
エターナル・ホームでのはじめてのごはん
――食べてくれて、よかったね。――
希ちゃん日記
エターナル・ホームでのはじめてのごはん
――食べてくれて、よかったね。――
エターナル・ホームにやってきた希(まれ)ちゃん。
まだ環境にも人にも慣れず、少し緊張した様子のまま迎えた翌朝。
今日は、希ちゃんにとって“エターナル・ホームでのはじめてのごはん”の日です。
小さなお皿に、やわらかいごはんを少しだけ盛って、
そっと希ちゃんの前に置きました。
「食べてくれるかな…」
スタッフみんなが、静かに見守ります。
希ちゃんはお皿をじっと見つめ、
少し迷うように顔を近づけて、
くんくんと匂いを確かめました。
そして――
おそるおそる、ひと口。
それからもうひと口。
ゆっくり、ゆっくりと、
まるで“ここは安心できる場所だね”と確かめるように、
希ちゃんはごはんを食べてくれました。
その瞬間、
「よかった……」
小さく息をもらすスタッフたち。
ほんのひと口が、こんなにうれしいなんて。
言葉にならないほどの安堵と喜びが広がりました。
食べ終えると、希ちゃんは「美味しかったよ。」とスタッフへアピールし。
すやすやと気持ちよさそうに眠り始めました。
その寝顔を見ながら、みんなが心の中でそっとつぶやきます。
「食べてくれて、ほんとうによかったね」
希ちゃんの新しい暮らしは、
こうして一歩ずつ、やさしい時間とともに始まりました。






