5人目は新潟の岡田蝋燭店の岡田さん。
櫨(はぜ)蝋燭を作っているところを撮影しました。
鍋に溶かした櫨蝋を手ですくい、塗り重ねて太さを出していきます。
繰り返し繰り返し。
先を切り落とします。何本も何本も。
このアングルでカメラを構えてると、スッと画面から消えては、ここにピタッと戻ってきます。
和蝋燭は芯が太く、炎が力強い。とてもかっこいい炎です。
日本でも生産するところはかなり減ってしまったようです。
6人目は輪島塗の沈金師、小川さん。
輪島塗は分業で漆器を作っています。木地師、塗師の丹精込めた仕事の後、鑿で削って加飾していきます。
網代文様の箸。
細心の注意を払いながら削って削って
その上に金箔を貼っていきます。
1日置いてから、箔を剥がしていきます。
そうすると、削ったとこに金が残る。
ずっと見てました。
7人目は井波の木彫刻家、田中さん。
奥さんは漆芸家で、二人でトモル工房を営んでいます。
優しく、穏やかで美しい、人柄の出ている彫刻を作っています。
香港で展示をするらしく、その制作風景を見せてもらいました。
ただの木の塊だったところから
鑿を使い分け
コンコンコンコンと。
だんだん姿を現してきます。
こちらもずっと見ていたくなる、とてもいい時間でした。
あと、楠が削られていくと、とてもいい香りがしました。
8人目、輪島塗の塗師、わじま塗の津田の津田さん。
刷毛を使う手首が柔らかくて、美しい所作。
細心の注意を払いながら、ホコリを取る。
先っぽは猫のヒゲだそう。
25年間塗師をしていて、まだまだ修行の身だ、と。
工芸の道は果てしない。