大阪公立大学教授の金澤真理さんより応援メッセージをいただきました!
19歳の少年に死刑を科すことの是非をめぐる裁判の推移や獄中の永山さんの文筆活動等が報道により注目を集めた時代、死刑につき、また死刑を科された人について、もっと関心がもたれ、語られてもいたように思います、少なくとも現在よりは。永山さんが自ら語る「言葉」を獲得したのは、事件を起こし拘禁されてからのことです。永山さんの作品は、彼に死を迫る社会への応答でもあり、当時の世相を色濃く反映しています。数奇な運命をたどった一人の人間が残す希有な記録は、それ自体貴重な資料であり、社会と対峙し生きる人の生を考える導きの糸になりうるものです。遺品のアーカイブ化は、法制度に対する評価の違いや批判を超えて、この資料を様々な形で活かすことができる現代の、さらに後世の人々に対して、いま私たちができる貢献であると考えます。(金澤真理)
金澤真理
大阪公立大学教授。刑罰制度や犯罪論、罪を犯した人の社会復帰について研究している。



