
昨日1月17日は、阪神・淡路大震災が発生した日。
1995年に起きたこの大災害から、私たちは多くの教訓を学んできました。
その中でも、当時あまり語られてこなかった、しかし現場で深刻な問題となったのが「トイレの確保」と「し尿処理」です。
内閣府がまとめている「阪神・淡路大震災 教訓情報資料集【02】トイレの確保とし尿処理」には、当時の避難所や被災地で起きていた、非常に生々しい実態が記録されています。
今回はその内容を振り返りながら、なぜ災害時に「トイレの備え」が欠かせないのかをお伝えします。

■断水、水洗トイレは使えなくなった
阪神・淡路大震災では大規模な断水が発生し、多くの地域で水洗トイレが一切使えなくなりました。
その結果、避難所や自宅周辺では、施設内のトイレだけでなく庭や側溝、敷地内のあらゆる場所に糞便が山のように溜まるという深刻な衛生状況が発生しました。
学校の避難所では、プールの水をバケツで運んで流す、ビニール袋に排泄物を入れて清掃するなど、断水の中で必死の工夫が行われていたことが記録されています。
■仮設トイレは「すぐには届かなかった」
災害時に頼りにされる仮設トイレですが、阪神・淡路大震災では十分な数が行き渡るまでに約2週間かかりました。
当初、神戸市では「仮設トイレ300基程度で足りる」と考えられていましたが、実際には全く足りず、急きょ対策本部が設置される事態となりました。
その後、
避難者150人に1基
↓
次に100人に1基
↓
最終的に75人に1基
という設置目標が段階的に引き上げられ、100人に1基を超えた段階で、ようやく苦情が減ったと記録されています。
つまり、「トイレが足りない状態」が、長期間続いていたということです。
■トイレを我慢し、水や食事を控える人も
トイレが足りない、使いにくいという状況の中で、トイレに行く回数を減らすために水や食事を意識的に控える。中には、配給された飲食物に手をつけなかった方もいた。という事例も報告されています。
これは脱水や体調悪化、感染症リスクを高める要因にもなります。
また、仮設トイレは高齢者や身体に不自由のある方にとって「使いにくい」「行きづらい」構造であることも大きな課題でした。
■し尿処理も、大きな負担に
排泄物の処理も、簡単ではありませんでした。都市部では水洗化率が高く、し尿処理に使うバキューム車の数が圧倒的に不足していました。被災地の事業者も被災していたため、全国から応援を受けて対応する状況となり、どこに仮設トイレがあるのか把握しきれない、汲み取りが追いつかず苦情が相次ぐ・・といった問題も発生しました。
さらに、水洗トイレしか使ったことのない市民にとっては仮設トイレの使い方自体が分からず、正しい使用方法を伝えるチラシの配布も行われました。
■この教訓から、私たちが学ぶべきこと
阪神・淡路大震災の教訓から見えてくるのは、「トイレは後回しにしてはいけない」という事実です。
・水が止まれば、トイレは使えない
・仮設トイレは、すぐには届かない
・トイレ不足は、健康・尊厳・生活そのものを脅かす
だからこそ、一人ひとりが「自分で備える」ことが重要だと、私たちは考えています。
─現場の声から生まれた「チョイレ」─
「必要なのはわかっているけれど、トイレは大きくて保管できない」
そんな被災地や防災現場の声をもとに開発したのが、段ボール製の非常用トイレ「チョイレ」です。
●省スペースで保管できる
●工具不要で、すぐに組み立てられる
●市販のビニール袋で使える
●環境にも配慮した素材
「備えたいけれど、現実的に無理」という壁を、少しでも下げることを目指しています。

災害は、いつ起きるか分かりません。しかし、備えることは今日からでもできます。1月17日という節目に、あらためて「トイレの備え」について考えるきっかけになれば幸いです。今後も活動報告では、防災・備蓄に役立つ情報や、チョイレ開発の背景をお伝えしてまいります。引き続き、チョイレプロジェクトをよろしくお願いいたします。



