

小説家:真山 仁(まやま じん)/代表作:経済小説『ハゲタカ』シリーズ ほか
小説には、夢がある
小説には、怒りがある
小説には、勇気がある
そして、小説には世の中を変える力がある
日本は、もうダメだ――という言葉は、別に今に始まった訳じゃない。
後進国に転落する、貧困に喘ぐ、強国の属国になる――。
そんな言葉は、二十世紀からずっと警告されてきた。
不安は募れども、身の回りの日常は、さほど変わらない。
大変になると言われても、日々は過ぎていく。
見たいものだけを見て、信じたいものだけを信じている方が、
心穏やかに過ごせるじゃないか。
だが、本当にそれでいいのか…。
――いいわけがない。なのに、なぜ、立ち尽くしてしまうのか。
それは、思考停止しているからではないだろうか。
停止している思考を再起動するためのスイッチ
――それは、想像し、危機を“体験”することだ。
現実社会を見つめていくと、将来がどうなるか見える一瞬がある。
だが、日々の忙しさのせいで、多くの人は、その一瞬を見逃してしまう。
未来に続く道は多岐にわたっているのに、
どの道を進むのかを自分で決める人は少ない。
「もっといろんな選択肢を持ち、
どれを選ぶのかを自分自身で決めないと、
いつか日本はダメになる!」
一人の少年が、そう強く危機感を抱いたのは、
15歳の春、きっかけは、小説だった。
胸躍る冒険や人と人の葛藤と絆の先に、
未来を切り拓く秘密がある――。
少年は、そう強く感じ、小説というエンターテインメントを通じて、
もやもやした社会を変える!と決めた。
それが、小説家 真山仁が踏み出した第一歩だった。

小説には、夢がある――。
強く願えば実現する夢だ。
それが絵空事ではないことを、多くの登場人物たちが教えてくれた。
小説には、怒りがある――。
怒りこそが、人を動かす原動力ではないか。
このままでは我慢できない。もう黙っていられない!
ならば、立ち上がるしかない。小説の中で、様々な怒りが生まれ、
それをエネルギーに変えた者が、英雄となっていく。
小説には、勇気がある――。
挑戦して失敗する勇気。危機に対していち早く声を上げる勇気。
最初は孤独な闘いかもしれないが、
勇気はいずれ、多くの人を巻き込んでいく。
読者は、主人公と一緒に闘いながら、
勇気が自らのうちに湧き上がるのを実感する。
だから、小説には、世の中を変える力がある。
そう信じて自らを鍛え、試行錯誤を続け、
真山仁は、27年を掛けて小説家としてデビューした。
以来、一貫して、小説の力を信じて書き、闘い続けている。
その真山仁が、2026年春、緊急に訴えたい問いがある。
「日本は財政破綻しない―それは信じたい『安全神話』ではないのか?」
ならば、破綻した日本の現実を突きつけ、
それを打破する知恵と勇気と行動を促す小説で、
今こそ本気で日本を変えたい――。
そう強く決断し、仲間と共に、初めてのクラウドファンディングに挑む。

「小説の想像力を、警鐘で終わらせず、行動と連帯へつなげようとする意欲的な挑戦だと思いました。危機の時代にこそ、こうした新しい試みが必要であり、心から応援しています」
|経済思想家 斎藤幸平|
「物語の力で社会に問いを投げる挑戦に敬意を表します。この挑戦が新たな共感と行動を生むことを期待します」
|株式会社ジンズホールディングス 代表取締役会長CEO 田中仁|
「大国は責任を忘れ世界は不安定化し、人々は物価高に苦しみ賃金は上がらない。いま次世代のために僕らはなにができるのか。まだ間に合います」
|俳優 谷原章介|
「すでに誰もが傍観者ではいられない状態にある日本。真山仁氏は現実の側から小説を通して社会に変革をもたらす土壌を造ろうとしている」
|ジャーナリスト・作家 鈴木エイト|
「真山さんの全く新しいチャレンジを応援します。人類がAIに勝つためには、考える前に行動することが重要です。真山さんのこの行動力が、人類を救うと思います」
|東大教授 / 理研副センター長 / OptQC共同創業者・取締役 古澤 明|
「真山さんの「日本に対する危機感」と「書き続ける勇気」と「次世代に対する責任感」。その3つが重なり合う次回作『デフォルトピア』の誕生を心待ちにしています」
|PIVOT CEO 佐々木紀彦|
「日本の現実を共に見据え、そして乗り越えて行きましょう」
|エム・アイ・コンサルティンググループ代表取締役 大上二三雄|
「自ら未来を描く挑戦は意義深く、新たな物語創出を応援します。まだ挑戦できるうちに明るい未来を」
|ブランズウィック・グループ 東京代表 唐木明子|
「歴史の逆流を毎日強く感じる世界と日本に『デフォルトピア』を一刻も早く登場させてください。心から応援しています」
|JAXA名誉教授 的川泰宣|


写真左:今回のプロジェクトに熱い思いを寄せ、推進役を買って出た山下恭司氏
山下:小説『ハゲタカ』でデビューして以来21年。M&A、政治、エネルギー、宇宙産業… 真山仁は一貫して、私たちの社会の裏側にある構造や矛盾を、物語という形で描き続けてきました。そもそも、小説家になった理由がユニークですよね。
真山:「平和だ」「いい世の中だ」とみんなが笑っていても、未来への不安や警戒心を、なぜかいつも敏感に感じ取ってしまう子どもでした。本気で小説家になろうと決めたのは高校生の時です。以来ずっと、日本が誤った方向に進むのを防ぎたい、そのためには未来に選択肢を持つことが必要だと感じています。ただ、そんなことを声高に叫んでも聞いてくれる人はほとんどいません。難しい、面倒だと思われず、無関心な人にも興味を持ってもらうには、楽しくて面白い物語という形が必要です。それが、様々なテーマでエンターテインメント小説を書き続けている理由です。
山下:真山ファンの間では、「真山は、予言者」という伝説がありますが。
真山:そういう実感はありません。ただ、作品で予想した未来が、その後、現実になったという例がいくつかあるからでしょうね。

山下:印象に残っているのが、原発が事故を起こしうる事態を克明に描いた『ベイジン』でした。発表したのが、2008年で、その3年後、東北を襲った大地震直後の福島第一原子力発電所の事故と酷似。「原発は安全だ」というそれまでの神話が崩れ、日本のみならず世界中を「まさか」の恐怖に陥れた大事故でした。

真山:私の小説のテーマの一つは、「常識を疑え」です。事故が起きるまで、日本の原発は、「絶対安全!」と言われていました。いわゆる「安全神話」が厳然とありました。しかし、研究していくと、やはり人間のやることに「絶対はない」のではと思い、関係者の協力を得て書きました。しかし、まさか本当に事故が起きるとは思っても見ませんでした。同時に、その後の対策を見て、日本は、事故を想定した対策を講じてなかったことに驚愕しました。
若者たちを交えて、様々なテーマで勉強会を継続的に実施している

山下:2017年に刊行された『オペレーションZ』の作中では、『デフォルトピア』という架空の小説が登場します。日本の財政破綻を描いたこの物語は、刊行後、多くの読者の心に強く残り、「作中の小説を、現実の一冊として読みたい」という声が寄せられるようになったそうですね。

真山:はい。最初は冗談かと思いましたが、不思議なことに、年々、その声が高まっていきました。そしてついに昨年、これまでの読者だけでなく、企業経営者や官僚、政治家や若者たちからも「デフォルト」への危機感を聞くようになりました。少し前までは、国家破綻は起きない、という見方もありましたが、円安が止まらなくなり、長期国債の利回りも史上最高値となり、一気に空気が変わりました。「もう、楽観していられる段階ではないのではないか」という声が、明らかに大きくなったのです。
また、政権は「責任ある積極財政」を標榜していますが、アメリカのイラン攻撃など、世界中に不穏な空気が充満してきました。日本で国家破綻が起きるのではないかという危機感を強く持っています。


山下:改めてですが、2020年にドラマにもなった『オペレーションZ』はどんな物語だったのか、まだ読んでいない方にもご紹介いただけますか。

真山:簡単に言うと、国家破綻の危機にある日本を背景に、「国家が破綻するとはどういうことか」を描いた小説です。政治家、官僚、金融関係者、企業人など、立場の異なる人間たちが登場し、それぞれの視点から“その瞬間”に向き合っていく物語です。

(WOWOWドラマ「連続ドラマW オペレーションZ ~日本破滅、待ったなし~」は、2020年3月15日~4月19日まで、毎週日曜夜10時に全6話で放送。Amazon Prime Videoで視聴可能)

山下:単なる財政問題を描いたというより、人間ドラマの側面も強い印象があります。

真山:そうですね。財政や金融の話が軸にはありますが、「極限状況に置かれたとき、人はどう判断し、どう行動するのか」がテーマになっています。国家という大きな題材を扱いながらも、読者が登場人物の一人として物語に入り込めるよう物語を構成しましたね。



山下:それでは『オペレーションZ』に出てきた、作中小説の『デフォルトピア』はどのような物語なのでしょうか。

真山:一言で言えば、「日本が本当に財政破綻したとき、社会はどう変わるのか。」国家破綻を、現実の延長線として描かれた作中小説です。破綻という言葉はよく使われますが、その先で政治や経済、そして人々の暮らしがどう連鎖的に崩れていくのかは、意外と具体的に語られていません。


山下:余り考えたくないですね(笑)。きっと想像したくないだけではなく、リアルに想像できないとも思います。

真山:『デフォルトピア』では、そのプロセスを一つずつ追っていきます。『オペレーションZ』が「破綻を回避するための選択」を描いた物語だとすれば、『デフォルトピア』は「回避できなかった世界を引き受けた人々」を描く物語です。ただ、描いているのは専門家だけの世界ではありません。国家の問題が、どのように私たち一人ひとりの日常に降りてくるのか。その距離を、物語として可視化したいと考えています。

デフォルトピア メインビジュアル
イラスト:茂本ヒデキチ
2023年11月から2025年9月にかけて『日経ビジネス』で連載され、のちに単行本化された、真山仁著『チップス ハゲタカ6』。本作の連載では、茂本ヒデキチ氏による印象的なイラストが作品世界を彩りました。そして今回、本プロジェクトへの応援をこめて「デフォルトピア」のメインビジュアルを、過去のハゲタカ作品の連載で、挿画を担当し好評を博した茂本ヒデキチ氏が担います。



山下:国家破綻を可視化するというのは、かなり難しい気がします。それは、もうSFの世界では?

真山:難しいですね。例えば、財務省の関係者に尋ねると、「絶対起きませんよ」と即答します。でも、そのあと「余程のことがなければ」と続きます。それを財務省の陰謀と片付けるのは、自由です。ですが、それが陰謀なのか、あるいは荒唐無稽の絵空事なのかは、現実をしっかりと描いてから考えることではないでしょうか。世の中に「絶対」はないと訴え続けてきた私としては、何が起きるかを誰も可視化してこなかったから、想定さえも出来ず、「神話」を信じているだけじゃないかと感じています。もちろん、起きないに越したことはないわけですし。

山下:この数年、日本だけではなく、世界であり得ないことが次々と起きていることを考えると、起きない!と断言する自信は持てないですね。でも、悲惨な未来を想像するのは怖い。

真山:でも、人には「怖いもの見たさ」という衝動もある。だとすれば、実際に徹底的に取材して、それをリアルに描いて判断するべきではないでしょうか。それと、私はただ絶望の淵に落ちた日本を読者に突きつけるだけでは終わりたくないと思っています。

山下:どういうことですか?

真山:絶望のどん底にあっても、人は必ず立ち上がり、生きようとします。そこに人間の底力と素晴らしさがある。世界中で、小説はずっと絶望から立ち上がる姿を描き、読者に勇気を与えてきました。『レ・ミゼラブル』しかり、『風と共に去りぬ』しかり、『宮本武蔵』しかりです。そして、デビュー作以来書き続けている『ハゲタカ』でも、逆境に追い詰められながらも、常に闘い続ける人たちを描いてきました。
今回の『デフォルトピア』でも、そんな勇気を持った英雄と、共に闘う同志を登場させたいと思っています。実は、それがクラウドファンディングに挑む理由の一つでもあります。




出版社主導ではなく、クラウドファンディングという形を選んだ理由を教えてください。

真山:常に、私は多くの方に取材し、物語を紡いできました。多くの人の経験や喜怒哀楽を受け取り、それを小説として昇華させる。そういう気持ちで書いています。今回は、その手法をより広げたい。つまり、絶望から立ち上がるために、何が必要か。読者の皆さんに同志になっていただき、共に考えたい。

山下:支援者の方々とは、どのような関係を築いていきたいと考えていますか?

真山:まずは、関心を持っていただき、いろんな面でご支援をいただき、作品を完成させるのがひとつのゴールです。ただ、この小説は、日本で起きてほしくない未来を描く物語でもあります。読み終えたときに、「こうならないために、何に関心を向けるべきだったのか」を、自分自身に問い返してほしい。そしてその問いを、読み終えたあとも手放さずにいてほしいのです。
そのために、支援者の方々とは、この作品だけに留まることなく、同じ問いを抱え、同じ側に立って考え続ける仲間でありたい。このプロジェクトは、その関係性をつくるための挑戦でもあります。



山下:真山作品は、予言の書だと言われていますが、今回だけは、現実になって欲しくないですね。

真山:まったく同感です。この物語のようなことは起きなかったーーそうなれば、幸せです。ですが、私は常に未来について「プランB」を考えておくべきだと思います。また、このプロジェクトで共に考え闘おうと立ち上がってくださる皆さんとの取り組みは、けっして無駄にはならないと思います。国民主権と言われても、ピンとこないですが、自分の国のピンチを想像して、その対策を必死で考えていると、ああ、実は自分たちが主人公にならないと「良き国」は生まれないんだと実感できるのではないでしょうか。





山下:最後に、このページを読んでいただいている皆さんへ、改めてお伝えしたいことをお願いします。

真山:漠然とした不安、希望のない未来。それをどこかで感じつつも、不満や不平をつぶやくだけで、「見ない」ことにする生き方をやめませんか。私たちに必要なのは、根拠なき警鐘や小賢しい楽観論ではありません。


見過ごし続けた先に何が起きるかを物語で“体験”した上で、サバイブする方法を見出したい。一緒に泣き、笑い、考え、力を合わせて、生まれて良かったという日本を次の世代にも引き継いでいこうではありませんか。

真山仁 経歴



