ついに、このプロジェクトの大きな核となる日本庭園が完成しました。今回の庭園は、テレビ番組「大改造!!劇的ビフォーアフター」でお馴染みの “庭の匠” 金井良一さん率いるチームの皆さまに手がけていただきました。制作期間は、わずか1週間。何もなかった空間に、次々と土・石・植物など据えられ、あたかももともとそこにあったかのような美しい景観が出来上がっていく。その変化のスピードと美しさに、現場にいながら何度も驚かされました。今回の庭づくりで特に印象的だったのが、金井さんの「その土地の素材を活かす」という考え方です。この考え方には、単にコストを抑えるという意味だけではなく、この場所にあるモノ(石や植物など)を使うことで、もともとそこにあったかのように風景になじむ庭が生まれる、という想いが込められています。「その土地の素材は、自然と風景になじむんだよ」という金井さんの言葉が、強く心に残っています。そのような想いと金井さんの技術のもと、ここでしか成立しない唯一無二の庭園が完成しました。今回の庭園は、ただ眺めるためのものではなく、サウナ後の時間を最大限に深めるための場として設計されています。まず、象徴的なのが筧(かけい)です。竹を通って静かに水が落ちるその音は、耳に入った瞬間、自然と呼吸を整えてくれます。水が蹲(つくばい)に落ち、やさしく波紋を広げるその様子は、見ているだけで心が静まります。そこから流れ出た水は、庭の中に設けた小川へとつながります。川のせせらぎが、サウナ後の感覚をさらに研ぎ澄ませてくれます。庭の中には、やわらかく地面を覆う苔が広がっています。苔の持つ落ち着いた色合いと質感が、空間全体を包み込み、どこか時間の流れがゆるやかになるような感覚を生み出します。また、庭園の象徴として配置された梅の木や、さまざまな植物が、季節の移ろいを感じさせてくれます。訪れるたびに異なる表情を見せてくれるのも、この庭の魅力のひとつです。そして、この外気浴スペースの中心にあるのが、和モダンに仕上げた水風呂です。周りの景観と調和しながら、しっかりと身体を冷やす、この空間の核となる存在です。足元には、延段(のべだん)や飛び石を配置し、 一歩一歩、自然と歩みが整う動線が作られています。水の音、石の感触、季節の移ろい、風の抜け方。五感全てで、この自然を感じられる庭園になりました。プロジェクト概要でもご説明した通り、今回のご縁は、私自身が金井さんの大ファンだったことから始まりました。思い切ってオファーをさせていただき、そこから何度も打ち合わせを重ね、今回の実現に至りました。実際にご一緒して感じたのは、金井さんのお人柄の温かさです。その影響もあってか、チームの皆さまもとても明るく、 終始和やかな雰囲気の中で庭づくりが進んでいきました。山から植物を探しに行く姿。石を選び、配置を考える姿。そして何より、純粋に庭づくりを楽しんでいる姿。チームが一つになって、ひとつの空間をつくり上げていく。その光景に、ものづくりの本質を見た気がします。この庭園が完成した今、「本当にお願いしてよかった」と心から感じています。残すは、 更衣室の内装、サウナ室の内装、空間全体を囲む塀の施工です。いよいよ完成が見えてきました。金井さんチームが作り上げてくださったこの庭園を、決して無駄にしない、この空間にふさわしいサウナ施設を、最後までこだわり抜いて完成させます。ここまで来られたのは、応援してくださっている皆さまのおかげです。引き続き、完成までの過程をお届けしていきますので、ぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。




