はじめに|私たちがつくろうとしている場所

私たちは、今年5月に岡山初の「ホームホスピス こいろ」を開設します。
“暮らしの延長にケアがある”
そんな時間を過ごす、第二の我が家です。
ここは、病院でも施設でもありません。
6〜7人の利用者さんが、住み慣れた地域の中で、
その人らしい時間を大切にしながら生ききるための場所。
終末期の方だけでなく、障害のある方、一人暮らしが難しい方。
さまざまな背景をもつ人が、安心して「自分らしく生きる」ための場所を、
私たちは地域につくろうとしています。
なぜホームホスピスなのか

多くの医療・介護の現場では、効率や安全が優先されます。
それはとても大切なことですが、
同時に、 「その人の暮らし」や「その人らしさ」が、
後回しになってしまうこともあります。
私たちが目指すホームホスピスは、 生活が主役で、ケアはそのすぐそばにある場所。
ごはんを食べる、話をする、眠る、笑う、人の気配を感じる。
そんな当たり前の時間を、最後まで大切にできる家です。
壊れた町の中で、私たちが守ってきた「日常」
―― 被災地で続けてきた、そーる訪問看護ステーションの原点
西日本豪雨災害で、真備町は大きな被害を受けました。
河川の氾濫や土砂災害により200人以上の尊い命が失われ、
その後も大型台風による被害が重なりました。
その被災地で、そーる訪問看護ステーションは活動を続けてきました。
訪問看護は、重い病気や障がいがあっても、年齢に関わらず、
住み慣れた地域や家庭で、その人らしく暮らし続けることを支える仕事です。
それは、豪雨災害後の「新しいまちづくり」とも深くつながるものでした。
被災しながらも、支援を止めなかった日々
2018年7月の豪雨では、
そーるの事務所や代表の自宅も浸水しました。
スタッフ自身も被災する中、避難先から利用者全員の安否確認を行い、
その後も訪問看護を止めることなく続けてきました。
なかには、水害後に亡くなられた方の“看取り”を担ったスタッフもいます。
利用者数は一時、震災前の半分にまで減少しましたが、
それでも活動を止めることなく続けてきました。
その積み重ねの中で少しずつ仲間が増え、
現在は20名を超えるスタッフで運営しています。
医療や看護だけでは支えきれないと気づいて
訪問の現場では、
人工呼吸器の管理、気管切開や人工肛門のケア、リハビリ、
精神障がいを抱える方の生活支援など、
一人ひとり異なる、専門的で多様なケアが求められます。
そうした日々の中で、私たちは気づきました。
医療や看護だけでは、支えきれないものがあるということに。
地域と一緒に守る「日常」という居場所
被災直後から、そーる事業所の前で
全国から届いた支援物資を地域の方へ届ける配布会や、
小さなお祭り、交流の場づくりを続けてきました。

そして2020年から始めたのが、
「enrich(エンリッチ)カフェ」です。
カフェには、ご高齢の方や小さなお子様を連れたご家族をはじめ、
真備町内だけでなく、県外から訪れる方もおり、
さまざまな背景を持つ人たちが集まっています。
ここでは、血圧測定や体重測定も行いながら、
「最近、食事はどうしていますか?」
「夜は眠れていますか?」
と、さりげなく声をかけています。
医療機関につながるほどではないけれど、
誰かに聞いてほしい不安や悩み。
そうした声を受け止め、必要な支援につなげる。
この場所は、地域の中で“日常を守る拠点”となっています。
10期目の今、次の挑戦へ
病気や障がいがあっても、
災害を経験しても、
行き場のない人をつくらない。
地域の中に、役割と居場所がある社会をつくる。
そーる訪問看護ステーションは、今年で10期目を迎えます。
そして今、その歩みの延長線上にあるのが、
ホームホスピス「こいろ」です。
今回、こいろの浴室に導入を目指す「美浴(びあみ)」は、
これまでそーるが大切にしてきた
「安心して、気持ちよく過ごしてもらうケア」の考え方に、
そっと寄り添うような入浴設備です。
また、介護テクノロジーを取り入れることで、利用される方の負担を減らし、支える側も無理をせずに関われる環境を作ります。人のあたたかさとテクノロジーの力を組み合わせ、これからの時代に続いていく、持続可能なケアと暮らしを目指します
暮らしの中で起きている現実
「入浴」は、本来とても当たり前の行為です。
けれど、寝たきりになったり、身体に負担をかけられなくなった途端、
その当たり前は、簡単に失われてしまいます。

時間がかかる、転倒などの危険がある、ご本人やご家族の負担は大きいものです。
さまざまな理由から、 「今日はやめておこう」と諦めざるを得ない日もあります。
それは、清潔の問題だけではありません。
入浴は、ひとりで過ごす、とても個人的で繊細な時間。
人としての尊厳に関わる問題だと、私たちは感じています。
入浴は「生きる力」

湯船につかる。 身体が温まる。 ほっと力が抜ける。
入浴には、身体だけでなく、心をゆるめる力があります。
「気持ちよかった」 「さっぱりした」
その一言が、その人の一日を支え、
「今日も生きている」という実感につながっていく。
私たちは、入浴を “できればいいケア”ではなく、
“守り続けたい時間”だと考えています。
そこで私たちが選んだのが「美浴」です

そこで私たちが選んだのが、 介護用シャワー入浴装置「美浴(びあみ)」です。
寝たきりの方や、身体に大きな負担をかけられない方でも、 「怖くない」「しんどくない」入浴ができる設備です。
抱え上げる必要はなく、 体を無理に動かすこともありません。
その日の体調に合わせて、 短い時間でも、温かさに包まれる。
美浴は、
「入れてあげる入浴」ではなく、
その人が安心して身をゆだねられる時間をつくってくれます。
肩の力が抜けて、 呼吸が深くなって、 「気持ちいいね」と、ぽつりとこぼれる言葉。
入浴は、身体を清潔にするためだけのものではありません。
温かさに包まれ、 安心して身を任せられる時間は、 「生きている心地」を取り戻すひとときでもあります。
美浴では、身体拭きでは得られない、 入浴と同等、あるいはそれ以上の 温もりと心地よさを届けることができます。
暮らしの中に、無理のないケアを
私たちのホームホスピスは、 終末期の方だけの場所ではありません。
障害のある方、 一人暮らしが難しくなった方、 年齢や病気に関わらず、 「ここで暮らしたい」と思う人が暮らす家です。
だからこそ、入浴も、 特別な医療行為ではなく、 暮らしの延長にある、当たり前の日常であってほしい。
無理をせず、 急かされることもなく、 その人のペースで続けられるケアが必要だと、 私たちは考えています。
介護や看護の現場では、 支える人の身体にも、
心にも、 大きな負担がかかっています。
とくに入浴介助は、 腰や腕に負担が集中し、
「続けたいけれど、続けられない」 そんな声も少なくありません。
支える人が倒れてしまっては、 暮らしは続きません。
人を大切にする場所だからこそ、 働く人も大切にしたい。
その思いから、私たちは美浴を選びました。
尊厳のある暮らしを、これからも

体位変換を最小限に抑えられる美浴は、 痛みを抱える方や、褥瘡のある方にとっても、 大きな助けになります。
夏の暑さの中でも、 室温を整えながら使えることで、 利用者にも、スタッフにも、 やさしい環境を保つことができます。
美浴は、 特別な人のための特別な設備ではありません。
誰もが、その人らしく、 最後まで暮らし続けるための道具です。
入浴が難しく、 「家ではもう無理かな」と感じている地域の方にも、
必要に応じて使っていけたらと考えています。
暮らしている場所で、 無理なく清潔を保てること。
それは、 その人の生活を続けていくうえで、 とても大切なことだと思うからです。
私たちは、このホームホスピスに、 どうしても美浴が必要だと考えています。
ただ、導入にはまとまった費用がかかります。
今回のクラウドファンディングでは、 美浴の購入費用の一部を、
みなさんにご支援いただけたらと考えています。
「必要だから」だけではなく、
「ここにあってほしい」と思えるものを 整えて、この家を始めたい。
そんな思いで、このプロジェクトを立ち上げました。
ささやかなお返しについて(リターン)
ご支援いただいた方には、 ささやかではありますが、
お礼の気持ちをお届けしたいと考えています。
お礼のメッセージや、 活動のご報告、 この家の様子が伝わるものなど、
「応援してよかった」と、
ふと思い出してもらえるような形を、ご準備しています。
詳しくは、 リターンのページをご覧ください。
【スケジュール】
令和8年 3月 1日 クラウドファンディング開始
令和8年3月31日 クラウドファンディング終了
5月初旬 物件の引き渡し 完了
5月下旬 ホームホスピスこいろ 開所
10月 リターン発送
最後に
【私たちからのお願い】
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
私たちは、特別なことをしたいわけではありません。
ただ、ここで暮らす人が、できるだけ穏やかに、その人らしく過ごせるように。
そして、支える人も無理をせず、笑顔で関われるように。
そんな日々を、この家で続けていきたいと思っています。
もし、この思いに少しでも共感していただけたら、
ご支援という形で、一緒に見守っていただけたら嬉しいです。







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