こんにちは。Cerevo開発チーム活動報告その5です。
今日はHintが採用しているBLEビーコンについて解説します。
BLEは、BluetoothスピーカーやBluetoothキーボードでも使われているBluetoothのバージョン4として決められた規格で、「Bluetooth Low Energy」の略称です。とても消費電力が低いのが特徴で、最近のスマートフォンはBLEに対応している製品が多いため、スマートフォン周辺機器などで多く用いられています。
ビーコンとは、電波や電磁波、赤外線などの無線を用いて情報を送る、「無線標識」と呼ばれる仕組みです。無線LANや携帯電話とは違い、情報を発信する位置に関連した情報を送る点が特徴です。道路交通情報をカーナビに送る「VICS」は、ビーコンの代表的な技術例です。
つまりBLEビーコンとは、BLEの仕組みを使ったビーコン技術、ということです。
Hintでは、Googleが作ったBLEビーコンの規格である「Eddystone」という技術を使っています。このEddystoneの最大の特徴は、ソースコード(コンピュータの言語を用いて書かれたプログラムのこと)がインターネット上に公開されていることです。これにより参入障壁が低く、誰でもこの技術を使うことができます。
この技術を使うと、Hint本体の周辺へ任意のURLが含まれたBLEビーコンの信号を送ることができます。Bluetoothというと、スマートフォンなどの機器でペアリング操作が必要だったり、1つの機器でしか使えないというイメージを持たれるかもしれませんが、BLEビーコンは、電波の届く範囲であれば、ペアリングの必要はなく何台でも情報を受け取ることができます。
例えばお店のWebサイトや写真、動画などのURLをBLEビーコンとして送信することで、ビーコンのそばにいる人がそのURL情報を受け取る、という使い方ができるのです。しかも、Googleが開発したEddystoneという技術を使っているため、Androidスマートフォンをお持ちの方であれば特別なアプリをインストールする必要はありません。iPhoneなどのiOS端末でもGoogleのブラウザアプリ「Chrome」をインストールするだけで使うことができます。
さらにHintは、BLEで発信するURLをDTMF音(※開発日記その3参照)を使って、後から書き換えることができます。
ビーコンの内容をあとから書き換えることができるということは、DTMF音を鳴らすたびに、性質の違うさまざまなURLを配布することができる、ということです。例えば、ラジオ番組の中で撮影された写真のURL、パーソナリティやゲストが出演している映画のトレーラーのリンク先などを、Hintをお持ちの方へ配布できるようになります。
上の写真は実際にHintから、吉田アナのTwitterアカウントをBLEビーコンで配布し、それをiPod touchで受信している様子です。Chromeアプリがインストールされていれば、アプリを立ち上げておく必要もなく、待ち受け状態のままURLの通知を受け取ることができます。
この機能を搭載したHintは、ラジオの進化の形の1つと言えるでしょう。
いよいよクラウドファンディング期日まであと2週間となりました。皆様のますますのご支援を何卒宜しくお願い致します。