300年、100体の「祈り」が崩れ始めています。 熊本の放牛石仏を、いま救いたい

300年前、父を失った一人の僧が祈りを込めて彫り続けた、熊本の放牛石仏。 その数は100体以上にのぼり、長い間、静かに人々を見守ってきました。 しかし今、風雨と地震にさらされ、いくつもの石仏が崩壊寸前の状態にあります。 この祈りを未来へつなぐため、石仏を守る「屋根」を贈る挑戦です。

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300年前、父を失った一人の僧が祈りを込めて彫り続けた、熊本の放牛石仏。 その数は100体以上にのぼり、長い間、静かに人々を見守ってきました。 しかし今、風雨と地震にさらされ、いくつもの石仏が崩壊寸前の状態にあります。 この祈りを未来へつなぐため、石仏を守る「屋根」を贈る挑戦です。

300年続いてきた祈りが、
いま失われようとしています。

熊本各地に残る約100体の放牛石仏。
その多くが文化財指定もなく、雨風や地震にさらされ、今も静かに崩れ続けています。

これまで守ってきたのは、地域の方々による地道な手入れの積み重ねだけでした。
しかし守り手の高齢化により、その活動はいま限界を迎えています。

このままでは、300年続いた祈りが、私たちの世代で失われてしまう。
これは誇張ではなく、今まさに進行している現実です。

今回のプロジェクトで実現したいこと

私たちは、最も劣化が激しい石仏から
雨と風を防ぐ「御堂(屋根)」を贈る取り組みを行います。

屋根を設置することで、

  • ● 雨・風・台風・酸性雨・直射日光からの保護
    ● 劣化の進行を根本から食い止めること

  • が可能になります。

    15体の石仏に屋根(御堂)の設置が必要(写真は一部)

  • 今回優先して守る石仏(予定)
  • 雨ざらしにより表面が激しく劣化
    光背の文字が消えかかっている

※この石仏(86体目)は、劣化状況・立地・倒壊リスク・周辺環境等を総合的に判断し、専門家および「放牛石仏を守る会」の協議により最優先と判断しました。

すでに、熊本県内の石材店より見積取得済です。

雨・風・台風・酸性雨・直射日光から石仏を守る

屋根があるだけで、石仏の寿命は数十年単位で延びることが石材専門家の共通見解です。

  • 御堂がある放牛石仏たち御堂によって風雨から守られ、表情がくっきり残っている。

熊本市中央区本山にある56体目。
地域住民等によって保全されている例

【支援金の使い道】

支援金は、以下にのみ使用します。

●御堂建設費(基礎・石材・設置・支援者刻名板含む)
※御堂1基(86体目):約500,000円(見積取得済)

●CAMPFIREシステム利用料・決済手数料(約17%):約119,000円

●広報費(チラシ制作・印刷・活動記録費):約80,000円

合計:約699,000円

すべて、石仏を守るためだけに使用します。

本プロジェクトは、今回の御堂設置を第一歩とし、
将来的には他の石仏にも順次保全の輪を広げていくことを目指しています。

※目標金額は70万円とし、上記費用をすべて賄う計画です。
※工事条件や天候等により追加費用が発生した場合は、放牛石仏を守る会が自己負担にて補填し、必ず御堂の完成まで責任をもって実行いたします。
※目標金額を超えて支援が集まった場合は、次に劣化が進んでいる石仏の保全準備費用および維持管理費に充当させていただきます。


熊本の大地に浮かび上がった「巨大な曼陀羅」

熊本県内の野山や路地に点在する、
100体の放牛石仏──。

一体一体は小さく、
一見すると無作為に置かれているように見えます。

しかし、私たちがある日、
それらの位置を一つひとつ地図に落としたとき、
そこに偶然とは思えない、明確な“意思ある配置”が浮かび上がってきました。

それは――
熊本全体を静かに包み込む、
“巨大な曼陀羅”だったのです。

曼陀羅として浮かび上がる放牛石仏の壮大な構図

曼陀羅の中心に立つ「100体目」

その中心には、最も大きな100体目の石仏が立っています。

曼陀羅の中心に位置する、最大の100体目の石仏
ここから祈りの構図が四方へと広がっています。

この「地蔵曼陀羅」を残した人物──
「放牛」という一人の僧の人生

ここで疑問が生まれます。

なぜ100体もの石仏が、このような形を成したのか?

その答えは、石仏を彫り続けた僧・放牛(ほうぎゅう)の人生にあります。

江戸時代中期──。
熊本で日々石仏を刻み続けた「放牛」という僧がいました。

30秒で分かる「放牛」という人物
— 石仏を刻み続けた理由 —

 

江戸時代の僧「放牛」
少年時代に起きた不幸な出来事──兄弟げんかをきっかけに、父親が武士に斬られるという悲劇──その出来事は、放牛の心に一生消えない傷として刻まれました。


父を供養するために始まった祈り。

しかし村々を巡り、飢饉・災害に苦しむ人々に出会ううち、その祈りは次第に“他者を救う祈り”へと変化していきます。

放牛石仏は当時の人々の心の拠り所になっていきました。

石に刻まれた放牛の想い ― 道歌

放牛は石仏の背面に、祈りの言葉「道歌(みちうた)」を刻んでいました。

現在は風化により肉眼では読み取りにくいものも多くあります。
しかし、故・有藤シゲさんが採取した拓本によって、その言葉は今も残されています。

「神ほとけ おかまぬさきに おやおかめ おやにましたる ほとけ世になし」(意味:神や仏に祈る前に、まず自分の親を大切にしなさい。)

父を失った悲しみから生まれた、
“身近な人への祈りこそがすべての原点”
という放牛の切実な想いが刻まれています。

世界平和を願う祈り

曼陀羅の中心に位置する、最大像「100体目」。
その光背には、祈りの結晶とも言える言葉が刻まれています。

「天下和順・日月清明」

(意味:天下が平和で、太陽と月が清らかに照らす世の中になりますように)

300年前の僧が刻んだ「世界平和」と「気象温順」の祈りは、災害の多い現代を生きる私たちの願いと、静かに重なっています。


300年の祈りが、いま失われようとしている

風雨、台風、酸性雨、熊本地震。
表情も、文字も、輪郭すら失われつつある石仏が増えています。

風雨にさらされ、
表情が消えつつある石仏(8体目)。

なぜ守れないのか。

それは、文化財指定を受けていないため、公的な保存制度も予算もないからです。

守り続けてきたのは、地域住民の無償の手入れだけでした。

しかし、その担い手も高齢化し、限界を迎えています。

このままでは、
放牛の祈りは、私たちの世代で途絶えてしまいます。

社会的意義 ― 
全国の文化財の未来につながる取り組みです

放牛石仏は、単なる地域の歴史遺産ではありません。本プロジェクトは、以下の点において全国的にも意義のある取り組みです。

  • ・小規模文化財の新しい保全モデル

  • ・地域住民 × 研究者 × 支援者の協働

  • ・行政に頼り切らない民間主導の文化財保護

今回の御堂設置の実績をもとに、
今後、専門家と連携しながら記録整備・資料提出等を進め、文化財指定に向けた働きかけを行っていく予定です。

※ただし、本プロジェクトは文化財指定を保証するものではありません。


★リターン内容について

本プロジェクトでは、すべてのコース共通して

①お礼と活動報告書(PDF)
②放牛石仏の拓本デジタル壁紙(スマホ用)
③お名前・支援金額の掲載

をご用意しております。

※お名前は、ご支援のタイミングで「備考欄」にお書きください。

【全コース共通リターンの説明】
①お礼と活動報告書(PDF)

御堂の設置状況や、放牛石仏の現況について、
完成後に写真付きで活動報告としてお届けします。

※画像はイメージです

②放牛石仏のデジタル拓本壁紙(スマホ用)

故・有藤シゲさんが20年かけて採取した
貴重な放牛石仏の拓本を「スマホ用壁紙(デジタル)」としてお届けします。

風化によって読めなくなりつつある放牛の道歌が、
デジタルのかたちで、今よみがえります。

20年かけた執念の記録。
故・有藤シゲさんと床一面の拓本

あなたの日常に“祈りの言葉”を
スマホのロック画面に使用した例(イメージ)

③ご支援者様の「お名前の記録・掲載」

※ご支援いただいた皆様のお名前は、
本プロジェクトの歩みを伝える記録として大切に保管させていただきます。

さらにご希望の方は、

・2026.春公開予定の「放牛石仏公式ホームページ」
・本プロジェクトにより完成した「石仏の御堂」

に、支援者様として
「お名前」と「支援額」を掲載(記銘)させていただきます。

※掲載は任意です。
ご希望されない方は備考欄に「掲載不要」とご記入ください

【重要なご注意事項】
★掲載用のお名前は「備考欄」にお書きください(ご支援時)
  • ・お名前掲載は本名またはニックネーム可
    ・お名前掲載は希望者のみ
    ・公序良俗に反する名称は掲載できません
    ・御堂サイズ・掲載人数により、配置や順番は事務局一任とさせていただきます


※画像は御堂の完成イメージです。お名前プレートの材質、形、設置場所は実際とは異なります。

  • 【実施スケジュール】
  • ●2025年12月:クラファン開始
    ●2025年12月末:募集終了
    ●2026年春 御堂建立
    ●御堂完成後、順次リターン発送

※天候・施工状況により前後する場合がございますが、
進捗は随時、活動報告にてご報告いたします。

私たち「放牛石仏を守る会」について

当会は2013年に設立された任意団体です。
地元住民・有志・専門家と連携し、清掃・調査・啓発活動を継続してきました。

しかし、御堂が未設置の15体については、
資金不足・活動の担い手の高齢化により、これ以上の維持が困難な状況に直面しています。

「新聞が伝えた、私たちの歩み」
“地域の宝を守る”という想いで続けてきた活動です。

【これまでの主な活動実績】

  • ●書籍の出版と受賞
    ●熊本地震後の緊急調査
    ●講演会・展示会の開催
    ・2025年9月には約40名が参加
    ・写真・拓本を展示する「放牛さんと地蔵曼陀羅展」を開催
    ●定期的な清掃・調査活動
    ●テレビでの特集放送

  • 活動の様子をテレビ放映して頂きました。

熊本のたから『放牛石仏図鑑』を出版
(熊日出版文化賞受賞)

2024年7月「放牛さんと地蔵曼陀羅展」にて。
SF作家の梶尾真治様(中央)も駆けつけてくださいました。

あなたの支援が、
「祈りの傘」になります

御堂は、単なる建物ではありません。
それは、あなたの支援が形となった「祈りの傘」です。

300年守られてきた石仏を、後世へとつなぐための第一歩。

その一歩を、どうかあなたと共に進ませてください。

この祈りを、あなたの手で、未来へ残してください。

【プロジェクト名】放牛石仏保全プロジェクト
300年、100体の「祈り」が崩れ始めています。熊本の放牛石仏を、いま救いたい。

【実施期間】
2025年12月3日~12月31日

【主催】
放牛石仏を守る会
会長:橋本正勝 事務局長:正田吉男

【問い合わせ先】
放牛石仏を守る会 事務局(担当:正田)
熊本市南区白藤3-5-12-101
電話:090-9049-7429
Email:yosioab7@docomo.ne.jp

支援金の使い道

集まった支援金は以下に使用する予定です。

  • 設備費

  • 広報/宣伝費

※目標金額を超えた場合はプロジェクトの運営費に充てさせていただきます。

支援に関するよくある質問

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最新の活動報告

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  • 先日、心に残る出来事がありました。放牛石仏についての投稿をご覧になった女性の方が、 お声をかけてくださったのです。その方は、お仕事の合間を縫って すでに放牛石仏を20体ほど巡られているとのこと。「どのお顔も本当に優しくて…」少し照れくさそうに、でも、まっすぐな眼差しで そう話してくださいました。「惹かれて、巡るのをやめられないんです」 誰かに勧められたわけでもなく、ただ、自分の足で歩き、 自分の目で見て、 一体一体の石仏と静かに向き合ってこられた方でした。放牛石仏は、多くを語りません。けれど、300年前に刻まれた祈りは、 今も確かに、誰かの心に届いています。思えば、石仏はずっとそこにいて、 誰が来ても、来なくても、 ただ静かに微笑んでいるだけ。それでも。いえ、だからこそ、惹かれる人がいる。今回の出来事は、 私たちに「守る意味」をあらためて教えてくれました。このつながりを、これからも静かに紡いでいきたいと思います。放牛石仏を守る会 もっと見る
  • 私たちは、困ったとき、神仏に手を合わせます。どうか無事でありますように。どうか願いが叶いますように。それは、今も昔も変わらない人の姿かもしれません。しかし、放牛が残した道歌のひとつに、こんな言葉があります。神ほとけおがまぬさきに親拝め神や佛もうれしかるらん(神仏に拝む前に、親を敬うべきである)一見すると、親孝行を説いた言葉のようにも読めます。実際、この道歌は、極楽へ至る道において、親を敬い大切にすることが重視されてきた仏教の教えを背景に持つ言葉でもあります。ただ、放牛がこの言葉を石に刻んだことを思うと、それは教えをそのまま伝えるためだけではなかったのではないかと感じています。放牛が見ていたのは、もっと手前にあるもの。それは、生きている人への態度。身近な人、目の前の関係への向き合い方。今ここに生きている人と、どう向き合っているのか。その姿勢こそが問われているように思えるのです。放牛が生きた時代、言葉や祈りは、必ずしも人を救ってはくれませんでした。飢えや病があり、明日が約束されない日常の中で、「正しいこと」を言ったからといって、生き延びられるわけではなかった時代。だからこそ放牛は、人としての生き方を見つめる視点を石に刻んだのではないでしょうか。私たちが「放牛石仏」を守ろうとしているのは、信仰的なことを広めるためではありません。300年前、一人の僧が生き方として刻んだ問いを、この時代に手渡したい。その思いで、この活動を続けています。私たちは何を大切にして生きているのか。放牛の言葉は、今を生きる私たちにも、静かに問いかけているように感じます。 もっと見る
  • 放牛石仏「86体目」の放牛石仏を訪ねてきました(熊本市西区島崎)。写真のとおり、石仏の表面は長年の風雨により劣化が進んでおり、刻まれた文字は判読が難しくなっています。現在、最優先で保全が必要な石仏の一つとして位置づけている理由も、まさにこの点にあります。今回のクラウドファンディングで集まった支援金は、まずこの86体目に御堂(屋根)を設置し、これ以上の損傷を防ぐために活用します。石仏は地域の方々により長い間見守られてきましたが、個人による手入れだけでは限界があります。持続的に守っていく体制づくりが必要であり、その初めの一歩として今回の取り組みがあります。追伸前に訪れたときよりも、苔が少し払われ、石仏の周囲が丁寧に整えられていました。どなたかが静かに手を入れてくださったものと思われます。地域の方々のこうした気持ちを、次の世代につなげられるよう活動を進めていきます。放牛石仏を守る会 正田 もっと見る

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