第20回東京朝鮮中高級学校美術部展「異」に関わってくださった皆さまへこんにちは。ActionAction事務局の任炅娥です。部展が終わってから、早くも3週間以上たちました。その間、豪雪地域が記録的な大雪災害に見舞われ、そんななかで衆議院選挙が強行され、自民党の圧勝という結果となりましたが、皆さま無事にお過ごしでしょうか?物価高も止まらず、心身ともに辛い冬ですが、どうか無理せず、休めるときには休んで、パワーを蓄えながら、乗り切っていきましょう。さて、今日は、朝鮮学校美術部の活動にも関わるクラウドファンディングのご紹介です。全国の朝鮮学校の子どもたちが、授業や部活で描いた作品たちを集めた画集の出版プロジェクトが始動しています。この出版プロジェクトの運営母体は、『在日朝鮮学生美術展(GAKUBI)』。GAKUBIとは、年に一度、全国の朝鮮学校の小・中・高校生たちが描いた数百点に及ぶ作品(絵画・立体・写真等含む)が一堂に会し、秋〜冬にかけて全国各地を巡回する美術展です。もちろん、東京朝鮮中高級学校美術部の皆さんの作品も展示されます。2025年度は「第52回在日朝鮮学生美術展」として9月の神戸展を皮切りに全国巡回し、直近では西東京展が2/26(木)~2/28(土) 府中市美術館にて開催予定です。このGAKUBIの50周年を記念し、50年に及ぶ作品たちと、各論考等を収めた記念画集を出版するためのクラウドファンディングが行われています。【子どもの創造力と出会う】GAKUBI(在日朝鮮学生美術展)の画集を出版したい!https://camp-fire.jp/projects/881812/view実は私、かつて学生の頃この学生美術展で金賞を取ったことがあるんです。私は仙台の東北朝鮮学校出身なのですが、母校には食堂があり、いつも「シッタンアジメ(食堂のおばちゃん)」たちが美味しいお昼(寮生もいたので彼ら彼女らには朝昼晩!)をつくってくれていました。私はアジメたちの働く姿が素敵だなーと日々思っていて、ちょうど昼前の1コマが美術の授業だったとき、(そうだ!アジメ描こう)と思って紙と絵の具をもって食堂へ行き、アジメたちの料理する姿を描いたのでした。食堂に描きに行く度に、絶妙なタイミングでヤクルトのおばちゃんが現れてヤクルトをくれました。(全校生徒のなかで私だけがヤクルトの特権に授かっている!)と、ナゾの優越感に浸りながらせっせと絵を描いた記憶があります。残念ながらヤクルトのおばちゃんまで描く画力と気力はなかったのですが、おかげさまで?その作品が金賞を取りました。果たしてその絵は現在どこに保管されているのか…今回の画集に載るのがどうか…甚だ不明ですが、我ながら、楽しく描いた力作だったことは確かです。さて、長々と個人的な思い出話をしたのは、単に自慢したいからではなく、GAKUBIのことを「在日の子どもたちが描いた絵」という総体から、かつての私の例のような、生徒一人ひとりの物語のほうへ焦点を絞って眺めてほしいという思いからです。ともすれば、文章やことばによる語りは、構成や編集を経ることで当事者の意図と反して、何かを代表して「語らされてしまっている」感が出てしまうときがあります。けれど、GAKUBIは逆というか、絵から個々の何かが「漏れ出てしまっている」感がたまらなく面白いのです。私たちが勝手にかけがちなある種のフィルター、勝手に期待しがちなストーリーを軽々と突破し、生々しい力で観るものの心に食い込んできます。そこには、生徒さん自身が見てる世界や心象風景が、ポジティブなものからネガティブなものまで含めて、豊かに広がっています。小学校低学年の、自己と自然や動物が分離しきっていない状態から生まれる奇想天外な絵や、中高生の、些細な日常の切り取りや、不安定でままならなない世界をどう捉え、自分をどう位置づけようとしてるか、といった自己と世界(他者)の狭間の葛藤が感じられるようなリアルな作品まで、本当に1人ひとり多様です。《おじいさんとおばあさんの脳みそ》GAKUBIの作品を観るたび、1点1点の絵に釘付けになります。釘付けになってしまったら、もうそこには自分とその作品を描いた相手との間に関係性が生まれている。その関係性から生まれるものは分断ではなく緩やかな共感のはずです。2025年度在日朝鮮学生美術展 展示風景(中1作品たち)「在日」とか「朝鮮人」(あるいは「クルド人」や「外国人」に言い換えても良いですが)といった誰かが都合よく創ったフィルターによって覆われていた存在が、顔と個性を持った個人として眼前に現れたとき、強く否定することが果たしてできるでしょうか?これだけ社会の分断が深刻ななか、「私」と「あなた」の関係から、尊厳をもった各々が集まり多様なモザイク模様へと広がる共感のストーリーを構築することは不可能なのでしょうか?その問いに向き合うものとして、今回のGAKUBIの画集が無事に出版され、広く社会の注目を集め議論が深まるきっかけになれば良いなと願っています。クラウドファンディングでは、かなり豊富なリターンが用意されています。ぜひご覧いただき、ご支援いただけたら、(元金賞受賞の)卒業生としても望外の喜びです。どうぞ、よろしくお願いします。*写真は今年の展示から。「ホラーアンパンマン」、「おじいさんとおばあさんの脳みそ」、中1作品たち(右下の消しゴムの絵が好きです)Artist Action 事務局任炅娥





