
大学の授業で映画『カミングアウトジャーニー』を鑑賞しました。観終えた後、学生たちが口々に語ったのは、あるセクシュアリティやHIVや依存症とともに生きることと自分自身を照らしたうえで、そこから自身の経験としても感じ取った「誰にも言えないことを抱えながら生きる孤独」でした。だからこそこの作品は、当事者だけの物語ではなく、私たち一人ひとりに「社会とどう関係を結び直すのか」を突きつけます。カミングアウトは単なる告白ではなく、痛みと向き合いながら関係を育て直すための実践技法の一つ。映像を観ていなかった人でもわかるようなこの作品の背景や揺れ含む内容を、言葉として残し社会に届ける『カミングアウトジャーニーマガジン』の挑戦、心から応援します。
大島 岳(おおしま がく) …明治大学 情報コミュニケーション学部 教員/社会学
社会学者。生活史・オーラルヒストリー研究を専門とし、ジェンダーやセクシュアリティ、表現実践や社会運動を研究。



