第8回:補助金ゼロで自走するNPOの挑戦。震災復興から学んだ「真の支援」とははじめにーーこんにちは。日光商事 4代目社長の川村孝士です。私たちが挑戦している「呼吸する魔法の袋・ビニロン」の復活プロジェクト。この背景には、「足利が誇る1300年の繊維の歴史と、本物の職人技術を未来へ残したい」という強い想いがあります。連載の大詰めとなる今回は、足利で民間主導による文化・芸術支援を行い、今回のクラウドファンディングでもご協力をいただいている「おもい・つむぎ財団」の川端代表にお話を伺いました。補助金に頼らず、文化を自走させる。その原点には、東日本大震災の現場で学んだ「真の支援」の形がありました。財団設立の経緯川村孝士(以下、川村):おもい・つむぎ財団さんは、足利だけでなく全国で活動されていますが、もともとはどのようなきっかけで設立されたのでしょうか。川端代表(以下、川端):財団の設立自体は2019年ですが、その前身があります。2011年の東日本大震災のタイミングで、被災地に仮設の図書館を作る活動をしていて、それを社団法人としてずっとやっていました。今も宮城や岩手、福島を中心に47か所くらい図書館があります。ただ、震災直後はあった補助金や助成金も、だんだんなくなっていきます。それでも持続可能な形にしていくには、自分たちでちゃんと財源を作らなくちゃいけない。そうして財団法人にしたのが現在の形です。川村:補助金に頼らずに活動を持続されていると伺いました。川端:はい。うちの財団は、政府系の助成金などはいただかずにやっています。裏を返すと、そこに頼っていくと、震災の時もそうだったんですけど、大体3年ぐらいで補助金が切れて、それまで手伝っていたNPO団体とかがいなくなっちゃうんですよ。純粋な善意で来てくれていたとしても、補助金が切れて彼らが去った後、長期的な視点で見るとかえって地域にダメージが残ってしまうケースを実際に見てきました。川村:なるほど。自力で持続できないと、長期的に見て本当に地域の役に立っているかは分からないということですね。川端:だから、うちは補助金をもらわずに、地域で自主的にやっていきましょうと。ただお金を出すんじゃなくて、自立して自分たちで自走していくのを支援する側に回ろうとフェーズを変えていったんです。おわりにーー「補助金が切れると終わってしまう支援では意味がない」。震災の現場で支援の限界を知ったからこそ行き着いた「自走」という答え。次回は、日本のNPOの常識を覆す、「利益を出して社会に還元する」という川端代表の持続可能なビジネスモデルの哲学に迫ります。




