初めまして、みなとメディアミュージアム(以下、MMM)実行委員会代表の浅野嶺と申します。僕は、慶應義塾大学総合政策学部に通う大学3年生です。
僕たちは、茨城県のひたちなか海浜鉄道湊線沿線地域にアート作品を展示するアートイベント「MMM」を毎年8月に開催しています。慶應義塾大学、明治学院大学、千葉大学、宝塚大学、また茨城県の常磐大学の学生が主体となって、地域の方々の協力の下MMMを運営しています。
活動地域では、鉄道廃線の危機、3.11の地震と津波、風評被害、店が減った商店街、人口減少などの問題が重なり、まちの元気が失われていました。
そこで僕たちはMMMを通して、湊線沿線とそこに住まう人々がより元気になっていくことを目指して活動しています。
MMMは、那珂湊駅を中心にまちなかの様々な場所にアート作品を展示させて頂き、「まちを美術館にする」というプロジェクトです。地域内外から芸術家を公募し、「まちを伝えるメディア(媒体)」となるアート作品で街を彩ります。他にも小学校でアートの特別授業を行ったり、市と協力してまちなかの観光案内板のリニューアルを行ったりと様々な活動を行っています。
「文化があるけど文化がない」まちを変えたい
まちの方々から聞いたのは「このまちには文化があるけど文化がない」という言葉。このまちでは昔から色々なものを大切に保存して文化を作り上げてきましたが、その魅力に気づいている人が少ないというのです。MMMで作品を展示する場所のひとつ、百華蔵は、約60年前に作られた風情ある石蔵です。那珂湊の歴史を受け継ぐ蔵は、東日本大震災でも無傷であったのにも関わらず、解体する予定になっていました。もったいないということでMMM2012で展示会場として使用させていただいたところ、その後もコミュニティスペースとして蔵を残すことになりました。湊線周辺至る所にアート作品が出現することでまちに新たな色を付け加え、いつもとは違う視点から見ることで素敵な部分に気づいてもらえたのではないかと考えています。
更に、地域の将来を担う子どもたちとも活動を行っています。そのひとつが去年から継続して行っている、ひたちなか市立那珂湊第一小学校での出張ワークチョップです。小学生がアーティストさんと一緒に地域の魅力を伝える作品を制作します。未来を担う子どもたちに地域貢献活動を体験してもらい、まちへの愛着を持ってもらうことで、今ある文化をこれからも大切に受け継いでいって欲しいと思っています。
地域にあるまちづくり団体をMMMがつなぐ
地域には大きく分けて、「鉄道」「商店街」「市場」という3つの団体があります。それぞれまちづくり活動を行っていますが、MMMの特徴は「他のまちづくり団体と役割がかぶっていない」ということだと考えています。 よそ者の自由な発想を持った学生が、MMMというイベントの開催に向けて地域の三団体を巻き込むことによって、今までなかった三団体の交流を新たに創出しています。
これらのイベント準備期間は学生が地域の方々と真剣に話し合っていく中で社会性を身につけ、自分自身の将来について考える貴重な場となっています。また地域の方々にとっては「自分が生まれ育ったまちのために何かしたい!」という思いの実現の場となり、学生のように目をキラキラさせてMMMの準備を一緒に進めています。
地域に浸透するMMM
MMMでは毎年、出展作家の中でコンペティションを行っています。昨年のMMM2015では、東日本大震災で被災した那珂湊の懐古館の柱をアート作品として再生、まちの名物を取り入れた絵が彫り込まれた柱を製作した、田中彰さんが大賞を受賞されました。そんな田中さんは、今も地域に住み製作活動を行っています。MMMを通して、芸術が地域に浸透していっているのです。
また、僕たちの活動がいばらきデザインセレクション(ソーシャルデザイン部門)に選定されたり、 MMM2009作品の湊線駅名標が「グッドデザイン賞」を受賞し、中学校の美術の教科書に掲載されたりと、地域の魅力を発信することにつながっています。
MMMをパワーアップさせ、地域をもっと元気にしたい!
学生主体のイベントであるため、安定した活動資金を得ることが難しいという現状があります。地域と学生がより密な連携を図るための交通費や、もっと多くの人にMMMのこと、湊線沿線の魅力を知ってもらうための広告費など、イベントを開催するにあたってお金が必要です。地域の方々や地元企業から協賛を頂いて活動を行っていますが、限られた資金の中でやりくりして運営しています。
そして、今年から新たに始めたことが二つあります。ひとつは作家さんへの制作支援金の支給です。これまで出展作家さんには、制作費を全てご自身で負担していただいていました。しかし、湊線沿線の魅力を引き出し、地域を元気にして欲しいというMMMのコンセプトに賛同し、より良い作品を作っていただくために、MMM側から支援をすることになりました。より地域の魅力が伝わる作品が展示できることは、地域をもっと元気にするというコンセプトの実現につながると考えています。
また、会期中の様子をまとめて形として残すために、記録集を作ることになりました。これまでパンフレットは作っていましたが、会期前に作成するため、イベントの様子を形に残すことはできていませんでした。記録集によってイベントを開催した証が残ります。MMMの活動内容を広く理解してもらい、そして、これから9年目、10年目を迎える足がかりにしていきたいと思っています。
これら新しい取り組みを通してMMMをもっと地域に「浸透」させ、イベントを盛り上げていくにあたって資金が必要です。
どうか僕たちに力をおかしいただけないでしょうか。
▼リターン
「3,000」
・学生スタッフからのお礼メッセージ
・MMM2016 記録集
「¥5,000」
上記リターンに加え、
・MMM オリジナルステッカー
・MMM ポストカード
・MMM 缶バッジ
・公式webページにパトロンとしてお名前掲載(掲載可否、掲載名自由)
「¥10,000」
上記リターンに加え、
・「MMMロゴマーク」または「いちごダッペ」特製キーホルダー
・「MMMロゴマーク」または「いちごダッペ」特製Tシャツ
「いちごダッペ」はひたちなか市阿字ヶ浦特産のバインベリーのジャムを使ったダックワーズで、MMMアートディレクターと那珂湊菓子商工組合による、共同制作の銘菓です。
「¥20,000」
上記リターンに加え、
・8/7 オープニングパーティー(BBQ)に無料ご招待
・MMM代表の解説付きでイベントをご案内
【開催概要】
第8回目となる今回は総勢28組のアーティストらが参加。「浸透」をテーマに掲げ、様々なジャンルの作品が那珂湊の風景に溶け込むように展示され、まち全体をひとつのミュージアムに変えます。
日程:2016年8月7日(日) 〜 8月28日(日)※毎週水曜定休 ※観覧料無料
開場時間:10:00~18:00(最終日のみ16:00まで)
会場:茨城県ひたちなか市ひたちなか海浜鉄道湊線沿線地域(ひたちなか海浜鉄道那珂湊駅周辺)
主催:みなとメディアミュージアム実行委員会
共催:宝塚大学東京メディア芸術学部、常磐大学
後援:ひたちなか市、ひたちなか海浜鉄道株式会社、おらが湊鐵道応援団、ひたちなか商工会議所
最新の活動報告
もっと見る8月4・5日の活動報告
2016/08/06 00:02いよいよMMM開催の8月7日が迫り、関係者は忙しく活動をしております。ここ2日、そして開催までの2日は最高潮に忙しい時期となっております。 今回の2日間はとにかく展示場所の整理と必要物資の調達が主な活動でした。 百華蔵で写真を展示されるサユリニシヤマさんは実際に展示を想定してみると掃除に手間取ってしまったり、想定していた展示方法が困難だったりしましたが、話し合って最善を模索しつつ進行しております。 天満宮で展示をされる小山さんはこの二日間でほとんど完成させ、手伝ったスタッフが作品制作の極意を教わりしました。 駅名標の下やキハの中など駅及び駅周辺に展示をされる白石さんも無事現地入りをし、作業を順調になさっています。 他にも続々と作家さんが現地入り及び制作・展示をしている最中で、いよいよ開催が近づいてきた、という雰囲気が漂っております。スタッフも地域の方の協力の元、より良いイベントとなるよう尽力しておりますので、開催を楽しみにしていただけるとありがたいです。 もっと見る
8月2・3日の活動報告
2016/08/03 22:538月2日は作品の展示場所の準備が主な内容でした。特に午後はほとんどキハ及びキハ正面にある作家の森田さんによる作品の周辺で草むしりを行いました。目の前の通りを地域の方が通り、声をかけたりしてくださいました。 8月3日も主に展示場所の準備及び作品制作のお手伝いをさせていただきました。 また、WSで子供達と制作した旗を商店街の方々の手を借りながら商店街に設置しました。 8月になりいよいよ現地入りをして滞在制作をする作家さんが増え、作品の制作が進行中です。 もっと見る
8月2・3日の活動報告
2016/08/03 22:528月2日は作品の展示場所の準備が主な内容でした。特に午後はほとんどキハ及びキハ正面にある作家の森田さんによる作品の周辺で草むしりを行いました。目の前の通りを地域の方が通り、声をかけたりしてくださいました。 8月3日も主に展示場所の準備及び作品制作のお手伝いをさせていただきました。 また、WSで子供達と制作した旗を商店街の方々の手を借りながら商店街に設置しました。 8月になりいよいよ現地入りをして滞在制作をする作家さんが増え、作品の制作が進行中です。 もっと見る
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