
実を言えば今回のクラウドファンディングは、顔出しせずに行う予定だった。出すとしても小さなアイコンくらいでいいか、主役は小説なのだから、著者の写真をデカデカ出す必要はないだろうと。
ただ、途中で考え方が変わった。主役は小説ではなくどうやら「僕」で、より正確に言えば「僕の生き様」で、そこに共感したり応援したいと思ってくれた方から支援を集めるものなのだと。
そうか、だったらむしろ思い切りやろう、自撮り&加工アプリで濁さず、ちゃんとプロに頼んで「アー写」を撮ってもらおう。
そんなこんなで無理を言って撮影いただいた写真たち。雪でも降りそうな真冬の夜に、小説の舞台である千葉駅周辺をグルグル回りながら何十枚も撮ってもらった。
その中でも、なんだかんだ一番のお気に入りがこれかもしれない。缶ビール片手に空を見上げる自分、ボロボロのセーターから覗くボーダー柄とウォレットチェーン、頭に残った金髪。
普段社会人としてマジメに働きながらも、どうしても何かに反発し続けてしまう。自分で自分にルールを課すことはできても、知らない誰かに首輪をつけられるのは我慢ならない。
そんな大人になりきれない40代おやじの姿が、痛々しくも厭味ったらしくもならないギリギリのバランス、「まったくしょうがねえ大人子供だな」なんて苦笑いされそうな、絶妙な力の抜け具合で捉えられている気がする。
この時の自分は、酔った頭で見上げる千葉の夜空に、それこそ何にも反抗する必要のない、純粋な自由を感じていたのかもしれない。背景の滲み具合も、手先のボケ具合も、あの日の僕の視界そのままだ。
いい時間だった。そしていい写真だ。ありがとうございます。
photo: @yukubo
hairmake: @yukixnaka





