皆様、ご支援ありがとうございます!
おかげさまで勇気を持って本プロジェクトを進めていくことができております。
先般、モロンタ氏のインタビューを実施しましたのでこちらにて共有させていただきます。
1|音楽家としての専門分野について
Q1.オーボエ奏者として、特に大切にしている表現やレパートリーについて教えてください。
私の考えでは、出発点となるのは、私たち自身を「歴史的・社会文化的な文脈を持つ主体」として捉えることです。その文脈が、私たちの在り方、嗜好、価値観を規定しています。この視点から、私は自分を単なるオーボエ奏者としてではなく、観客や研究者、他の芸術分野や学術分野、ポピュラー音楽の領域、そして他の演奏家たちと橋を架けようとする「芸術家」「音楽家」として捉えています。したがって、私見では、音楽家としての訓練は、伝統的レパートリーにおける純粋に技術的・解釈的な要素を超えるものである必要がありますし、音楽以外の領域を含むさまざまな「場(シーン)」と結びつくことができなければならないと思っています。もちろん、バロック、ギャラント様式、古典派、ロマン派、そして20世紀初頭には、オーボエのための重要で美しいレパートリーが存在します。しかし、それを超え、そのレパートリーを拡張していくことは、私たち新しい世代の責任です。その意味で、ハインツ・ホリガーは、過去も現在も、この方向性における極めて重要な参照点であると考えています。
Q2.現代音楽に深く関わるようになったきっかけ、またその魅力をどのように感じていますか。
まさに先ほど述べた理由によります。絶え間ない探求、研究、そして伝統との断絶。それが出発点でした。オーボエ演奏という観点に限定して見ても、20世紀後半には素晴らしいレパートリーが存在します。ベリオ、マデルナ、ドナトーニ、カーター、デニソフなど、多くの作曲家が、私たちの楽器のために卓越した協奏曲や作品を書きました。これらの作品は、技術的に難しいだけでなく、解釈の面でも非常に高度です。そこでは、いわゆる「運動能力」に支えられたロマン派的ヴィルトゥオジティとは異なる次元が求められます。1960年代以降、ヴィルトゥオジティは、倫理や政治が音楽的提案の中心をなす、社会的責任を伴った知的行為となりました。こうした理由(そして他にも多くの理由)から、私はこの世界に関わることを選びました。技術的・知的要求の高さ、新しさ、音楽家と聴衆の関係における根本的な変化、他分野との連関、絶え間ない探究。
美しい世界です。確かに複雑ですが、私は挑戦が好きなのです。
2|ベネズエラの学習環境と音楽教育
Q3.ご自身が育ったベネズエラの音楽教育環境について教えてください。
私は、民族舞踊やポピュラー音楽が中心にある環境の中で音楽と関わり始めました。その後、正式には子ども合唱団と音楽幼稚園で学び始めました。これは4歳の頃です。常に文化と接していました。これは非常に重要なことでした。9歳になる頃には、すでにオーボエを演奏することを決めていました。旧ソ連諸国や旧ユーゴスラビアなどから来た教師たちに学びました。彼らは非常に優れた音楽家であり、卓越した教育者でした。その後、高等教育に進み、私の主科のクラスには、この35年間、国内におけるオーボエ教育の第一人者である人物がいました。リカルド・リベイロです。彼はバーゼルでオマール・ゾボリに、フライブルクでハインツ・ホリガーに師事していました。新鮮なアイデアと強い教育への情熱を持っていました。私は信じられないほど、そして唯一無二の幸運に恵まれていました。
また、ヨーロッパ、アメリカ、ラテンアメリカ各国から多くの教師が訪れ、指導を行っていました。その後、私はヨーロッパに留学しますが、それはまた別の話です。要するに、ベネズエラにはすべてがありました。幸運なことに。
Q4.世界的に知られる音楽教育システム「エル・システマ」は、音楽家や社会にどのような影響を与えたとお考えですか。
エル・システマの最大の遺産は、いわゆる「アカデミック音楽」「クラシック音楽」を大衆に開放したことです。かつてこの音楽は極めてエリート主義的で、特権的な少数者や教育へのアクセスを持つ人々しか触れることができませんでした。エル・システマはその空間を開き、この分野における社会的格差を縮めました。この変化は本質的なものです。音楽の包摂と民主化が実現しました。今日では、社会的・経済的に極めて困難な状況にある中で、何千人もの若者が楽器を演奏しています。これが最大の遺産です。もちろん、どんなプロジェクトにも改善の余地はあります。まだ多くの課題があります。今後は、これを包括的な教育プログラムへと発展させていく必要があるでしょう。しかし全体として、何千人もの子どもや若者が参加し、その家族も巻き込み、地域社会に直接的な影響を与えてきたことは、我が国の社会的・政治的世界観において持続的な貢献であると私は考えています。
3|音楽と社会の関係について
Q5.音楽が社会や人々の日常生活に果たす役割をどのように考えていますか。
音楽は私たちの人生そのものです。音のない人生など想像できません。この意味で、音楽は喜びであり、平和であり、結びつきです。同時に、個人レベルであれ、より複雑な社会的文脈であれ、現実を変革するための基本的な手段でもあります。私は常に社会的・政治的な意識を持ってきました。世界は変わらなければならない、より良くならなければならないと信じています。音楽の中に、まず自分自身を変え、そこから他者へと連帯の手を差し伸べるための手段を見出しました。音楽には並外れた力があります。それを前向きな変革のためにどう使うかを知ることが重要なのです。
Q6.演奏活動と教育活動は、ご自身の中でどのようにつながっていますか。
あらゆる創造的プロセスには、研究と継続的な学びが伴います。私は自分を生涯学習者だと考えています。現代音楽はそのレベルの献身を要求します。
教育においても(私は日々20名近い学生を指導していますが)、同じ姿勢で臨んでいます。一貫した労働倫理を確立すること。理論と実践の統一。情熱と人格。
私は「良い仕事」をすることを愛しています。音楽は卓越性と質をもって作られるべきですが、同時に社会的・文化的な意義を持ち得ます。これらの価値観が、私の進む道標なのです。
4|日本との関係と文化への関心
Q7.今回の来日にあたり、訪れてみたい場所や体験したい日本文化はありますか。
ベネズエラの文化は、先住民、アフリカ、ヨーロッパの影響が混ざり合ったものです。これは私に大きな影響を与えました。私はアカデミックな音楽家ですが、サルサ(アフロ・カリブの影響が強い音楽)も大好きですし、アマゾンの熱帯雨林の音にも強い関心があります。この意味で、私は常に新しい形や内容を探求することに対して開かれてきました。日本は、その文化と歴史において非常に興味深い国です。偏見なく学びたいと常に感じてきた国であり、まだ訪れたことはありませんが、深く尊敬し、敬意を抱いています。現代音楽においては、武満徹は私が最も強く共感する作曲家の一人です。彼の音楽に魅了されています。また、細川俊夫、岸野末利加、そして幸運にも共演の機会に恵まれてきた友人・高木ひなこさんの音楽にも強く惹かれています。できるだけ多くの歴史的・文化的場所を訪れたいですし、自然や食文化も体験したい。日本を本当に知ることができたら、それは夢の実現です。
Q8.特に興味のある日本食はありますか。
日本料理は私の大好きな料理の一つです。刺身や多様なラーメンが大好きです。本物の寿司、うどん、そば、天ぷら、とんかつ、焼き鳥、たこ焼き、お好み焼き、カツ丼をぜひ味わってみたい。文化、人々、そして国は、その食べ方によって理解できるものだと思います。
5|高木日向子の音楽について
Q9.初めて高木日向子さんの作品を演奏したときの印象を教えてください。
まず言いたいのは、2019年にジュネーヴ・コンクールで受賞した《オーボエ協奏曲《L’Instante》》を聴いたとき、非常に強い感銘を受けたということです。すぐに彼女に連絡を取り、一緒に何かできないかと話しました。その後、彼女は私のためにオーボエ独奏曲《Lost in ______ II》を書いてくれ、2020年にスイスで初演する喜びに恵まれました。文化、時差、言語の違いを超えて互いを知り、音楽を演奏し、友情を築くこのプロセスは、連帯によって協働し、次世代に真の選択肢を示す、より良い世界を築くために極めて意義深いものだと感じています。日向子の音楽は真にオーセンティックで崇高です。技術的要求は非常に高いですが、最大の要求は「心で演奏すること」です。それこそが、私が彼女の音楽と作曲家としての仕事において最も大切にしている点です。
Q10.高木さんの作品を演奏する際、特に意識している点はありますか。
先ほど述べた通り、ひなこの音楽は真にオーセンティックで崇高です。私のために書かれた《Lost in ____ II》を初演するにあたっては、卓越性を達成するために多くの練習時間を要しました。しかしそれは同時に、美しさを探し求め、身体で音を感じ、魂と共鳴するための濃密な探求でもありました。私はこの音楽を心から楽しんでおり、彼女の作品と向き合うたびに、自分自身を再定義しています。日向子、これほど特別な音楽を生み出してくれてありがとう。
6|現在と未来の音楽
Q11.急速に変化する現代社会において、音楽を続けることはあなたにとってどのような意味を持ちますか。
今日の世界で音楽に身を捧げることは、抵抗の行為であり、贖いの実践であり、誇りをもって享受できる特権です。多様な美学を世界のさまざまな場所、さまざまな聴衆に届けることができることを、私は心から幸せに思っています。この道を諦めることはありません。謙虚さ、情熱、質、誠実さをもって向き合うならば、音楽は現代世界に対する真のオルタナティブとなり得ます。
Q12.音楽を学び始めたばかりの若い人たちへメッセージをお願いします。
音楽の道を、自由、精神的救済、そして人間存在の再解釈として受け入れてください。この道は確かに困難で、険しいものです。しかし、複雑でない人間の人生などあるでしょうか。戦争、干ばつ、排除に苦しむ人々を思い、その姿を自分自身に重ね合わせてみてください。音楽は、その複雑さを理解したうえで向き合うなら、最後まで歩む価値のある美しい道です。愛をもって取り組めば、すべてはきっとうまくいくでしょう。
7|日本の聴衆へのメッセージ
Q13.来日公演を楽しみにしている日本の聴衆へメッセージをお願いします。
高木日向子の素晴らしい音楽とともに、演奏家としての私の仕事を皆さんと分かち合えることを、心から楽しみにしています。それを、この美しい国・日本で行えることは、さらに大きな喜びであり、私にとって大きな名誉です。今は夢想しているような気持ちです。私たちは、歓びと美的体験を祝う、素晴らしい文化交流を実現するでしょう。





