
日本のフィギュアメーカー「海洋堂」が主催するフィギュア・造形の祭典「ワンダーフェスティバル」では毎回3人の造形師が、審査員によって「ワンダーショーケース作家」として選ばれる。とても名誉なことで、フィギュア造形師の誰もが憧れる。なんと、ウルトラモデラーズには、今年の夏のワンダーショーケースで選ばれた3人のうち2人の造形師が加盟しているのです!今日ご紹介するのは、そのうちのお一人、「クッキー草」氏。" 他に類を見ないレベルに基づく空間構成能力の高さ台湾からやって来た「驚くべき新たな才能」" と海洋堂のオフィシャルWSCページでも紹介される彼と、わたくしワクイとの最初の出会いはもう5年ほど前、、、だったと思います。わたしが講師を務める大阪総合デザイン専門学校で、フィギュア造形を学ぶため台湾からきていた「クッキー草」さんと出会いました。いくつかのデジタル造形の課題をとても丁寧に、繊細に作り上げ植物、メカ、なんでもチャレンジする意欲的な学生さんでした。もちろんデジタルの造形だけでなく、アナログ的な粘土を使った造形でも空間構成の美しい作品を仕上げていました。もし卒業してからも日本に残ることができるようなら、ぜひ一緒に仕事をしたいと思いましたし、作品にも現れる溢れる熱意と誠実さがあれば、きっと日本でも成功するはず!!と思っていました。ですから、今回ウルトラモデラーズとして同じプロジェクトを共有させていただき、作品が生み出される様子の傍にいられることが、とても幸せでした。講師でだったわたしを軽〜く飛び越え、メキメキと力を発揮して活躍していく様子をみることに喜びを感じ、こちらも頑張るぞ!!と思わせてくれる彼とは、これからも何か一緒に楽しい企画を共有したいと思っています。以下は、クッキー草さんがワンダーショーケースで語ったコメントを転載させていただいております。------------------------------------------------------------------------------------どうも初めまして、クッキー草の王と申します。 人気の高いキャラクターはワンフェスでたくさんの人に作られています。もちろん、それを見ることもおもしろくて楽しいですが、自分が作るなら、もっとめずらしくてかわいいものを作りたいですね! 今回の作品は長い時間を要して不思議な経緯で生まれました。これもひとつの縁と言えるでしょう。元絵のイラストがすごかった! すごく長い時間苦労しましたが、そのおかげで造形技術もかなり成長しました。髪の毛と服のシワを作るのがすごく楽しかったです。完成後に見えなくなってしまうところまで一生懸命作って、バカみたいですが、そうしないと納得できませんね。 イラストは平面なので、見る角度はひとつしかないです。せっかく立体化するなら、どの角度からでも格好よい作品に見えるようにと思い込んで作りました。 『ワンダーショウケース』に選ばれたのは本当にうれしかったです。日本に来て1回だけでもいいから、夢を見たいと思った──でも、日本での就職は外国人にとってなかなか難しいです。日本で就職が失敗し帰国して台湾で普通のサラリーマンになる可能性が高いと思っていましたが、まさかいま、夢のひとつが叶いました。 いま思い出しても、本当に不思議なことと思います。ここまで辿り着いたことに対し、周囲の人にたくさん感謝しています。本当にありがとうございました。これからも、がんばって作り続けます!------------------------------------------------------------------------------------海洋堂のオフィシャルWSCページhttp://www.wondershowcase.com/wsc_archives/wsc094_new.html「クッキー草の王」氏のtwitterはこちら! https://twitter.com/manahui画像は、中央が3DCG版の「天道様」左が、3Dプリントして、シリコンで型取り、複製して手塗り彩色した作品。右が、現在ミマキエンジニアリング社製のフルカラー3Dプリンターによって、試作調整が繰り返され、最高の出力作品に向かって進化中の「天道様」。11月23〜25日に大阪・日本橋のボークスで開催される「ウルトラモデラーズ」の展覧会では、このフルカラー3Dプリンターで造形された作品のラージサイズ完成版をご覧いただくことができます。 最後までお読みいただきありがとうございました!ウルトラモデラーズ発起人 ワクイアキラ