佐谷です。昨日はフラメンコギタリストのフアン・マニエル・カニサレスの来日公演に行ってきました。世界が注目するギタリストですが、縁あってご来パクいただいたこともあります。
出会いは14年前の今頃。僕自身の結婚式でした。 カニサレスの演奏は素晴らしく、というか圧倒的で、ギターからあんな音が出るのかという感じ。また、クインテットの歌も踊りも僕のボキャブラリーでは本質を表しきれないのでここに書くのはやめておきます。ぜひ検索してインタビューを探して、アルバムも買ってみてください。
結婚式になぜそんなギタリストが来たのでしょうか。僕の妻の同級生が、カニサレスの奥さんだからなんです。結婚式はポルトガルのロカ岬で行いました。カニサレスと奥さんは、マドリッドから車で来てくれました。 その時は彼がどんなギタリストか知らなかったので・・・前夜祭では「ギタリストらしいね!」なんて気軽に声をかけ、当日も特別に奏でてくれたのを聞いて「さすがやな、めっちゃうまいな!」なんて皆んなで“カニちゃん”を褒めそやしました。
10年以上前ですが「日本でライブするから来てよー」と言われ、そのチケットを取ったときに気づきました。会場がブルーノートだったのです。すごっ! その後注目させてもらっていますが、フラメンコの世界にとどまらず、ベルリンフィルハーモニーをはじめとして世界のオーケストラとも共演するような存在になりました。まさに大御所。来日するたびに、一ファンとして、“カニちゃん”と呼べる友人なのをちょっと誇らしく思いながら、聴きに行っています。
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せっかくなので結婚式について少し書きましょう。それはまさに「つながりの結婚式」と呼ぶべきものでした。直前にイギリス留学をしていたのでイギリスから来た友人たちがいて、それまでのアジア・ヨーロッパへの旅で会ったヨーロッパ人たちが、それぞれのホームタウンからやって来てくれました。日本からも兄弟家族以外に多数の友達が来てくれました。
学校の同級生、仕事で知り合った人、居酒屋でたまたま隣だった人、そういう人を常につなぐ飲み会をやっていたので、いろいろな種類の人たちが集まる会合に意味もわからず出席すると、想像もつかない面白いことが起こると身体で知っていた人たちです。ツアーでもなく、現地集合。58人もの人が集まってくれました。
ロカ岬で結婚式をした理由は、そこがユーラシア大陸の最西端だからです。僕はそれまでに、ユーラシア大陸を1人旅で3度横断していました。妻は、スペイン語が専攻で、スペインへの留学経験がありました。僕は一人旅を終えて二人旅になる記念として、ユーラシア大陸の端に立ちたいと思いました。妻は、いつかスペイン語圏である中南米で仕事をすることがあるかもなということでした。これからの生活を、ロカ岬から大西洋の先に望もうというのが、その場所を選んだ理由です。
もちろん、ロカ岬は結婚式場でもなんでもないのですが、関係各所の協力を仰いだほか、参列してくれた友人たちのアイデアを加えて思い出に残りまくる結婚式となりました。そこで出会った友人同士が、その後世界各地で再会しているという報告をいくつももらっています。最西端までわざわざ飲み会をしに行ったメンバーという強固な絆ができました。