木の繊維を叩いてうまれた力強いデザインが、ジュエリーの概念を押し広げる
優秀賞の1人目は青木愛美さん。「物を破壊する」というテーマからスタートし、木を叩くと割れる・ぼそっとするという日常生活でなんとなく知ってい現象を突き詰めるとどうなるか?ということに挑戦したそうだ。ヒノキに水を吸わせて、温め、そのあと木槌をつかってほぼ1日中叩き続けるとのこと。最後は針でできている櫛で大切に愛でながら繊維をといて完成させるらしい。
「木材」というなじみのある無骨な素材の、知らなかった側面が急に目の前に飛び出てくる ことに、こちらも動揺しながらも、なぜかちょっとくすっと笑ってしまい、そして惹き寄せられるこの感覚は、なかなかどうして新感覚。
「男性のコートにつけていただきたい」と店長
これなら男性にもきっと取り入れていただける、との見立てから、店長のディレクションでさまざまなサイズ感のものが店頭では用意されていました。これは実際にOUR FAVOURITE SHOPに行かなければ見れませんので、ぜひいってみてください。
自分だけにしか見えないパールに、自分だけのきもちを留めておきたいという気持ちを込める
優秀賞の2人目は吉岡優希さん。ミュージアムでドキドキわくわくした気持ちを留めておきたいというきもちを形にしたという。内側にパールが入っているデザインで、周囲からは見えず、自分の角度からだけ見えるという構造。自分だけが感じた、自分だけのきもちを、緊密にとどめて、誰にもみえないように身につけられるように、と吉岡さん。早速わたしも試着してみたところ、鏡には映らないパールに、はたと己を振り返り、もっと自分を磨かねばならないと教えられたような気がして、購入しました!
「ジュエリーはいろんな角度から見えるし、つける人の精神的なところに働きかける部分もありますね。」
薗部さんも、つける人のメンタル的な部分へのはたらきかけや、様々な角度からの見え方についてとてもよく考えて作られているという点に高評価。ご自身もつくるときに近いものがあって共感したとのこと。ふむふむなるほど。ジュエリーというのは、自分からの見え方感じ方、人からの見え方や、それ自体のゆらぎ、などもデザインしていくものなのですね!勉強になります。
陶磁器を作る過程でうまれた装飾が、金平糖のようなジュエリーに
もともと焼き物をやっていたという松本孝一さん。食器や土鍋をつくっていたところ、その過程この手法を発見したという。当初はコップのまわりに金色の粒をつける装飾をしていて、それがこのアクセサリーのパーツになったとのこと。既に5年くらい作り続けているそうです。第三者には土鍋からのジュエリーはかなり飛躍をしたのでは?と感じましたが、ご自身は違和感なく、彫刻的な興味の延長線上で全てとらえているとのこと。食器の装飾という制約から離れてもっと違うかたちを作りたい、ともおっしゃっていました。
ジュエリーをパッケージした瓶からは香りが
店長のレコメンポイントはパッケージ!でした。ジュエリーが入った透明の瓶をあけると内側から香りがたちのぼるという粋な演出。乙女心をくすぐりますねーギフトにも最適な時間を作り上げている点はさすがの5年目を感じさせました。コンセプトにもあったように、奥様に贈る、という実際の受取手のことをとても考えて作っているからかもしれません。
というわけで、レポート第二弾でした!OUR FAVOURITE SHOPで現在開催中のエキシビジョン。ぜひこの期間中にいってみてください。
会期:8月15日(水)ー9月2日(日)
時間:12:00-19:00 月・火定休(祝日を除く)
ただし、最終日9月2日は17時まで
会場:OFS Gallery
金森香(AWRD編集長)