
連載10回目
小さな無国籍料理店カルマ
鳥取に飛んで休んでまた開けて
その鳥取時代開幕と閉幕
2012年〜2025年
(連載10回目)
◆次の波を興す青年︰マサ君◆
さて、最初は1人ポツリと広場の真ん中でカレーを商っていた全方位的爽やか好青年マサ君が、少しづつ蝶々の羽ばたきから華麗なるビックウェーブを巻き起こして作った「ハレハレケケケ市場」。そんなマルシェが広場を照らし楽しさで街を揺らし始める…というトコからでした。
これに関してはもう本当に脱帽しています。とかく争い事の多い昨今…個人的にこんな動きができる人、近くにそんな人居たら、自動的に尊敬しちゃうよね!
一時期、奥さんにも「尊敬というか、それはよく出来た孫への盲目的愛情に近いのでは…!?」と何か疑われていた笑。
ただね、このマルシェの本拠地である駅前広場。屋根が…!!
屋根が無いのだ。鳥取という土地柄もあり、コロッコロ変わる気紛れな天気にはいつも悩まされる。だから安心して定期的にマルシェをやるには、屋根は(まぁ壁もね)あると本当に助かる。
そんなある日。駅前サンロード商店街に、なんか良い賃貸物件があるらしいよ…という噂が聞こえてきた。
◆山陰の駅前、太陽の道◆
そんな噂を誰から聞いたのか、今思い出そうとしても忘れちゃってて思い出せない。
ただ、中野でもお馴染みのお店を運営してるヲサカ文具店(もうその頃には美味しいジュースを飲ませてくれる可愛いお店はキラキラと始まっていた)の若いご店主と、心に沁みる美しい品揃えの水越屋さんのご近所になれる。そんな、何とも強い気持ちになれる感じ…サンロード商店街はそういう雰囲気だった。
そして、その商店街にはスッポリ&ガッチリ風雨から守られる、アーケードがあるのだ。しかも天井が高いせいで開放感もスゴいんだよ…!!
近くに居たい人のご縁、そんな方々から感じる心意気や、心の負担にならないようジェントルに寄り添う心遣い。
そして強力な設備、更に駅からの好アクセス…!
何処をどう見回しても心強い。
◆優しい色の昭和的ビル◆
ふつふつと考えていたある日、奥さんとサンロードを通り掛かった。
件の賃貸ビルは、鳥取砂丘のような優しく明るい砂色をしていた。
曇ったガラスをコシコシと擦って中を覗いてみる。昭和っぽくて熟れたオレンジみたいな色のランプシェードが、ポコポコと下がっていた。
店名は「鳥取美容室」。
おお。主語がデカい。「県名に『美容室』って付くの、何だか勇ましいね」と奥さんが呟きました。
それが、今の「#砂鳥ビル」です。
私を鳥取に呼び寄せてくれた原動力の1つであった「トットリノススメ」それを主催した工作社の本間さんに、ビル前面の大きなガラス窓を、入りやすく且つ頼もしいドアに変えて貰いました。
自分が楽しいと思える方向に動く事。場所を整え、空気を作り、そうする事によって街も楽しく明るくなって欲しい。そう思って考えて動いても上手くいかない事、やり直そうとしてもどうにもならない事が沢山あります。
しかも、私共は行政ではないので活動する事によって確実に利益を上げて行かないと、生活すら成り立たなくなる…。
#砂鳥ビルは勿論、そのままでは使えない部分が沢山あったので改築して貰い更にお手入れを必要とし、その後再び別の設備投資も沢山必要となりました。
しかしこれからその場所を使ってくれる皆さんにも、メリットがいっぱいある所であって欲しい。
近江商人の「三方良し」の道を考えつつ、最近では本当に「出来ない事を認識し相談して助けて貰う」「手を離して譲る」「あまり範囲を広げずに、どうしてもやりたい事だけをやる」等をどう現実に落とし込めば良いのか、という事を考えるようになりました。
◆未来へ。わくわくする事を考える◆
2021年、あるイベントに出店した時の事です。設営開始しているテントのお店群の中に、とあるキッチンカーを見掛けました。
どのお店もテント建てにハッチャキに頑張ってる中で、そのキッチンカーのスタッフの方はプーッと指定の場所にやって来てポスポス、と周囲に美しく幟を立て、5分程度で出店準備完了したようでした。な…何てシンプル!
それで思わず考えてしまった。
年齢的に、省力化が図れるという部分は勿論嬉しい。
でも何より、カルマの楽しいイラストをドンと大きくプリントした車がココに並んでいたら、一瞬でどんなに楽しい市場になるだろう…!!
短縮できた時間で可愛いガーランドなんかも飾れば、もっと楽しいお祭りみたいな雰囲気を醸し出せる、そしたらお子さんとか喜んで走って来てくれるかもしれない。
◆キッチンカーへの渇望◆
出店のたびに必要とする大量の荷物積み下ろし。それも無い。
強めの風雨もある程度凌げる。
圧倒的な機動力という点から見ても、これからのマルシェにはきっと必需品だよね…。
後は県外にも「美味しい鳥取の魅力をもっと知ってね!」って鳥取の美味を積んで伝道に行けるとかの「プロモーション特化営業」もきっと簡単に出来てしまう。
「おっ!いいではないか。じゃ、ウチにも来てほしい〜」そんな方は是非!ドドンと御援助のほど!!
何卒…宜しくお願い致しますm(_ _)m



