▼ご挨拶
私は「九州北部豪雨」及び「平成30年豪雨」で被災した「農業の復興支援」を実現する為に2017年より活動している「島らっきょうプロジェクト」代表の石橋浩二と申します。
まずは私について簡単にご紹介させて頂きます。
出身は「九州北部豪雨」及び「平成30年豪雨」で被災した福岡県朝倉市で、長年エンジニアとして民間企業で働いた後に「地域おこし協力隊」として大分県臼杵市で活動をし、任期終了後に同市にてコンサルやインバウンド、一次産業支援、地域おこし協力隊支援等を担う会社を起業致しました。
2017年6月に起業して一番最初の仕事をした日が7月5日、「九州北部豪雨」の発生日でした。
そして最初の仕事を皮切りに、受注していた仕事にも着手し、会社経営に注力して行く予定でしたが、被災から2日後に現場入りし、その惨状に愕然としました。
私は全ての仕事をキャンセルさせて頂き、復興支援活動に従事し始めました。
さて、唐突ですが皆様は「復興支援」や「ボランティア」と聞いて何を思い浮かべますか?
水害等の各種自然災害において、復興支援といえば「家屋の泥出し」「救援物資」「義援金」「災害廃棄物の撤去」等がボランティアの主たる活動になると思います。
それらの活動は、被災者の生活を復旧させる為の極めて重要な活動です。
私自身も活動当初はボランティアセンターに通ったり、実家・親戚などの住居の泥出しに従事しておりましたが、私はそこで一つの疑問を持つに至りました。
それは、先に挙げた支援活動で「生活ニーズ」を満たすことだけで復興は成るのか否かという疑問です。
その答えは「否」です。
被災された方の生業を復旧し、「自らの力で生計を立てられるようになる」ところまで復旧させて初めて復興支援は完了したと言えるでしょう。
では、何をもって生業の復興になるのでしょうか?
企業にお勤めされていた方であれば、操業が再開されれば自ずと生計は成り立ちます。
最悪、転職しても良いでしょう。お勤めされていた方は生業に選択肢があります。
では、「農家」さんはどうでしょうか?
農家は使える農地があって初めて生業を起こせます。収穫があって初めて生計が立ちます。
しかし、被災農地は復旧を行わねば使えないことが非常に多いとされています。
加えて農地の復興は「生活の復興の後」になる為、復旧するまで長い時間を要する上に、泥出しは巨額の資金が必要とされます。
なら、農家さんにも転職して貰うべきなのでしょうか?
長年大地と戦ってこられた方々が、突然明日から営業職になれるのでしょうか?
事務職としてパソコンを用いて表計算や企画書を作成できるのでしょうか?
工場などで大勢の人々の中で流れ作業ができるのでしょうか?
それはどれも現実的ではないでしょう。
また、災害の度に農家さんが離農しては、日本の食文化は確実に潰えてしまいます。
「農業の復興」とは、我々日本人の・・・人間の生活を守る大切なものです。
故に我々は、被災した農家さんを守る為に戦ってきました。
プロジェクトを発足し、多くのボランティアの皆様と活動して行く中で私一人では事業運営が時間的に、物理的に厳しくなった時、地域おこし協力隊時代に知り合った橋本くんがこんな大変な事業であるにも関わらず自ら飛び込んできてくれました。
※橋本くんの簡単なプロフィールです。
橋本浩太郎(福岡県宗像市出身、民間企業で営業に従事した後、地域おこし協力隊として大分県に移住。現在は協力隊兼個人事業主として活動。)
彼とは農業の話でたまに連絡を取る程度の間柄でありましたが、彼曰く「これほどの絶望を跳ね除けようとする姿に感銘を受けた。地元である福岡県の復興のためにも自分自身もこのプロジェクトにボランティアではなく全力で力を傾けたい」とのことでした。
私は彼にプロジェクトのマネージャーをお願いし、ボランティアの皆様やプロジェクトそのものを支える存在になって欲しいとお願いしたところ、二つ返事で引き受けて頂き、めでたく「島らっきょうプロジェクト」は2名の構成員と年間延べ2,000名のボランティアさんによって復興支援を行う大所帯のプロジェクトへと姿を変えていきました。
▼島らっきょうプロジェクトが目指すところ
私たちがこのプロジェクトで実現したいことは大きく分けて6つあります。
①荒地でも栽培可能な「島らっきょう」の栽培を通じた、被災地での農業の迅速な再開。
②被災地で栽培した「島らっきょう」の販売を通じた農家の収入源を確保する事。
③「島らっきょう」の栽培を通じた被災農地の再生事業。
④被災地以外の応援農地での「島らっきょう」の栽培・販売を通じて、災害発生時に被災農地へと持ち込む「島らっきょう」のタネを確保する事と、応援農地栽培分の売り上げから被災地への義援金の拠出及び、災害に備えた基金を蓄える事。
⑤「島らっきょう」を媒介として「異業種」の方々と繋がり、世の中人々と共に「災害から日本の農家を守る」為に構築した仕組みの実現。
※仕組みそのものは九州北部豪雨の復興支援にて実証済みですが、再被災や災害規模の拡大によりより多くの力を束ねる「媒介」となる為には資金が必要となります。
⑥ITを用いた災害復興支援の迅速化を実現する為のNPO法人の立ち上げを行う事。
※①〜④までは支援金額の大小に関わりなく実施致しますが、支援金額によって実施規模は上下致します。⑤はクラウドファンディング開始=小規模での実施であり、その規模を拡大するために敢えて実施項目に挙げさせて頂きました。⑥に関しては実施時期の見極めが必要なため具体的な実施時期の明言は出来かねますが、後の世の中に必要な仕組みを作り上げていますので、こちらも設立に向けて走ります。
▼プロジェクト発足の経緯
全ては九州北部豪雨で、代表の実家がある福岡県朝倉市が甚大な被害を受けた事から始まりました。
家屋や道路は冠水し、床上浸水や床下浸水により大量の泥が流れ込みました。
そして泥の被害は農地にまで及んでしまいました。
田んぼや畑、果樹園を問わず厚い泥で覆われ、大量の水を吸った作物は厚い泥に蓋をされた結果、根腐れを起こしかけた状態で地中に閉じ込められ、多くの作物が生育不良や死滅へと追いやられました。
栽培中の作物は育たず、混入した泥の撤去時期も不明。
収入の見込みが絶たれ、営農を再開できる時期の見込みも立たない。
多くの絶望が朝倉市を覆い、諦めムードが蔓延する中、荒地でも栽培できる「島らっきょう」に着目し、農業の常識を覆す方法で迅速な復興実現の為に走り出したのが我々のプロジェクトです。
▼島らっきょうプロジェクトの歩み
2017.07 九州北部豪雨発生、家屋の泥出し、福岡県朝倉市の被災農地を調査。
2017.08 「島らっきょう」の試験栽培、試験栽培成功を受けて2,000㎡の農地を使って、
泥出しを行わずに「島らっきょう」の栽培に挑むことが決定。
2017.09 大規模(約4,000㎡)植え付けイベント実施。
※このくらいの時期から各種メディアに取り上げられ始めました。
2017.10 栽培規模を約6,000㎡に拡大。
2017.11 栽培規模を約8,000㎡に拡大。
2017.12 栽培規模を約10,000㎡に拡大。
2018.05 「島らっきょう」収穫感謝祭の実施。※この段階から徐々に販売を開始。
2018.05 「島らっきょう」畑、約10,000㎡の内の約5,000㎡を元の畑に戻すことに成功。
※残りの畑も収穫が済み次第、元の畑に戻して次の被災農地に移動する予定でした。
2018.07 九州北部豪雨発生から365日目に、全国生中継にて朝倉市の復興をアピールする。
2018.07 平成30年豪雨により、朝倉市は再被災。再び桂川が氾濫し農地は泥に覆われた。
2018.07 平成30年豪雨被災地を訪問し、ボランティア活動と、被害状況の調査を実施。
2018.07 平成30年豪雨被災地にまで復興支援範囲を拡大する為、NPO法人の設立を決意。
2018.07 プロジェクトを更に強固なモノとする為、法人の設立を決意。
2018.07 昨年の台風で水害にあった大分県の某自治体と、「島らっきょう」栽培による
農地再生と町づくりに向けた打ち合わせを実施。
▼皆様からのご支援金の用途
①被災地に植え付ける「島らっきょう」の種代及び、現地での農作業に係る諸費用。
②「島らっきょう」の販売促進費用及び広報宣伝費。
③プロジェクトの各種活動予算。
④災害支援車両(軽トラック)並びに必要機材類の購入費用及び、維持費用。
⑤災害風化防止を目的とした「災害教育」資料としての書籍作成期間中の活動費用。
⑥各種法人設立費用の一部に充当。
▼リターンについて
我々としては「島らっきょう」をお礼の品としてお送りしたいところではありますが、朝倉市の2年連続の被災により、生き残ったものは種として次の栽培に回させて頂く為、今回のリターンにはプロジェクトを核として準備をしていた多業種協働の一環として開発したノベルティグッズを中心にお届けさせていただきます。
▼最後に
昨年の九州北部豪雨における復興支援は個人の資金で賄っておりましたが、福岡県朝倉市の再被災及び支援範囲の拡大により、個人で資金拠出し続けることは正直なところ、もう限界です。
また、農業は人の根幹を成す「食」を支える大切な事業です。
農業を守ることは日本の未来を守ることと同義であると我々は考えています。
皆様のご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。
最新の活動報告
もっと見る第十回活動報告 支援募集終了まであと1時間を切りました。
2018/09/10 23:05こんばんは。島らっきょうプロジェクトです。 もう間も無く支援募集が終了致します。 ご支援頂いた金額と、我々の手元に残る島らっきょうのタネを考慮すると、昨年レベルの規模にはならないと思います。 それでも、少しでも被災地に対して何がしかの支援を続けられるよう、皆様からお預かりした支援金は有効に活用させて頂きます。 ご支援頂いた皆様、このページをご覧頂いた皆様。 本当にありがとうございます。 皆様のお気持ちが復興支援の規模を決めます。 最後の最後まで、ご支援をお待ちしております。 もっと見る
第9回活動報告 アップデートされる自然災害
2018/09/10 13:01こんにちは!島らっきょうプロジェクトです。本日が当プロジェクトの支援募集最終日です。 前回の投稿から本日までの間に北海道が震災に見舞われてしまいました。一人でも多くの人のご無事と、犠牲になられた方のご冥福を心よりお祈り致します。 さて、最大震度7を記録した今回の地震ですが、北海道というのがまた大変ですね。 海を渡らねばならないことや、その広大な面積。 それだけでも大変ですが、何より大変なのが、ざっくり国産食品の半分かそれ以上は産地が北海道だったりしますよね? 牛乳は6割近くが北海道産。ということは乳製品も6割近くは北海道産と考えられますね。これはまさに日本の危機です。皆の力で解決せねばなりません。 ですが・・・ひとつだけ大切なことを・・・。 九州北部豪雨、平成30年7月豪雨、大阪地震、大型台風の数々。(数年前の熊本大震災も) どの災害もまだ復興していません。 報道や情報が常に新しいものへと向かって行くのはある種当然のことであり、世間が求める情報でもあります。 しかし、九州北部豪雨もそうですが、国内には復興が不完全なまま情報に取り残され、忘れられた被災地が数多くあります。 報道がされなくなったことが=で復興したということにはなりません。 皆様も是非、過去の災害がどうなったかをお調べ頂ければと思います。 我々も、一歩一歩足元を見て、復興の道を探していきたいと思います。 もっと見る
第八回活動報告 朝倉の島らっきょうを使った料理教室が開催されます!
2018/09/05 21:56こんばんは。島らっきょうプロジェクトです。 本日は福岡および近県にお住まいの方への告知です! 島らっきょうプロジェクトをいつも応援して頂いている「一般社団法人ふるさと創生の会」様が9月9日に福岡市内で、料理教室を開催されます! しかも今回の料理教室では「朝倉の島らっきょう」を使ってくださいます! 今回のイベントにはスケジュールの都合により、マネージャーの橋本くんが参加して、島らっきょうのことや九州北部豪雨(及び西日本豪雨)の事をお話しさせて頂きます。 朝倉の島らっきょう〜第4回ふるさと料理プロジェクト 島らっきょうプロジェクトは多くのボランティアさんや法人さん、メディアさんのお力添えによって支えられています。 西日本豪雨で一気に窮地に陥ってしまいましたが、再起を成し遂げた暁には、皆様から頂いた思いを復興につなげていきたいと思います! また、ふるさと創生の会の皆様もご参加されると思いますので、日頃地方創生に関わることの少ない皆様にとっても、自身の故郷を見つめ直すきっかけになるような1日になる事を願っています。 そのきっかけとなれるよう、島らっきょうで多くの人が繋がれる世の中が生まれればとても幸いです。 皆様、ふるってご参加ください! もっと見る
コメント
もっと見る