
クラウドファンディング終了まで、いよいよ残り3日となりました。
これまでご支援いただいた皆さま、本当にありがとうございます。
一つでも多くの廃棄漁網を回収し、海を守るために
ネクストゴール達成に向けて、最後まで全力で取り組んでいきます。
引き続き、応援いただけますと嬉しいです!
今回は、同じく海の課題に向き合い活動されている株式会社シーバブル 名嘉貴也さんとの対談を実施しました。
その内容を記事としてまとめていただきましたので、ぜひご覧ください。
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「捨てればゴミ、活かせば資源」—石垣島の若き海人と語る「新しい常識」
石垣島でモズク養殖を営む、若き海人の名嘉 貴也(なか たかや)さん。事業の傍ら、伝統船サバニを活用した海洋教育を行うなど、海の現場を大切にしながら活動する名嘉さんの目に、藤本 健さんの挑戦はどう映っているのでしょうか。
クラウドファンディング募集終了の4月5日が目前に迫る中、藤本さんと名嘉さんのお二人に語っていただきました。

二人の出会いは「モズクスムージー」
廃棄漁具を資源へと再生する藤本さんと、石垣に生まれ海とともに生きる名嘉さん。二人の接点は、藤本さんが営む竹富町商店で提供するスムージーで使っていたモズクの仕入れを通じた出会いでした。一見、環境活動とは無関係に見えるエピソードの中に、島の中で資源を循環させようとするお二人の接点がありました。
藤本: 一番最初にお会いしたのは、僕がお店で出すモズクを名嘉さんから買わせてもらった時でしたよね。
名嘉: そうそう、僕のモズクを使った「モズクスムージー」ですよね。
藤本: 全然売れなかったけど(笑)。
名嘉: ミルクとモズクは合わないっていう(笑)。
藤本: でもね、本当は味はすごく美味しかったんですよ。ここにゴーヤとか入れたら、さらに最高で。実は今でもひそかにファンがいたりするんです。
名嘉: サラダ感覚みたいな感じですね。僕が実際に藤本さんの取り組みを詳しく知ったのは、海洋調査をしている方の船をお手伝いしていた時でした。地元からの視点で見ても、ここまで島で環境問題に対して動いている人って、僕は見たことがないです。島の人って結構なんでも捨てちゃうんですけど、最初にそれを買う時はお金を払っているじゃないですか。藤本さんは、もともと捨てられているものを、使えるものに変えている。そこがめっちゃすごいなと思ったんです。

漁協の周辺に山積みだったテグスが消えた、あの驚き
漁業の現場において、網やテグスは「漁業に欠かせない道具」であると同時に、使い終われば「膨大な廃棄物」という厄介者に変わってしまいます。その現場が、藤本さんの行動によって目に見えて変わり始めたという事実は、このプロジェクトが現場に与えたインパクトを何より物語っています。
名嘉: 僕は小さい頃から、父がマグロ船をしていたこともあり、役目を終えたテグスが漁協の周辺に山積みになっている光景を見るのは当たり前の日常だったんです。でも、ある時そのテグスが姿を消したので、「一体どこへ処分したんだろう」と思っていたら、まさか藤本さんの手によってあのサングラスに生まれ変わっていたなんて。その事実を知った時は、本当に驚きました。
藤本: 島で何かを作ろうと思ったら、内地から原材料を買わないとほとんど何も作れないですよね。海に落ちているテグスを見た時に「もったいないな」と思ったのがひとつのきっかけです。これが石垣の新しい産業になればと考えて、この10年、時間をかけてここまで来ました。
名嘉: そんなこと、みんな思っていても、なかなか行動には移せないですよ。
藤本: ただ、プラスチックをリサイクルするためには、良い品質のものを大量に作らなければいけないんです。プラスチックの種類は実は何百種類もあって、素材が違うと混ぜることはできませんし、有害物質が含まれているものもあります。それらを適切に処理し、成形するペレット(再生原料)の品質を、内地への送料をカバーできるレベルまで引き上げる。その高いハードルを越えて、ようやく素材として認められるようになりました。
実は、全国的に見ても漁網のリサイクルをやっている所は少なくて、みんな嫌がるんですよ。汚かったり、洗うのに膨大な労力がかかるから。でも、八重山の海人さんが使っている漁具って、どれもすごく綺麗なんです。名嘉さんたちも、専用の洗濯機で洗ったりしていますよね?
名嘉: そうですね、モズク網なんかも専用の洗濯機でしっかり洗浄します。海人は道具を大切にする人が多いので、原料としての質も実はすごく良いはずですよ。あと実際、マグロ船主達も一年で数百万円かけて重量が何百キロにもなるナイロンを買っているんです。本マグロの力ってすごくて、ちょっとでも傷が入るとパチンと切れるから、どんどん入れ替えることになる。漁協の周辺に袋になって山積みになっていたのを、藤本さんが持って行ってくれたんですよね。
藤本: 産業廃棄物だから、捨てるのにも相当なお金がかかりますもんね。
名嘉: そうなんです。だから、毎年お金をかけて捨てていたのを引き取ってもらえるのは本当に助かるし、お金を払ってでも引き取ってほしいくらいです。
三線やゴミ箱など、自分たちで出したゴミを自分たちの道具に戻す理想
ただゴミを減らすだけでなく、「自分たちが出したゴミで、自分たちが使うものを作る」という自給自足的な循環。島の伝統文化である三線や、生活に欠かせないゴミ箱を作るといったアイデアも飛び出し、アップサイクルの可能性を日常へと繋げていきます。
藤本: (テグスを見せながら)このナイロンテグス、これは本マグロ用の180号くらいあるやつですが、反発力としなやかさがあって、軽くて折れないんです。今回開発したサングラスでは、60%くらいこれを使っているので、すごく軽いんですよ。
名嘉: 本当に品質もいいですよね。僕、めっちゃ自慢しまくってますから!サングラス以外にも、自分たちが出した廃棄物で、自分たちが使うものを作るのが一番おもしろいと思うんです。
藤本: 3Dプリンターを使えば、例えば三線のパーツや、ナイロンの特性を活かして弦(糸)を作ったりもできるかもしれませんね。
名嘉: それはいいですね! あと、最近は鉄が高騰して、ゴミ箱を作るのも材料費だけで結構かかるんですよ。ゴミから作ったゴミ箱なら、サビもしないし雨風に強い。あれば欲しい人、いっぱいいると思います。
藤本: ゆくゆくは製品だけじゃなくて、漁業そのものの価値も上げていきたいんです。例えば、マグロを売る時に「このマグロは廃棄物を減らした漁法で獲りました」っていう認証シールを貼るとか。そうすれば、リサイクルのその先にある、本当の循環に繋げられるんじゃないかなと思っていて。
名嘉: それは絶対におもしろいですね!生産者のプロモーションにもなるし、相乗効果が期待できると思います。廃棄する側も、それならめっちゃ気持ちいいですよ。僕らが海で育てたモズクを美味しく食べてくれたお客さんが、そのモズクを収穫するために使った網から生まれたサングラスをかけて、また海に遊びに来てくれる。そんな目に見える循環を藤本さんが作り上げてくれているんだな、と感じています。
海の負担を減らし、子どもたちが「当たり前」に循環を感じる未来へ
名嘉さんが情熱を注ぐ海洋教育の現場でも、藤本さんの技術は「ゴミのその先」を具体的に示す希望となっています。子どもたちが拾ったゴミが、最先端の技術で新しい価値に変わる体験。これこそが、次世代の環境意識を育む鍵となります。
名嘉: 今回、藤本さんから予算をいただいて、子どもたちと海中清掃も実施しました。サバニを使ってビーチクリーンをして、拾ったゴミでアートを作ったり、分別を教えたりして。
藤本: 子どもたちの反応はどうでしたか?
名嘉: 「またやりたい!」って、すごく楽しんでいましたよ。あらかじめ僕たちが砂浜にカジキやドラえもんの下書きを描いておいて、その上に子どもたちが拾ってきたゴミを並べていくんです。浜辺に打ち上がっているものがどういう成分で、どうやって新しい物になるのかを体験できる。この子たちが大人になった時に、藤本さんがやっていることが「当たり前」の常識になっていれば、それが理想型だと思います。
藤本: そのためには、やっぱり継続できる予算が必要なんです。船を出す燃料代やタンク代など、自分たちのボランティアだけでは限界がありますから。
名嘉: 今までは自分たちで自費でやっていたけど、廃棄にお金がかかるし、ボランティアで集めて廃棄料も払うというのはやっぱりきついですからね。
藤本: 仕組みとして回していくことが大事ですね。
名嘉: 海人側も「ただ捨てるだけ」じゃなく、「藤本さんに資源として渡すんだ」という意識を持つ。これからは海から上げた網やテグスを、より自分たちでしっかり洗浄して、砂や不純物を落としてから預ける。そういう、出す側のちょっとした手間や責任がより当たり前になれば、藤本さんの負担も減るし、もっともっと良い循環になりますよね。
藤本: 現場の方たちがそうやって「資源」として扱ってくれることが、この活動の何よりの支えになります。
名嘉: 藤本さんは発想がぶっ飛んでるからこそ、捨てられているものを見て「これ何かに使えるかも」とアイデアが閃くんだと思います。5年後、10年後には、「石垣のサングラスはみんな漁具から作ってるのが常識だろ」ってみんなが言うような未来を、藤本さんなら作ってくれそうな気がします。
最後に
「藤本さんの取り組みは、海の現場から見ても意味がある」。この対談を通じて見えてきたのは、単なるリサイクルではなく、海人たちの負担も減らしながら活動を島の誇りへと変え、子どもたちへ繋いでいく未来への循環です。
この挑戦を一時的なもので終わらせず、石垣島の「次の常識」にするために頑張っています。クラウドファンディングの締切は、2026年4月5日です。
ぜひ皆様のご支援やシェアでの応援をよろしくお願いいたします。石垣島の海から、新しい景色を一緒に作っていきましょう。
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