩手放送 代表取締役会長)
川村 公司 (岩手日報社 代表取締役社長)
紀 章 (元モーターサイクルデザイナー)
小泉 悦子 (渡辺克巳夫人 作品、著作権管理)
坂田 裕一 (NPO法人いわてアートサポートセンター 理事長)
柴田 和子 (一般社団法人岩手県芸術文化協会 会長)
中村 一郎 (岩手県立盛岡第一高等学校 白堊同窓会 会長)
藤澤 貢 (フリーランスカメラマン)
松本 伸 (岩手県広告写真家協会 会長)
松本 静毅 (カメラのキクヤ 代表取締役)
盛合 なおと (もりおか町家物語館 館長)
谷村 邦久 (盛岡商工会議所 会頭)
写真展概要 渡辺克巳写真展「新宿 1965-1979」
主催 NPO法人いわてアートサポートセンター
渡辺克巳写真展 実行委員会
期間 10月1日(水)~11月3日(月) 10/4(土)トークイベント
場所 もりおか町家物語館 大正蔵 2階 時空の展示室
〒020-0827 盛岡市鉈屋町10番8号 休館日 10月28日(火)は休館日
℡ 019-654-2911
開館時間 9:00-19:00(最終入場18:30)
入場料 前売券 一般600円 中学・高校生 300円
当日券 一般700円 中学・高校生 400円
小学生以下は無料
前売り券取り扱いプレイガイド もりおか町家物語館 もりおか啄木・賢治物語館
最新の活動報告
もっと見る11/3(月・祝)、渡辺克巳写真展、大好評のうちに幕を閉じました
2025/11/11 21:39ご報告が遅くなり、申し訳ございません。無事に岩手初開催の渡辺克巳写真展は終了をいたしました。1000人をはるかに超えたお客様、北は北海道から、南は九州まで、はるばるこの写真展にいらっしゃいました。そして、そのほとんどの方が、渡辺克巳さんの写真をじっとみて、何かを感じ、そしてお帰りになりました。ご支援をいただいた皆様には、あらためて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。あらためて、今回の写真展について、ご報告をするつもりです。いましばらく、お待ちください。今後とも、よろしくお願いいたします。 もっと見る渡辺克巳写真展、11月3日(月・祝)までとなりました。
2025/10/27 13:45おかげさまで、たくさんの方に見ていただくことができました。岩手県でほとんど渡辺さんの名前も、写真も知る人がいませんでした。でも、先日盛岡のとあるお店で、「渡辺克巳、行った?」という会話を耳にしました。行くべき写真展として、少しずつ認識されていっているのですね。うれしかったです。この後写真展は、しばらく開催の予定がありませんので、最終日をお知らせする動画をまとめてみました。各SNSで配信しています。写真展動画 11月3日(月・祝)までもしよろしければ、拡散をお願いします。昭和100年、戦後80年の今年、戦後と高度成長が交差する昭和40年代から新宿を30年以上撮り続けた、渡辺克巳。 生まれ故郷岩手で、ほとんど誰もその名前を知らないにも関わらず、静かに今日も写真を見て、何かを感じてくださる人がまた一人、県外からもまた一人、また一人。 いつの間にか、感想ノートも何ページにもなりました。 11月3日(月・祝)で、写真展は終了します。最終日には、渡辺克巳夫人・小泉悦子が皆様をお迎えします。 昭和の白黒写真に写っている、優しい気持ちを感じていただきたいと思います。 もりおか町家物語館 https://machiya.iwate-arts.jp/それでは、あと1週間、より多くの方が、写真をみて、渡辺克巳さんを知っていただけますように。 もっと見る【お知らせ】10/18(土)午後は、紀、藤澤とも不在となります。
2025/10/16 21:57同窓会出席のため、紀、藤澤とも、10/18土曜日12時より、不在となります。逆に、9時から12時まではおりますので、もしどちらかを訪ねていらっしゃる方は午前中にお願いできればと思います。写真展自体は、通常通り、9時〜19時までとなります。それでは、よろしくお願いします。 もっと見る







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